会議は飛んで飛んで飛んで、回って回って回って踊る
「まあ,なんか面白かったわ。」
「お餅とセットで来月の王子様たちのお誕生日に
送りましょうか。」
「王妃様もご存じかもですね、親御さんが九州出身ですから。それに何よりお餅は喜ばれますよ。」
私はミネルヴァちゃんときゃっきゃっやって遊んでお世話をして、離乳食つくったり、他の大人にもご飯を出したりと毎日をすごしていた。平和である。
ここは本当に外からの侵入ができない鉄壁の要塞だ
。
会議は始まった。
円卓に7カ国の代表が座っている。
「各国の皆さん。こちらをご覧下さい。
ギガント国のあまりにも我が国への侮辱の数々。もう見逃しておけません。」
そこに出された証拠。
「王家の秘宝を盗んでおきながら。適当に宅配便で送りつけて。皆様宅配便の補償額の上限がいくらかご存知?
30万ギンよ!(日本円でも30万)
エメラルドが!秘宝グリーンアイが!
30万の価値しかないと!
それに、あーた!品物名のとこに雑貨!伝票をご覧なさいよ!
王家の宝を雑貨!馬鹿にしてるわ!」
「そ、それは!正直に貴重品とか書いたら集荷を拒否られたと。アメリアナが!」
「語るに落ちたな。ギガント王よ。
そなたの娘が盗んだと言うことを認めたな。」
「それは!」
「一緒に入っていた詫び状の筆跡も間違いないわ。こちらでお妃教育したときの控えがありましてよ。」
「そちらの王太后様からのお手紙も我が国をかろんじていたな?」
「母が手紙を書いたのは知らなかった!
そ,その証拠は?」
「あまりに堂々と、この封蝋。あからさますぎて偽造を疑った。
しかし、この国には若き日々にそちらの王太后さまがウチの叔父に出した恋文がたんとあるのでな。
筆跡鑑定は容易だったぞ。
可愛いアメリアナ様を呪われた我が国には嫁がせないとのことだが、
どうぞ?どうぞ!
こちらから頼んでないのにゴリ押しをしたのはそっちだろう!」
「呪われた国と言ってケンカを売っているのか?
貴国は。」
アラン様が静かに言う。
「これは言い逃れできませんな。」
「だいたいギガント王国はこちらにだけではなく、
うちの国にも偉そうだ。」
「秘宝を盗んでおいてろくに謝罪もしないとは。」
「悪口を散々言っておきながら婚約者を交換、また再交換を申し出るとは言語道断!」
「王家の宝石の呪いは科人にふりかかるそうな。」
「あ、アラン殿の悪口だけは、言ってない!」
それだけはと主張するギガント王。
と、この様にぐだぐだだったそうだ。
ちなみにマーズとマーグがきて教えてくれた。
「アンディ様がオマエたち、もう行け。と言ってくださって。」
「エリーフラワー様とレイカ様をお守りするように、と。」
「わかったわ。明日のことがあるものね。
会議の時は開催国は要人の妻と親善を深める必要があるの。明日はお茶会ね。ヴィヴィアンナ様主催の。」
あ、サミットってそんな感じかなあ。
「明日私も顔を出すのよ。」
「皆さん、エリーフラワー様に会いたがってらっしゃいますから。」
と、マーズ。
「嫌だけど仕方ない。ヴィヴィアンナ様も頑張っていらっしゃるし。」
今日はヴィヴィアンナ様は素敵なドレス姿で、リード様と2人で各国の王族をお出迎えされた。
お美しいお二人にみんなの目が釘付け。
「私の美しい妻に言い寄らないで下さいね。
私は彼女に夢中なので。」
リードさまが軽く牽制し、
「ええ。私もリード様に夢中ですわ。」と。
いくらヴィヴィアンナ様とお近付きになりたくても、リードさまよりお美しい男性はいないよな。
「いや、本当に美しい。」
「皆様方に嫌がらせをするギガント国は許せませんな。」
「お子様がお生まれとか。是非うちの子とご縁を。」
「いえいえ、うちの孫と。」
などなど。すっかり皆様を味方に引き込んだそうだ。
次の日。
お茶会について行く事にした。
侍女長と一緒に離れた木陰で待機している。
「お久しぶりです。」
「レイカ嬢ではなくて、ハイバルク子爵夫人でしたわね。お話するのはセバスチャンとアンディ殿のケンカ以来かしら。」
「本当にそうですね。あれから色々ありました。」
目の前のテーブルではエリーフラワー様が囲まれていた。
みんな、お会いできて嬉しいですだの、化粧品愛用してますわ、だの、
今度中央国の大学を受験する息子がいますの、お守りにサインをくださいませんか、だの。
「滅多に顔を出さないおかたですから。」
「レアキャラですね。」
その時、一段と大きな歓声があがった。
男装のヴィヴィアンナ様が現れた!
ううう、男装でお茶会にいらっしゃるって言うから
ついてきたのよ!すーてーきー!
円広志さん。懐かしいですね。飛んで、飛んで、飛んでー。