表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
277/288

華燭の典。準備編 ③

 キューちゃんに会議室の前に運んでもらった。

3時ぴったりくらいだよ。

「ああ、やっと来てくれた。龍ちゃんひどいよ。置いてくなんて。」

ハイド君が1人でドアの前で待っていた。ベソをかいている。

「メンゴ、メンゴ。」

昭和の謝り方をする龍太郎君だ。懐かしいぞ!


「サア、入ロウカ。」

キュー。

自由な神獣様達である。

普通はノックして呼ばれて入るんだけどなあ。

「遅レテゴメンネ、ゴメンネー!」


○字工事のネタっすか?誰が教えたんだ。


「やあ、神獣様達。お揃いなのかい?」

にこやかなリード様。

「みんなを連れて来てくれたんだね。」

微笑むネモさんだ。

書記をするのかレプトンさんもいるぞ。

侍従らしき人と護衛の騎士の姿も見える。


椅子と机を片付けられて空間が出来ていて、一同そこに導かれた。

龍太郎君はキューちゃんの肩にとまって、後方へ。


「さて、メアリアンさん、メリイさん。

今までこの国にチカラを貸してくれてありがとう。

これからも、ブルーウォーター公国の貴族として、この国を発展にみちびいてくれるかな。」

ネモさんが口を開く。

「はい。」

「これからも励みますわ。」


「それでは今までの功績を讃えて子爵位を授けよう。受けとってくれたまえ。

ごめんね?急なことなんで式典とかなくて、こんな簡易な形で。」


眉尻を下げるネモさん。


「いいえ。ありがたいことですわ。」

「私達にわざわざ心遣いありがとうございます。」

流石に公爵令嬢と元王女様である。

礼をとる姿も美しい。完璧な姿勢である。

体幹が揺るがない。ピンと張った背筋。


ウチには出来んばい。

頭に本を乗せて練習したのだろうか。


「これね、ブルーウォータ公国の紋章付きの勲章なんだ。

叙勲の印にこちらを受け取ってくれたまえ。」

彼女達に見惚れているとネモさんが侍従から捧げられた盆から、勲章を手に取った。

ほほう。これがブルーウォーターの紋章か。

龍太郎君とキューちゃんがそれぞれ剣をもって背中を合わせている。

カッコイイな。

「今まで国歌はちゃんとあったけど、紋章はね、グランディのを少し変えただけだったんだ。

それで新たに作ったんだよ。」

そして彼女達に手渡す。

確かにそうだった。まあ、グランディの属国みたいなものだからな。

グランディの王家の紋章は王の横顔のシルエットに星が5つ、満月と組み合わされていた。

ブルーウォーターのは、王の横顔シルエットはそのままに、星を3つに月は三日月になっていたんだよ。

オーストラリアとニュージーランドの国旗ほどではないけども、第三者からは間違えられたかもしれん。


二人が勲章を受け取るのを紫綬褒章の叙勲式みたいだな。TVで見たな。と思いながらも式典?は終了した。


「ところでさ、家名はどうしようか?」

楽しそうにリード様が言う。

「こちらで決めちゃっていい?」


「はい、かしこま」「ダメヨ!ダメダメ!」

被せるように発言するのは、龍太郎君だ。

日本エレキテル○○のネタは年代的に知らないハズだが。


「え、何がダメなのかい?龍太郎君。」

リード様もネモさんもポカンとしている。


「カッコイイ名前を付ツケタイやい!メリイの子孫はオレがズット守るンダカラ。」

「ああ、そう、そうなのか。」

ネモさんは頷く。

「君は悠久の時を生きるんだものね…。」

「わかった、もっともだ!龍太郎君。キミの言う通りにしよう。」

リード様も真顔になった。



……嫌な予感がする。

つまり、あれだ。龍太郎君は永遠の少年なのだ。

厨二病的な命名をする恐れが凄くある。


「り、龍太郎。」

メリイさんも不安そうだ。

ハイド君も難しい顔をしている。

二人の運命と家名はいかに。


ヒソヒソ。

アンちゃんが私に小声でささやく。

「ねえ、レイカちゃん。もし龍の字がけったいな名前をつけたら、諌められるのは王妃様だけ、よね?」

頷く私。

転生者で年長者で、この世界でも偉い王妃様が、

「えー、何それー!ダサい〜!」

と言い切れば、キラキラネームから目が冷めるかもしれぬ。


「アノネ、メリイ・エターナルスターとか、メリイ・トップオブトップとか、ドウ?」


待て待て待て!


……宝塚かっ!


「ソレトモ、凝った感ジテ、メリイ・フォン・ハウゼン・エーベルバッハ・ローエングラム・ディアナ・ディア・ディアスとか。」


なんじゃそりゃ。なんちゃってヨーロッパっぽいぞ。ナーロッパか。そうなのか。

というか?某少佐とか、銀河の歴史がまた1ページとか、新井素○とか盛りだくさんだぞ!


それに、たくさん名前をくっつけるのは厨二病の特色のひとつだよね?


…寿限無じゃねえって!


ねえ、覚えられる?おばちゃんは五劫の擦り切れあたりでギブ!パイポパイポのシューリンガンなんか、途中飛ばさないと言えないからね!



…さて、王妃様にアドバイスを聞いてみたらと提案するか。

「龍太郎。そんなの嫌。もっとシンプルなのがいい。それにドラゴンにちなんだ名前が良いんだけど。」

押し殺した声で発言するメリイさん。


あ、怒ってる。

ふざけてんのか?ああん?って感じです。


「ジャ、ドラゴンハートは?ドウ?

コレも一応候補トシテ考えタンダヨ。」

メリイさんのマジな怒りにビクつく龍太郎君。

「うん、それにしよう。普通で?良いと思う。

リード様。私、ドラゴンハート家を名乗ります!」

真顔で速攻で言い切ったぞ!メリイさん!


「あ。うん。イイネ!」

親指をぐっ!と出すリード様であった。



ちなみにメアリアンさんは、ナイト家に決まった。

「ここにくる道すがら、考えてきましたの。」

だそうだ。

じゃあ、ランド兄さんは、ランド・ナイトになるのか。騎士団上がりだからいいよね?


「ナイトフライト家も良いなと思ったのですけど。夜に飛ぶのは、なんか龍太郎君ぽいし。

被ってしまいますわ。」


え、ナイトってそっち?騎士じゃないのね?


そういえばフライトナイトって映画なかったっけ?

ヴァンパイアの。

テーマソングが軽快で良かったよね。


「ナイトメアも考えたんですけど。」


それはどうかな?悪夢になっちゃうよね。

というわけでシンプルにナイトになったけども。


メアリアン・ナイトかあ。

女の子の名前にナイトがつくと、セーラー○ーンの

カオリナイトを思い出すよ。

名前の由来になったカオリナイトは元々はもろい石だけどね。


それでナイト家とドラゴンハート家は正式にブルーウォータ公国の貴族として認められた。


さあ、後はシンゴ君達だな。


「では、母上に会いに行こうか?」

リード様はウキウキしてるぞ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
赤毛のアンがやたら長い凝った名前で空想したり物語を作ったりしてましたね。 少女漫画でも、「ジュヌビエーヴ」とか「ジェラルダィン」「モンモランシィ」とか。 やっぱり長くないと貴族っぽくないって思うのかな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ