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華燭の典。準備編 ②

誤字報告ありがとうございました

 がばっ!

話を聞いたラーラさんが私に抱きついてきた。


あの後、すぐに奥からラーラさんを呼んで説明したのよ。

彼女の意見も必要です。

「で、では。レイカさんは私のお養母様?」

手で口をおおって、目を見開くラーラさん。

「そうなるかしらねえ?」

目が潤んで見る見る涙がせりあがって溢れそうになっている。

「う、嬉しいっっ!!」

そして抱きついてきたのよ。喜んでくださって嬉しいです。


そこに母もひょいと顔を出した。

「まあ。では私はおばあさん?」

察しが良くて適応が早い母である。

がばり。

「うわああん。おばあちゃん!」

ラーラさんは母にも抱きつく。

「よーし、よしよし。」

母。それは龍太郎君のあやし方では。


「なんか胸がジンとするよねえ!」

いつのまにか父も来ていた。そしてまぶたをそっと指で押さえている。


我が両親ながらとことん人が良い。

そしてラーラさんも肉親の愛情に飢えていた人だ。

「ふーん、家と家をくっつけといて良かったワね?」

アンちゃんはアゴに手をあてて眺めている。


「ハイ、アンディ父さん、その通りです。」

頬を染めて同意するシンゴ君。

この人、とことんアンちゃんが好きだよなあ。


「シンゴ、父さん呼ばわりは、ちょっと気が早いかもねえ。」

苦笑してるのはハイド君だ。

「とりあえず、王家に話を通して手続きをしてからにしよう。どんな横槍が入るかわからないからな。」


アンちゃんが真顔になった。

「あー、相続問題とかか?」

「そんな!ハイバルク伯爵家の後継はランちゃんとアスカちゃんでしょ!オレは子爵家になる予定?ですから。」

ムキになるシンゴ君。


「ま、とりあえずアラン様に話してみるワ。」

「私は王妃様に。」

「では私は、メリイさんやレプトンさんに相談します。」

ハイド君も頷く。

レプトンさんがリード様に話を通してくれるよね。


 その次の日の午後。

「ヤァヤァ。聞イタヨ。ニュースダヨ、ニュースダヨ!って感じダネ。」

龍太郎君が行きなり猫カフェにメリイさんとやって来た。

もう養子縁組を打診したのを聞いたのね?

それとメリイさんの叙勲?

相変わらず耳が早いな?ツチノコルート?


「龍太郎君、それ、ロッキーチャ○クのカケスのサミーのマネ?ニュースだよっ、て?」

「流石、レイカサン!御名答!」

オカメインコ大の龍太郎君がぐるぐる回る。


猫カフェのお猫様達が落ち着かない。

ドラゴン怖い。でもこの大きさは捕食に最適じゃねえ?

飛びかかってみようかな、ワンチャンありかな?

という命知らずのオーラを感じる。

お猫様ってお馬鹿さんのところがあるよね。


「ガオおお!」


鬱陶しい視線に龍太郎君が一言吠えたら猫たちは物陰に逃げ込んだ。

「もお。龍の字。ウチの子猫ちゃん達をイジメないでヨ。」

「ごめんネエ、アンディサン。

ネエ、レイカサン?サイダーチョウダイ。美味シイんだって?」


「あら。王妃様から聞いたの?ちょっとね、三ツ○サイダーっぽいのが出来たのよ。」

「そうなんですか!レイカさん。私も!」

「はい、オーダー入りました!サイダー2(ツー)!」

奥に声をかける私。

「あ、そうだった。レモンフレーバー入れたタイプもあるわよ。キリン○○ンもどき。

あと、飲むヨーグルトを入れた、カル○○ソーダもどきも。」

「エエ!じゃアレモン味!」

「私はヨーグルト味で!」

「ハイ、オーダー変更承りました!レモン1(ワン)、ヨーグルト1(ワン)!」

ああ、前世の食堂の女将の血が騒ぐ。


「ところでさ、龍太郎ちゃん。何か用事があったんじゃないの?」

母がドリンクを持ってきた。

「オオ!オッカサン!」

また、母をオッカサン呼ばわりか。気にいってるんだな。

「あ、そうだった!いっけない!」

メリイさんが慌てる。

「メリイ、そこはテヘペロだろ?」


…そういうの良いから。


「3時にリード様とネモさんが会議室に来てと。

お伝えしに。」

「電話でも良いケドサ。オレ、サイダー飲みタカッタンダモン!来チャッタ。テヘペロ。」

翼で頭をコツンとして、ベロを出す龍太郎君。


「あら。可愛い♡」

お母さん、流石にブレない反応だけど。

そして頭を撫でてあげるのもいいんだけど。


…龍太郎君!もう1時なの。慌てちゃう、早く言ってよっ。


「私とアンちゃんが行くの?」

「いえ、ラーラさんとシンゴさんも。」

アンちゃんが、ポン!と手を叩く。

「爵位のこととか、養子のことネ。じゃ、メリイさんも呼ばれてるのね。ハイドも?関係者でしょ?」

「ウン。呼ばれてタヨ。ハイドも。寮に置イテキタ。先に行くとオモウヨ。」

地味にひどいぞ!龍太郎君!


「あと、メアリアンさんもご足労いただけますか?」

メリイさんの声に、

「え?私?」

慌てて事務所から顔を出すメアリアンさん。


「はい。ネモさんは私と貴女に子爵位を授けるお考えです。」

「イツモ活躍シテルモンな。二人トモ。遅いクライダヨ。」


確かに。メアリアンさんの魂下ろしで解決したことがどれほどあったことか。

さあ、みんな急いで身支度だ。


「今回は会議室で簡易的に行うそうなんです。レプトン兄が言っておりましたわ。」

「パイセンを呼ぶカラネ。ミンナ一緒に運ンデモラオウ。」


ああ、それは楽で良いね。

奥に向かってオーダーするうどん屋さんがありましてね。

「ビックリ1(ワン)、ワカメ1(ワン)。」と。

ビックリうどんひとつ、わかめうどんひとつと言う事なんですが。あの朗々とした声が忘れられません。

三泊四日の関西旅行中に2回も行きました。

そうですね。もう四十年くらい前のことです。

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