ブルーウォーター領内にて。⑦(牧場)
次の日は牧場に行った。
毛刈りショーだよ。刈ったあともキレイにまとまって、そのままの形が再現されてるよ!
乳搾り体験だよ!牛さんの胸はあったかいよ!
おお、牧羊犬がちゃんと羊さんを追いかけて、お家に誘導しているわ。
お利口だねえ。
卵収穫体験。
ニワトリさんの顔がなんじゃコラ?取る気か?ええ?
って怒ってるよ!
バードショー。まずは隼。
フクロウ。そしてヨウムのおしゃべり。
ルリコンゴウ、ベニコンゴウが飛ぶ。
デカいイーグルがきた。かっちょいいー!
おや?ハゲワシもだ。
ううう!
横でメアリアンさんがうめいた。
「キモい親父の霊が?ハゲワシの上に!」
あー、、そんなこともあったような。
おや、ルリコンゴウのルリルリちゃんがアンちゃんの肩にのった。
「!うわわっ、ビックリしたな、もう!」
南伸介かと思ったらアンちゃんか。
猫以外には塩対応だ。
「ンー、デンゴン、デンゴン。
オーイ、アンディーー
イッショニ、カエロー、。」
おお?水島?ビル○の竪琴?
「何言ってんだ。旅行は明日までだ。」
「オーイ、アンディー、オニーチャント、カエローー。
イッショニカエロー」
「うん?鳥がうるさいぞ?どうした?」
ネモさんにセキセイインコ、オカメインコ、ヨウム達が群がって口々に話す。
キチンと喋れる鳥さんたちだ。
ギガント、襲撃、内乱それらの言葉が飛び出す。
みんなに緊張が走る。
「ギガントの新王が刺された。重症だ。
前王の落とし子を名乗る男にだ。その男も拘束された。今騎士団が制圧してる。その指導者が、新しい統治者になると宣言している。」
ええー、なんだって?
「とりあえず、レイカちゃんとランドさんはここに。あとは王都に戻る。」
お仕事バージョンのアンちゃんだ。
「この領地は鉄壁の守りをしく。みんな、いいな?」
ネモさんの指示でバサバサと鳥たちが飛んでいく。
その後ろをどこから来たのか、クマ、オオカミ、猪突猛進のイノシシが続く。
いきなりザワザワと地面が揺れた。
牧場の草原、そこから無数のバッタが飛び出す。
「もし、国境に敵がきたら、虫に覆わせます。」
えっ、そんなことが出来るの。いやもう、何なの。この人。蟲師?
「今、陸蒸気が到着しました。」
「それに乗ってもどるぞ!」
着いた陸蒸気から降りてきたのは、エリーフラワー様と、ミネルヴァちゃん、王妃様と双子の王子だった。
「大変なことになったわ。情報はネモの鳥のおかげでウチの国が1番早い。
私は隠居したら、ブルーウォーター領に住むと決めていて、秘密裏に別荘もあるの。
今回はそこに、孫と乳母を連れてきたという建前でいくわ。」
ここに避難したという事は巻き込まれる可能性が高い、ということだ。
嫌な話だが、万が一王都が攻め込まれ、城が落ちてもこの王子様たちがいれば、血筋が続く。
「アンちゃん、気をつけてね。」
「モチのロンよ。」
「アンディー、ひどいじゃないかー。この兄を無視するとは。」
「白鬼か。会いにきてたのはそう言うことなのか?
やはりおまえには、あちらから接触してきたのか?
それならそうと!」
「いいや?おまえたちと楽しく観光したかっただけだ。」
バシン!
「あら!レイカ、ナイスツッコミよ!
私の鉄扇テッシーちゃん、使いこなしてるわね。」
「ふう。またつまらぬものをぶってしまいました。」
「まあ。五○門ね。」
頭を押さえる白鬼。でもなんか嬉しそうなのは気のせいか。
「なんのセリフなんだよ…。
メアリアンさん。またレイカからおばさん出てますか?」
「いいえ?ランドさん。
それより王妃様もぴったりと膜が貼るようにもう1人重なってます。」
うわ、やはりモノホンだわ。
「そなたが元アメリアナ姫か。不思議ちゃんになったというのはホントなのね。これからネモさんとこで占い師として生きるといいんじゃないの。」
「そうだね。名産品を売る施設を拡大するんだ。そこに占いコーナーを作ろうか。」
「ではネモさん、みんなを頼みます。」
「俺も残るよ、アンディ。王妃様とレイカちゃんと、エリーフラワー様とお子様を守るよ。」
「は!オマエも来るんだよ!白鬼。」
「まあ、待ちなさい。アンディ。白鬼は私の護衛にするわ。王家への忠誠はまだあるみたいだし。使えるものは使わないと。」
「アンディくん。彼にはスネちゃまを潜ませる。
彼女たちに危害を加える気配があると、容赦なく噛む様に。
白鬼。スネちゃまの毒は1回目より2回目が効くよ。何回かで○にいたるよ。」
「まあ。アラアラカシコショックなのね。」
「王妃様。多分それ、アナフィラキシーショック。」
「何の呪文ですか?」
苦笑するアンちゃん。
「「古文です。」」
乳搾り体験、卵拾い体感、毛刈りの見学。バードショー。牧羊犬のショー。どれも体験しました。