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ううーん。

さて。

旧レッド家の件が終わったら、王妃様から連絡あった。

自分達が出入りしたらセバスチャンから見つけられてしまうのではと、ご遠慮下さってたらしい。


ここの場所は極秘なのだ。

こないだの結婚式の披露宴だって、ウチの親だって目隠しされてきてる。

(お礼に送ってくださる、というトワイライト牧場のハム、ソーセージだってエリーフラワー様の所に届くようにしてるの。)


「ああっ、楽しみにしていたラーメン♬ラーメン♪

人類のクチの永遠の友って言ってたのは9○9かしらね。」

王妃様は楽しそうだ。

確かに。あの方の漫画にはラーメンよく出てくるな。

雪女とラーメンの回は印象的だった。




今回は、最初に食材、ほうれん草、チャーシュー、

ネギなどをあらかじめ食べてもらって、

麺も先に毒味してもらって、器やスープが大丈夫か。何人にも見てもらった。混入なし!

アツアツを出せるよー!

しょうゆトンコツ味だよ!


今日はミネルヴァちゃんが来てる。

離乳食もOK。用意したよ。だいたいこの子は一歳過ぎてるよね。


「美味しいわ!中華麺!これで焼きそばができる?

「うーん、どうかな?蒸し麺なのかな?ソース焼きそばですよね?

逆に皿うどんみたいな奴なら?あげるほうが?」


「春雨とかあげたかやつとか、添えてるの見たことあるわ。」


きゃっきゃっと二人で話をしていたら、

「楽しそうですね。」

「あら、アラン。」

「兄上。」

「我が君♡」

「若鷹様。」

花を持って王太子様が現れた。

「我が側近アンディの店ですからね、母上やリードがいるときにでも顔をだそうかと。」

「良くおいで下さいました。お花ありがとうございます。」

とりあえず、ラーメンを出す。

「お口にあいますか、どうか。」

「合わないことないですよねー、アラン様。」

とアンちゃん。

圧をかけないでよう、王子様に。


ははは、とアラン様が笑う。

「いや、美味しいよ。何だろ、身体にいい!という味がする。」

「そうですわよね!」

エリーフラワー様も圧をかけないで。


「アラン?もしかしてこの母に用があったのでは?」


「母上、、。その通りです。ここなら、変に人目がない。忍びだらけですから、セキュリティも万全だ。」


実は。不穏な動きがあります。と王太子様が続けた。

「隣りの国。ギラント王国です。」

「貴方の婚約者の国ね。」

「エラ姫様とは仲良くしてらっしゃったでしょ。

兄上。」

うーんん、とアラン様がうなる。


「アメリアナ姫がね、、、。

向こうの王太后に泣きついたらしいんだ。」

「ああ、あの姫の甘ったれた性格。甘やかす人がいないとああならないと思いましたけど。

婆様ですか。三文安ってやつですね。」

「手厳しいね、才女殿は。」

「アラン。ここにこないだカレーヌ様を連れて来たのは、あなたの手のものね?

ちゃんと場所はわからなくしておいたのね。」


「それは抜かりありません。」


話が見えない?

アンちゃんの顔がひきつっている。

「心配しないで。アンディさん。うちでエラ様を引き取ります。」

「やはり!頭がまわるね!才女殿。官僚になって欲しいなあ。」


私と兄のランドとエドワードはポカンとしてる。


「?」


「あのネ。レイカちゃん。簡単にいうとエラ様は命を狙われている。

ここか、エリーフラワー様のところで匿ってほしいとネ、アラン様は言いにきたワケ。しかしカレーヌ様を通じてここを見つけられる可能性があるといけないから。アメリアナ様と仲良くしてたでしょ。」


ええ!


「多分ですが。王太后様がアメリアナ様を溺愛してる。どこかに嫁がせたい、ずっと修道院では不憫だと。」

麗人が硬い声でいう。

「でも、あんな失言ばかりする子供。どこだってお断りだ。しかも正妃をのぞんでる。

外交の場に出せやしないのに。彼女の望む縁談なんて、ない。」

リード様も吐き捨てる。


「それで。あちらの婆様はこともあろうに、エラ様にまた、婚約者の辞退を申し入れた。

お姉さんだから譲れとか?元々の婚約者はアメリアナだったとかね。

何いってるのかしら。最初はエラさんだったのにね。」

と王妃様。


「向こうの王太后が夭折した娘にそっくりの、孫娘アメリアナ姫を可愛がっていたのは知っていた。そして王も。リードに負けないマザコンでね。」


アラン様の発言にピクリとする、リード様。


「ああら、アラン、あなたもマザコンでしょ。」

王妃様がにこやかに言う。

「そ、それは、まあ、はい。」

アラン様が眉を下げた。良かった。この方がいる間は安泰だ。


「搾取子と愛玩子の話ですか。」

「そうなの。エラ様はずっと書類仕事とか手伝ってきたのよ。

だけどね、そう言うのもおばば様が気に入らないと。賢女と言われてる王妃様ともソリがあわないしね。」

「実際。非公式にあちらから婚約者の再交換な話があって、父が大激怒した。

あまりにコチラを馬鹿にしている。

エリーフラワー様のおかげでこの国はうるおってきたし、

美しい第二王子夫妻のおかげで外交もスムーズだ。」

「恐れ入ります。」

ヴィヴィアンナ様とエリーフラワー様が揃って頭を下げた。


「先日。エラ姫の部屋の前に毒蛇がいたそうなんだ。」


「なるほど。ここはなかなかたどりつけない、隠された場所ですからな。

だけど一度知られてしまうと、マズイですね。

やはりウチがいいですね。なに、部屋はあいておりもうす。それにもうしばらくは、アンディ殿にも新婚生活を満喫してもらいたいですな。ははは。」


「エドワードオオ!!ううっ、いいやつ。」

「ダーリン!なんて、友達思いなの!」


エドワード様は本当にまっすぐな気質の人だ。


流石にアラン様も優しい顔になった。

「アンディや、才女殿のように先の先まで、裏の裏まで瞬時に考えてしまう人間には、

こんな単純でまっとうな連れ合いが必要なんだろうなあ。」


何でその後に私を見るのかしら。


「おまえ、気をつかわないですむ、裏表がない人間と褒められてるんじゃないの。」


ランド兄さん、貴方にもその資格ありますよ。

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