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さあさあ、キッチリ片がついたよ。

5日振りに外に出た。

「おかげさまで楽しかったです。ふふ、私は。

我が子の世話もできましたし、ミネルヴァちゃんも可愛い。」

「どうもね、エドガー王子の方がうちの子を好きよね、フロル王子はまだ興味ないみたいね。」

「では、仮にですが婚約者という事で。」

「ええ、仮にですが、宜しくてよ。」

こんなに簡単に決まっていいんかい。婚約。


王妃様に呼ばれた。

「ウインナーコーヒー!飲みたいわー!あら、レイカ珈琲だったわね?」

それからニッコリして、

「カップ麺の試作品ができたんですって?」

相変わらず情報が早いなあ。


「カップ麺はエリーフラワー様が届けるそうですよ。」

「警備兵の食糧としていいよね。」

「えーと、もうあの件は片づいたのですか?」

コーヒーをお渡しする。

「ええ、だいたい。あの馬鹿王は向こうに送り返したの。

オババと2人で裁判にかけられるわ。

多分、これね。」

王妃様が手を首のところでスライドのジェスチャー。

うわお。

「何しろウチに攻め込んできたからねえ。しかも宝石の呪いって言いがかりで。他所の国が揃ってるところに。バカじゃない?」

他の要人達の命をも狙ったってことで大問題だそうた。

あっちはそんなつもりではなかった、と言ってるけども。


「あれから、ヴィヴィアンナが姿を現してなかったでしょ。すっかり彼女ロスになって。ご婦人方が。

それでまたあの馬鹿をせめる、せめる。

やっとヴィヴィアンナが回復したとして、

さっき男装でお別れの挨拶をさせたところよ。

皆様お帰りになったわ。

彼女のグッズをしこたまお買い上げになってね。ええ、もちろんお土産として差し上げたものもあったわ。

そしたら他のも欲しいと言われて、ね。」


ほほほ。ゼニやでえ。とご機嫌だ。


「エラ姫とミドリナ様は?」

「エラさんはアランと公務をこなしてるわ。ミドリナさんはネモさんとこに残ってる。」


王妃様はコーヒーを飲みながら、

「あちらには、アリサもいるでしょ。似た境遇だからね、気が会うらしいの。ネモも是非にって。

そうそうこれね、」


王妃様がブルーウォーターを出した。

あー貸したままで良かったのにー。


「結婚式のあとドタバタで返しそびれてたからって。預かったの。はい、あなたのよ、レイカ。」


アッハイ。でも私つけてくところないしー。


「ほほほ、良い物は一生使えるわよー。」

えええ、どっかのデパートの販売員みたいな。


「えーと、その、気になってるんですが、アメリアナ様は?」

「あら、優しいのね、レイカ。王太后がやらかした原因はあの子だし。

王家の宝石を盗んだのは彼女なんだから。

中途半端に王と血が繋がってるのが厄介よね。現王の妹だったのが叔母でしょ。良くて修道院か、幽閉か。もう政略結婚にも使えないし。」


良い例でそれ?ええー。


「王太后様は嫁いで来られたんでしょ、王族の血はついでないのでは?現王とは血が繋がっていても?」

「いえ、従兄弟同志の結婚だったから。彼女にも元々王位継承権はあったの。

リヒャルト様を婿にとって王配として、という案もあったけど。振られたし。

そして亡くなった彼女の夫は小さい頃から彼女に惚れ込んでいたそうよ。」


なんか濃い世界だよ。王太后の前王には子供がいなくて、甥っ子と姪っ子が1人ずつ。

それが彼等だったとか。


そこで声を落として、

「ちょっとだけ可哀想な気がするのはね、ほんの数日前までミドリナさんをお母さんだと信じてたらしいのよ。何で自分をかまってくれないのかって。

オババに優しくされてもう懐くわよね、そりゃ。

自分の出生の秘密を知って放心状態みたい。」


アンちゃんはアバラが2本程折れていたらしい。

「サー・スケと10人以上の忍びとやり合ってこれで済むとは。おかげであの2人は無事だ。よくやった。」

「ありがとうございます。アラン様♡おぜぜを弾んで下さいね。あ!痛!」

しばらく安静だそうで入院することになった。

私は付き添いだ。

「全治三ヶ月だって。安静にしなきゃダメよ。」


「ええー、そんなにゆっくりしたらなまっちゃうわー」

「まーだ、若いんだから。大丈夫よ。」

「18歳の若妻に言われると複雑だけどね。」

「ネモさんとこからお見舞いの乳製品。カルシウム取らないとね。」


「あら、助けてもらったお礼も言わないと。」

「一応私がお礼状は書いたよ。ウドンと、ラーメンの乾麺も送った。出汁用の昆布もね。あっちは海がないから喜んでもらえたよ。」

「ねえ、レイカちゃん。」

「何、アンちゃん。」

「退院したらネモさんとこに行こうか。」

「お礼をいいに?」

「新婚旅行ってみたかったんだよね。」


なるほど、イイネ!

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