聴かせてよ、愛の言葉を。詳しくね。
四月になった。六日の日が新設校の入学式だ。
名称はブルーウォーター・ゴージャス学園である。
グランディは王立学園だった。だがこちらはれっきとした私立なのだ。
そう、エリーフラワー・ゴージャス様がお建てになったので、お名前が付いているのは当然である。
私立か。でもここには他に学園は出来ないだろう。
ブルーウォーター公国だから、もし出来ればブルーウォーター公立学園となるのか。
私立と公立。なんか懐かしいわ。
うちの娘はみんな公立高校に通った。神奈川方式と言われる内申重視の時代であったな。
受験の時はさ、キッ○カッ○買ったり、天満宮にお参りに行ったりしたものよ。塾で合格鉛筆も配られた。五角形のね。タコの置物も買ったよ。置くとパス(オクトパス)ね。
センター試験の頃は雪が降るんだよね、何故か成人式の頃もね。
そういう前世あるあるに思いをはせていると、王妃様が突然いらっしゃった。
「おほほ。レイカこんにちは。お花見以来よね。三日振りかしら。」
「ええ、そうですね。」
「先日、エリーフラワーさんからレイカのところでイチゴパフェを食べたと聞いたの。出来るかしら。」
「そうですね、イチゴありますから大丈夫ですよ。」
最近沢山イチゴを頂いたから、ジャムも作ってある。
「ああ!美味しい。懐かしい。下にコーンフレークや、ケーキのスポンジが入っていなくて、好き。」
「あー、私もコーンフレークとかスポンジ苦手でしたね。」
昭和あるあるである。
「その後、下はムースやゼリーになったわよね。」
「ええ、これもそうですよ。イチゴゼリーを作ってたから、クラッシュして詰めました。」
「美味しいわ!甘いものっていいわね!」
「ですね。」
私もお相伴している。毒味も兼ねて。うほほ。
「そういえばアラン様のお子様、選び取りはなさったのですか?」
どんな絵を描いてあるカードを選んだのか。
「おほほほ、もちろんやったわよ。パールはね、剣が描かれたカードを選んだの。」
そうか。勇ましいお姫様である。弟王子のダイア様は何だろか。
「ダイアはね、ケーキが描かれてるカードを選んだのよ。」
「あら、子供らしくって良いですね。」
「ね。だけどあの人ったら、逆だったことにせよ。良いな、そのように広めよ。って。何でなのよ。」
あの人とは王様のことかなあ。
「アランがね、ケーキでいいのではありませんか。一生食べるものに困らないと言う暗示でしょ。ってね。それはすなわちこの国が飢えないということ。
ダイアの治世が平穏だと言う証拠であると。」
「うんうん。そうですね。」
「そっちでなくて、剣を姫が持ったことが問題だと。男まさりになったら、どうする?嫁のもらい手がないじゃないか、と。」
面倒くさい王様だ。
「アランが切れてね、娘は嫁にやりません!って。信頼する家臣に嫁がせて手元に置きます、と。」
ほほう。娘ラブでいいじゃん。
「仕方ないから私がね、自分の身を守ることは大事なのよ、多少の護身術や剣は使えるにこしたことはないわよ!と言ってやったの。
この背中の傷が目に入らぬかっ!!と遠山の金さんみたいに凄んだわ。」
あーあ、それは。それを出したらみんな何も言えないですよ。
「ま、ほとんど背中の傷はツッチーのおかげで治ってはいるんだけど。怪我したのは本当だし。
アランは私の背中なんか見れないしね。それで二人とも、しおしおのぱーよ。」
うん。しおしおのパーも懐かしいですよ。
「パールはリボンの○士みたいになってもいいわよね。」
いいと思います。私は手塚治○先生も好きです。
特にブラック・ジャ○クが。
「それからフォーチュンクッキーの人事異動も凄かったですね。」
王妃様は微笑んだ。
「そうなのよ!シンゴが引いた、ブルーウォーター行きね。あれは全六十枚のうち、二枚しかなかったのよ!凄いわよね。」
「え、そうなんですか。」
横でショコラさんもラーラさんも目を見開いている。
「それを引くなんてねえ。シンゴと貴女の間には赤い糸があるのね。ほほほ。運命の恋人達かしら。
おほほほ。」
「え、そんな。」
ラーラさんは真っ赤である。
「おほほ。王家の影と亡国の姫。ここの宰相の補佐と、代表者の弟との恋模様。
三人の求婚者の中から彼女は誰を選んだのか?
ものすごく創作意欲が湧くわっ!
さア私に詳しく、余すこと無く詳細を教えなさい!」
「え、えええー!」
青ざめるラーラさん。
「大丈夫よ。フェイクを入れるから個人の特定は多分、出来なくってよ!」
王妃様の目はランランと輝いている。
いや、多分出来ないって。不安である。
「シンゴー!そこにいるのはわかってるのよ!
さア、おまえも私の質問に答えなさいっ!」
すっとシンゴ君が姿を現した。
顔色は青を通りこして白い。
「ご、御勘弁を。」
「いーえ!勘弁しない。こんな楽しいこと他にないんですもの。おほほほほ。」
王妃様はさっ!と例の手帳を出して舌なめずりをなさった。
某コント番組でココリ○田○が扮するゲスな記者の様である。
気の毒になったので、私は席を外すことにする。
「ちょっと食器を下げますわ。ショコラさんは護衛に残っていて?」
「あ、姉さん!行かないでっ!お願いですっ。」
悪いね、シンゴ君。私は人の愛憎劇には興味無いのである。
だって、次に当事者と顔を合わせる時気まずいじゃないか。
「す、ストッパーがいなくなる……嗚呼、」
「おほほほ!さあ、吐きなさい!まずどこから意識したの?伝説の罵り合いとは?ん?まずラーラさんがメソメソしてるシンゴに、○○ついてんのか!と怒鳴ったのね?」
すすすす…と静かに退出した。
「アネさーん…」
シンゴ君の悲しげな声が聞こえたようだったが、
ごめん、本気の王妃様は私にも止められない。
「ほほほ!この後はレプトンやマーズのところにも行くわよ!」
……みんな強く生きたまえ。
こういうタイトルの歌ありましたね。
全国の受験生の皆さん、その親御さん。頑張って下さい。
ブラック・ジャック良いですよね。B・Jっすね。
先日横浜に行ってブラック・ジャック展見て、コラボのスイーツ食べてきました。




