ブルーウォーター領内にて。③(再会2人目)
誤字報告ありがとうございます!訂正しました。
サーカスの会場についた。
「私は準備がありますから、開演までここでお茶を飲んでいて下さいね。
これ、なんでも頼めるチケットです。」
ネモさん、いたれりつくせりありがとう御座います。
併設されたカフェはとてもおしゃれで綺麗だ。
2人ともご当地アイスを使ったパフェにする。
「やーん、美味しい。やっぱりカフェは乙女の夢よね♡」
ええー誰が乙女じゃ。
「相変わらず仲がよろしいですね。」
あっハイ。
ミドリナ様も隣りでコーヒーを飲んでる。
「レイカさん。式のときは秘宝ブルーウォーターを貸していただきありがとうございました。」
深々と頭を下げられた。
「いえいえそんな。」
そこへオー・ギン夫婦もやってきた。
「ミドリナ様!お元気そうで何よりです!」
「あ、貴女はレースのベールを持って来てくださった方!その節は本当にお世話に。」
「私の養母です。」「私の義母です。」
「オー・ギンと申します。生き生きしてらっしゃって安心しました。エラ様が時々こちらにお忍びで来てらっしゃるとか。」
「ええ、顔を見せてくれますの。アラン様とも仲良くやってるようで何よりですわ。」
「あの、侍女長はどうしてますか?」
「段々回復しておられますわ。レイカさんにはすまないことをしたと。」
「ミドリナ様。侍女長に伝えてもらえますか。
あなたを害して、入れ替わった女は段々弱って来てると。」
「まあ!それは。」
「アンディ、オマエが夜毎牢屋の壁にナイフを打ち込みに行って威嚇してるだろ。」
「なんだ、気が付いてたのか。義父さん。
あの女はね、ミドリナ様、あのブルーウォーターを盗んだんですよ!
それで呪いで弱ってるんです。」
「まア、何て恐ろしい。」
対外的にはそうなってるけど、アンちゃん、嘘をつくアナタも恐ろしい。
実はあのブルーウォーターはレプリカなのだ。
王妃様のところにあるのは聞いていた。
わざわざ加工してもらった。
チョーカーに埋め込んでるから光に透かしたりできないし、何より牢屋は暗い。わかるまい。
回想ここから。(「スパシーバ?だっけ?」
「違いますよ、プラシーボ。
それはロシア語でありがとう。王妃様、貴女もゴルゴ13でそれを覚えたクチですね。」
「偽物の宝石の呪い効くのかしら。プラシーボね。ほほほ。」)回想ここまで。
効いてるようだ。
その時、カウンターのお姉さんさんが、
「コーヒーいかがですか?レイカさん。
私の奢りですよ。」
とコーヒーを置いた。
この声は!?
「ロ、ローリア様!?」
あのセバスチャンの義姉。鬼畜兄クリストファーに虐げられたローリア様だった。
にこやかに微笑んでいる。
「レイカさん。その節はありがとうございました。
いつも柔らかくで美味しいものを作ってくださって。エリーフラワー様と看病してくださって。」
いや、どうせミネルヴァちゃんの離乳食にもできたしね。一石二鳥でした。
「いえいえ、こちらこそ。いつもハムやソーセージを送っていただいて。それよりこちらにいらっしゃるのですか?」
「ええ、ここで働いてますの。レイカさん達が来るから売り子を変わってもらったのですけど。
サプライズ出来たのは、レイカさんだけでしたわ。」とローリア様が言うと、
「私も。馬車でも皆さん思わせぶりにチラチラ見てらして。バレバレでしたわ。」
ミドリナ様も苦笑する。
「ごめんなさいネ。そういうの、職業柄なの。」
「でも確か旧レッド一族に、関わりたくなかったのでは?」
「ええ、そうですの。でもここの領地が急成長して。人手を募集してましたから、素性を隠して応募しましたの。ノウハウを盗めないかと。」
テキトーな領主がテキトーに統治してどうにもこうにもならなくなった例はいくらでもある。
カレーヌ様の嫁ぎ先のところや、アンちゃんが名乗った子爵もそうだ。名ばかりなんだ。
そういう荒れた土地をどんどん吸収して、ネモさんのところは発展している。
「ネモさんに面接で会ったら即、謝られましたの。
私の素性なんかバレバレでしたわ。うちの近くのおしゃべりなスズメに聞いたっていうけど、
何の暗喩かしら。」
いや。そのまんまの意味だと思う。
「それで、お人柄を知って素晴らしい方だと思ったのですわ。動物たちへの愛情が半端ない!
植物もよく育ってるし、動物達からも愛され過ぎてる!あ、個人の感想です。」
いえ、その通りだと思いますよ。
頬が赤くなってる。
あら、この人もネモさんのファンになったのか。
モテモテだな。
王妃さまなら、
MMK(もてて、もてて、こまる。)なのね!っていうんだろうなあ。