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若さゆえ、苦しみ。若さゆえ、悩むのかもね。

怪我人はみんな収容された。

ランド兄さんと、アンちゃんは並びのベットだ。

兄さんは2日間は昏睡したように眠っていたが目を開けるなり、

「レイカ無事だったか!なんかさっき白っぽい男が来て、レイカさんいませんかって。

レイカは不在ですと答えたら、へー、呼び捨てなんだ?やっぱりね、と言われた後記憶がない。」

頭をなでて、いてて、殴られたのか?とつぶやいた。


「ランちゃんごめんねえ。レイカちゃんの秘密の恋人だと思われたみたいなの。」


アンちゃんは随分回復した。

(「実はねわざと骨折と言うことにしたの。ホントはヒビが入っただけ。お医者にも協力してもらって周囲の油断を誘ってたの。だからあの時も少し後からついてきてたの。

騙してごめんね?でも、今回のでまたヒビが入ったかもね。」それが1日前だ。)



「へ?何で?アンディさんが怖くて言い寄る男なんかいないでしょ?」


「そうよねエ。誰があの馬鹿に変なことを吹き込んだんだか。」

「ランド兄さん。あれは白鬼はくきとかシンディとか言って一応アンちゃんの血縁らしいけど、

構わなくていいから。」


「え!え!え!伝説の白い鬼か!その姿を見たものは30日以内にそのことを手紙にかいて30人に回さないと不幸が訪れるという?

〇〇さんが止めたら棒がやって来たとか?

緑のインクで手紙を書けばさよならの合図だと?

あーああっ、緑のインクはどこだあっ!」


「落ちついて。それなんか色々混じってるわ!

そんなメランコリーな手紙なんか書いちゃダメ!

ダメよー、ダメダメ!」

とりあえずエレキテルな人になって押し留める。


「2人とも大丈夫?」

「エリーフラワー様。」

「ハイこれ。キズキエールスーパーよ。

前のより1・5倍の有効成分が入ってるわ。」

軟膏をくれた。

「いつもスミマセン。嬉しいワ。」

このキズキエールシリーズは効くのだ。

アンちゃんの頬の傷なんかもうほとんどない。


「あの、白い鬼。随分とレイカさんの事、悪く吹き込まれてるわね。横で聞いていてムカムカしちゃった。思わずビリビリ棒を食らわせてやったわ。」


多分スタンガン的なものかな。

実はこの世界には電気はある。といってもまだ、灯を各家庭に届けるのがせいぜいで白物家電なんか夢の夢だけどね。

王妃様がフィラメントに竹を使うといいらしいわよ、と言ったことは知ってるし、エリーフラワー様が乾電池を作ったことも知ってる。


閑話休題。

「王妃様とヤー・シチさんとスケカクさんたちが、時系列を立てて説明して、レイカさんがそんな人ではないって説明したのよ。

私たちとずっと一緒にいて、セバスチャンを断ってたことも、付き合ってないから二股かけてないことも。知ってるって。

王妃様は青筋立てて私の大事な側近に何をしようとした!って大激怒。

私やヴィヴィアンナ様も怒ったわ。」

王妃様も。エリーフラワー様も。ヴィヴィアンナ様も。

「皆さん、ありがとうございます、うう、」

泣けてくるよう。

「レイカ,おまえ愛されてるなあ!」

「それでも、あなたを悪者にしたいみたいだったから、とうとうカレーヌ様が呼びだされたの。

彼女とはかなり面識があったから彼女の言葉は届いたようよ。

私が?アンディに振られた?はあ?逆よ。貴族でないから嫌だと断ったわ。って。

流石の白鬼も固まったわね。」


カレーヌ様。今回だけはアナタに感謝いたします。



白鬼がアンちゃんに歪んだ愛情を持っているのは、よくわかったし、

何ども出生の秘密で絡んできたのもその裏返しなんだろう。

しかし、私への悪意は多分誰かが吹き込んだものだ。


隣国にいる白鬼がレストランのことだの、ランド兄のことだの何故知ってるのか。

それなのにカレーヌ様の情報をわざと伝えなかったり、私が王妃様やお二人の庇護の下にいることを知らせてない。

(なんで皆様がそんな取るにたらない小娘をかばうんですか!と反発したそうだ。)


白鬼に私を傷つけさせたい人がいるんだな。


うーーーん。


「お嬢。頼むから思いつめないでくれ。」

「いいのよ、レイカさん。いったん別れるのもアリかもね。身の安全のために。

また、家族みたいに暮らしましょう!」


「そんな!」


「おい、レイカ。何考えこんでるんだ。

しばらく実家でゆっくりするか?」


「ランちゃん、かえって危険ですよ。」


「多分ね、多分。悪口を言った人だけど、アンちゃんの元恋人だと、、思う。

それで忍びとかお庭番とかそのへんの人かな??」


臭いやつらは元から立たなきゃ、ダメ。


「きっとね、王妃様の責めで口を割るとは思うけどね、

心あたりない?隣国の白鬼さんに面識があってそこそこ信頼されてる、アンちゃんの親しい関係の人。」


「……。」


あら、アンちゃんが石像と化しているわ。


エリーフラワー様とランド兄がアンちゃんをゴミ虫を見る様な目で見ている。


「いや、ほらね。アンちゃんも26歳。

それまでにそういうお付き合いがなかった方がおかしいよ。

ここ何年かは私やカレーヌ様にかまけてた時はそういう付き合いな人のかげはなかったけど。

過去のことはわからない。」


あらあら、まだ石像だわ。


「レイカ、おまえ随分と達観してるな。10代のお嬢さんなら、許せないわ!きー!となるんじゃないのかよ。」


中身おばちゃんだからね。

いろんな事例を見てきてるのよ。街の食堂なんか下世話なウワサ話でいっぱいさ。


「まあねえ、相手が男か女かは気になるけど。」


「お、オネエはキャラです、、。前も言ったじゃないの。」


あら、石像が口を開いた。

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