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ブルーウォーター領内にて。⑤(再会3人目)

「あー、なるほど通勤圏ですね、、。」

陸蒸気を使えばね。ここに住みこんで、アンちゃんが時々護衛の仕事に出ていく。

いつもと同じかあ。

「もう堂々と隠れずにやれば良いのです。表は猫カフェ。奥はVIPルーム。」

「それに王家の方がここの領地に別荘をお持ちになっています、王妃様とか。」

おや、ローリアさんいたの。

「彼女は本職は私の秘書なんですよ。コ・イー・ワイ牧場を立て直した手腕。有能な人です。

もちろん、長兄がやらかしたお詫びの気持ちもありますけど。」


ネモさんも満更ではなさそうだ。お似合いかもね。


「うちのセキュリティは、なかなかですよ。ホラ。」

促されて外に出てみると、

地平線の方に物すごい量の鳥が集まってる。

「侵入しようとした者がいたようですね。

鳥がダメならクマさんたち、それでもダメならUMAがお相手します。ビッグフットとチュパカブラ。」


いや、いたんかい。チュパカブラ。


「だいたいね、塀にはヘビを潜ませているんですよ。乗り越えようとしたらガブリとね。」


ネモさんの領地はぐるっと塀で囲まれている。

そのてっぺんはいろんな色のひもで縁取られていると思ってた。

リアルまだらの紐だったとは。シャーロキアンもびっくりだ。


そこへ、ルリコンゴウインコがやってきてネモさんの肩にとまった。

「どうしたんだい?ルリルリ。」

「マタ、キタ、アイツ。コリナイ。

ホーント、バカ、バッカ。」

なかなかに毒舌だぞ。ナデシ○だぞ。ルリルリちゃん。


「しつこいリピーターだなあ。どうする?会う?」

「白鬼ですか、、、。」

アンちゃんが頭をかかえる。


「自然淘汰に任せてください、アイツ。」


「どうなってるの、泳がせてるんだよね?残党がいるのかな。」

「あーレイカさん。こないだというか、赤い稲妻が来たときなんですけとね。

行き倒れの女の人?女の子?の歳かな?保護したんです。」ネモさんが微妙な表情で続ける。


森の方を指差した。

「あっちはね、あえて塀を作ってないんです。侵入者は時々いますけど、だいたい森の動物が対応します。」


「そこに倒れてたんですか。」

「ええ、たまに悪意を持っての侵入ではなくて、

ホントに近隣の子供が迷いこむことがあります。

未成年は保護してます。あと女性も。

何らかの事件の被害者が逃げ込んで来たこともありますから。

成人男性は問答無用で彼等の冬ごもりのアレになりますけどね。

彼等にもガス抜きというか狩猟本能がありますし。」


アッ、ハイ(察し)


「それでそのひとはアメリアナ様だったのか。

赤い稲妻のサー・スケが命をかけて逃したんだな。

あれは彼女の方にいかせたくなかった足止めと陽動か。」

アンちゃんがため息をつく。

エラ姫とミドリナさんを狙ってるばかりじゃなかったのか。


「初めは、気がつかなかったんです。クマに追っかけられて川に落ち、記憶を無くしているんです。

顔も身体も傷だらけですし。」

クマは一応保護するつもりだったらしいですよ、と続けた。


それでカレーヌ様とミドリナ様が気がついたのか。

「王様にはご報告しました。

そんなはずはない。アメリアナ姫は修道院で悪い感冒にかかって落命したと聞いておる。

偽物であろう。

王妃様はDNA鑑定なんか出来ないし、もう良いんじゃない、顔の傷で本人とわからないんでしょ、と。まあ良くわからないんですけどね、DNAって言葉が。」


つまりなんだ。要するに見過ごされたってことか。

エラ姫が頼んだのかな。


「それで本当に記憶がないか、偽物か本物か、白鬼がちょろちょろしてんのか。

残党が来て担ぎ出されたら困るもんな。」


「うーん、担ぎ出されるかどうか。かなりご面相が変わってますから。一応親ということになっていて、世話をしていたミドリナ様だからこそ。

彼女しか知らないホクロとかの身体特徴で気がついたらしいんですけどね?

第三者が見たら姫かどうか、わかるかな?」


あ、そうなんだ。

ちょっと可哀想なくらいの傷か。

「ちょうどね。マナカ王国かな?そこのドクターが来てまして。

前の顔とは違うけど見れるようにしてやるよ、

と。

形成外科だか整形外科だかわからないけどキレイになりましたよ。顔の傷。一重が二重になったり、鼻が低くなったりして前の顔とはかわりましたけどね。

いやあ、本当に神の手を持ってる人っているんですね。」


信じる。目の前にもいるし。生ける伝説が。


「それ、めちゃくちゃ高額なお金をとるモグリの医者では。」

「普段はそうみたいですねえ。でもこの子の境遇に同情して、ラーメン一杯でいいですぜ。と。」


わあ。それどこのブラック・〇〇ック。


「レイカさん達が開発した乾麺。あれでラーメンを作って出す店が出来たんです。」


お買い上げ、お取り寄せありがとうございます。


「それで彼女は?」

「今アメリアナをもじって改名して、メアリアンと名乗って働いてます。あの人です。」


指の先には女の人がいた。

そのアルフィーのメリーアンか、

不思議の国のアリスの別名メアリー・アンみたいな?名前を持つ女の人。メアリアン。

一心不乱に皿を洗っている。


まったくアメリアナ様の面影がなかった。

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