シスコンなのか。違うのか。シスコはココナッツ〇〇レか。
お菓子の話ではありません。タイトルはただの語呂合わせです。
◎誤字報告ありがとうございます。
「レプトンさん?今日はどうしたんですか?」
私もカフェに顔を出して聞いて見る。
「は、はい。あのう。」
赤くなって口元を押さえてますよ、この坊ちゃん。
「シンゴ?オマエがお連れしたの?」
アンちゃんも戸惑っている。
「ええ、実は彼女達とショッピングセンターに行きましたらね。いきなり寄ってくる男性がいまして。
警戒したらレプトンさんでした。」
「ナンパ野郎かと思いましたよ。」
ショコラさんは言う。
「実際、それに近かったでしょ。レプトンさん。
いきなりふらりと現れて、コイツの顔を見て、
【お美しい、お名前を教えて下さいませんか。】
でしょ、驚きましたよ。
名前をお教えしていいのか。アンディ様のご意見を伺ってからと。」
まあ。なんと。
「す。すみません。お恥ずかしい。つい見惚れてしまいました。
アンディ様の所で働いていらっしゃるんですね。」
「そうですね。ウチの子供の世話とか食事の下拵えを任せております。まあ、半分は保護しているようなものですから。」
アンちゃんが言葉を選んで話す。
「お美しい人、私はレプトンと言います。
先ほどは失礼いたしました!」
いきなり腰を綺麗に折ってご挨拶だ。
それに何かその言い方。面堂○太郎みたいだぞ。
「あ、いや。あのう、お名前は存じておりますわ。」
それはそうだろう。ハシナ国が攫おうとしたメリイさんの兄でこの国の重鎮のリード様の側近である。
あの妹ラブのお兄ちゃんが頬を赤くして見ている。
「あ、うん。どうするかな。とにかく説明はしますが、ここでは何ですから。
レイカさん、メアリアンさんと連絡つくかな。
あとは龍ちゃんにも。
できればあちらのホテルの部屋で話したい。」
「え?龍太郎君も?」
「その方が話が早いんです。」
電話で連絡をした。メアリアンさんの快諾を得た。
そして研究所にも一報いれる。
私とアンちゃんとラーラさん、レプトンさん、そしてシンゴくんが移動した。
ショコラさんはオー・ギンさんと子守である。
「面白そうなのに。後で教えて下さいね。」
残念そうなショコラさんだが、できれば代わって欲しい。
なんか面倒くさいし、トラブルの気配がすることよ。
「メアリアンさんは、レイカちゃんが来ると喜ぶし。」
アンちゃーん。私とメアリアンさんに丸投げするつもりでは無かろうな。
ホテルのスイートルームのメアリアンさんのお仕事部屋へ。
「ようこそ。お待ちしておりましたわ。」
「レイカ、アンディさん久しぶり。」
夫婦で出迎えてくれた。
「ごめんなさいね、お仕事の予約はなかったの?」
「ええ、今日明日はございませんの。」
「マイド。オヨビデッカ?」
ネモさんと龍太郎君が来た。
「龍太郎君単身でくるなんて。何か?いつもメリイさんとセットでしょ。」
「何か不審がられて。受付から付イテキタノ。」
「受付がね、龍太郎君来てますけど。って私に連絡して来たのです。馬で駆け抜けて来ました。」
ご苦労様です。
「とにかく中で。」
部屋に入って適当に座った。
そして龍太郎君は目を細める。
「あー、アンタ。ラーラかい。随分と様変わりしたモンダ?」
メアリアンさんも。
「なるほど。名前と顔を変えたのですね。
―私と同じように。」
硬い表情で頷く。
「あのゴッドハンドの先生が入国したのは聞いてました。」
ネモさんも得心が言ったようだ。
「えっ?えっ?」
レプトンさんが戸惑っている。
「レプトンさん。あなたはこのラーラさんについてどういう印象をお持ちですか?」
アンちゃんが聞く。
「そうですね、最初はメリイに似てると。ものすごく儚くて、たおやかで。私が見たなかで1番印象的な透明な美しさで。すれ違った時に目を奪われました。その時シンゴ君達がいましたから、そちらの関係者と思い、声をかけました。」
「…ははあ。」
アンちゃんは無表情に頷く。
確かに。黙っていればメリイさんタイプだ。
あの美少年が線の細い美少女になっている。
切れ長の涼しい目がぱっちりと二重になるだけで。
濃かった眉をそって細くして。
すっと高かった鼻筋が少し低くなるだけで。
そして髪を脱色して薄い金髪にした事で。
「つまり見かけがお好みだったんですか。私の。
」
平坦な声を出す、ラーラさん。
「レプトンさん。私達は貴方のこと知っていて、誠実な人だとわかっています。
それでお話します、彼女の生い立ちを。
他言無用でお願いしますね?」
アンちゃんが口火を切る。
「は、はい。」
「合わせて私のこともお話しますわ。こちらも他言無用でお願いしますね。」
メアリアンさんが言う。
あら、私が話さなくても良さそうね。
まず、メアリアンさんの過去が語られる。
龍太郎君も驚いてはいたけど納得していた。
「オレは色々聞イテイタカラナ。ギガント戦にも参加シタシ。」
「あの時は助かったよ、龍太郎君。ハゲワシ君たちと働いてくれたね。」
「ウン。ネモサン。あの時はマダあれくらいの大きさにしかナレナカッタからね。」
「ええと、メアリアンさんがアメリアナ様。
グランディの王宮でお目にかかったことがございます。気がつきませんでした。」
レプトンさんは驚いている。本来ならアラン様のお妃になっていたかもで、あのギガント戦の原因のひとつになったお姫様だ。
「ちなみに、俺は心話でメリイに伝えテルヨ。」
「龍太郎君、一心同体は良いけど。他言無用ってメリイさんに伝えてね。」
あ。以心伝心だったかな?
「ウン。一心同体、少女隊ッテネ。」
あまりに懐かしCMで微妙に伝わりにくかったぞ!龍太郎君!
昔少女隊というアイドルグループがいましてね、お菓子のCMでスカートが合体してて。一心同体というコピーが印象的でした。




