バカヤロー!私怒ってます。
誤字報告ありがとうございます!
訂正しました。
「船に乗せたというのは偽りでね。」
「アラン様。」
「辞めたはずの忍びがどうして色んな情報を知り得たか。内通者がいるはず、と考えた。」
「とりあえずこの女を引っ立てろ。」
王様の指示でキーナは連れて行かれた。
いつから入れ替わってたんだろ。こないだネモさんのところに一緒に行ったときは?
アラン様の結婚式の時は?
本人だった?
では本当の彼女は今どこに?
寒気がした。
「とりあえず白鬼に城の中を探らせた。すると侍女長が犬に襲われる事件があったことがわかった。
もうその時には入れ替わってたんだな。」
ペスは賢いから、偽物がわかったのか。
「俺が入院してる間にコイツが城をうろついてたと思うとゾッとしますね。」
アンちゃん、怒ってる。
「何しろキーナの最近の顔を1番知ってたからな。
面通しだ。私だっていい気はしなかったよ。
まず、あの隠れ家の場所がバレたことが問題なんだ。
知ってる人物は限られる。誰がキーナに漏らしたか、とね。」
「尊き皆様方。」
エリーフラワー様の声が硬い。
「つまり私達夫妻とレイカさん夫妻だけがカヤの外だったのですね?
みなさん初めから侍女長が怪しいとわかってらした。今日も彼女をハメるためだったんですね?」
では、私がゴシゴシされる必要もなかったのか。
王様が目を泳がせた。
「気を悪くしたらすまなんだ。
だが!自分達の観察眼で違和感に気づいた!貴女も、アンディも素晴らしい!」
「…ありがとうございます。」
エリーフラワー様は下を向いて、
「今日は失礼しますわ。王子様方、またね。レイカさんも帰りましょ、いいですね?」
「アッ、ハイ」
「エドワード、貴方は残って、アンディさんを連れて帰ってきて。本調子ではないんでしょうから。」
「了解でござる。」
「待っ、、。」
「そうですね、これからは彼女が聞いて楽しくない話だと思う。レイカさん、エリーフラワー様。またね。」
私を引き止めようとしたアンちゃんをさえぎる、ヴィヴィアンナ様。
重苦しい雰囲気の中でエリーフラワー様の自室についた。
はあーと、ため息をつく才女。
「だから今日、ミネルヴァは連れて来なくていいと言われたのね。」
「私に聞かせたくない話とは?」
「まず、事実から。
あの2人は目と髪の色が似ている。血縁かもしれない。
ただ、キーナが成り替わる為に似た人間を選んだだけかもしれない。
それから。侍女長が自分の姪をセバスチャンと結婚させたいと思っていた。
それで一時期貴女を疎ましく思ってた。
私が実際聞いたから、間違いないわ。」
「えええええー!」
「それはヴィヴィアンナ様も聞いてるの。」
「確かに、最初は指導が厳しかったけど。そんな。」
「だけど貴女が王妃様のお気に入りになったものだから、彼女からはイジメられてはいないでしょ。
ピザとかの嫌がらせには噛んでない。
ただね、あんな侍女としては半人前なのにと時々愚痴るのを聞いたわ。
そういうところは迂闊よね。
だからキーナにつけいられたんだわ。」
「なんか?すいません。確かに侍女としては役にたってないかもですね。」
「ああ、もう、貴女の価値はそこじゃないからいいの!」
うん。ご飯は喜んでもらってたな。
「でもね、その後は。
まずセバスチャンに貴女が興味ないのがわかった。
貴女のおかげでヤバい奴だってわかって、姪っ子に紹介しなくて良かったわ!と言ってたの。」
「ええ、最近優しかったですよ。」
「バーサーカーのストッパーが見つかってよかった!というのが直近の発言よ。」
「…。」
「この後は推測になるわ。
キーナはアンディと知り合いだったんでしょ。
彼女はすぐ気がついたけどアンディは気がつかなかった。
しかも別の子と付き合って彼女の誘いにのらなかった。執着が恋にかわったのか。
元々淡い恋だったのが再燃したのか。
アンディに恋情を抱いてたのはさっきの表情でわかった。
なのに貴女と結婚しちゃったから。
多分、キーナに貴女憎まれてるわ。迷惑よね。」
「それで侍女長に私を悪くいったんですか?」
「逆だと思う。忍びをやめて侍女として潜りこんだのね。もともとはそっちが目的だったと思う。
それで侍女長に近づく。彼女から貴女の愚痴を聞く。」
知らないうちに悪意に晒されてたのか。
誰とでも上手く行く、というのは幻想だ。
それは今までの人生で良くわかっている。
だけど気持ちがいいもんじゃないよね。
「なんかしらんけど悪口をハッキーにお伝えして、私のネガティブキャンペーンやってたってことですね。」
「ハッキーって?」
「白鬼。シンディって名前じゃ似合わないでしょ。」
「…。」
シンデレラみたいじゃないか。
「つまり、そのキーナは私を亡き者にしたかったと。それてハッキーをけしかけたと!実にけしからん。」
「な、なんか、レイカさんって強いのね?
ショック受けて泣き出すかと。」
「今は怒りでいっぱいですからね。その後じわじわと悲しくなるかもですね!」
ハッキーの発言からして、かなり私を排除したい人がいるんだとはわかっていた。
けどね?アンちゃんの記憶にも残ってない人だよ、
侍女にふんしてた?
知らない。
その後アンちゃんにアピールもしてないみたいだし?
私がいなくなったって後釜に入れるわけあるかい。
バカヤロー!
バカヤローシリーズの映画は二作目までしか見てません。小林稔侍さんのと相楽晴子さんのは良く覚えてます。