これもすべて。お鳥様のおかげである。
誤字報告ありがとうございます。
さて、初等科の校舎も出来上がって、講師陣もカリキュラムも決まった。
日本の小学校と同じだから今度六歳になる子供達が入学する。
さて、エリーフラワー様が遊びに来たよ。
「ああ、忙しいわー。学校のことは何とかひと段落ついたけど。息抜きさせてねー。
レイカ珈琲が飲みたいの。生クリーム乗ったやつ。」
「はいはい。ゆっくりしてね。コチラはカレーヌ様の新製品のジャムクッキーよ。」
あのジャ〇〇もどきのクッキーが完成した。
まだ私と王妃様限定だけど。
疲れてる時は甘いものよね。
ひと口食べたら、エリーフラワー様の目が開いたわ!!
いきなり電話をかける。
「もしもし?カレーヌさん、エリーフラワーよ。
あ、ところでね…。」
おや、デジャヴ。また大量注文かい。
クッキーと生クリームたっぷりのコーヒーを取ったせいか、エリーフラワー様は落ちついた。
「来年は中等科が出来るわね。レイカさんの甥っ子さんは今11?12?もしかしたら一回生になれるのでは?」
「エリーフラワー様。ありがとうございます。
でも中等科から通うのかな?年は確かにそれくらいかも。」
「ほほほ。レイカさんのご親戚なら一歳くらい前後しても構わなくってよ。」
「まあ、それも最低限の学力があればですよね。」
ううーん、費用もかかるしなあ。兄夫婦がどう考えるか。
「こにちわ。」
エドワード様とキューちゃんに連れられてミネルヴァちゃんが来た。
「娘がランちゃんとアスカちゃんに会いたいと言いましてな!」
「ミネルヴァちゃん。久しぶりですね。今三つかしら。」
エリーフラワー様が16で結婚して、17でお産みになって今二十歳でしょ。
「ウン。」
「ほほほ。親バカだけどなかなか優秀なのよ。
飛び級で来春入学させては?とも言われてるんだけどね。」
「まあ。それはそうでしょう。何カ国語話せるのかしら。」
「四カ国語だけど、まだまだ幼児語だもん。」
「いや、それは舌足らずなのは身体の構造でしょうから。」
キュー。
「うん?そうか。キューちゃんはやはりみんなと一緒がいいと。王子様たちも一緒の方が安心だと言っているでごわす。」
「エドガー王子様はミネルヴァに首ったけですの。」
なるほど。この国の未来は安心だ。
「かわい。やらかい。うーん、しゅきい。」
ミネルヴァちゃんがうちの双子に頬ずりをしている。微笑ましい光景だと思うが、ヨダレはつかないかしら。
キュー。
目を細めて見ているキューちゃん。
やはり子供好きなんだなあ。
そこへカレーヌ様が来た。
「エリーフラワーさん、お久しぶりっ。レイカもおひさ。ご注文ありがとうねえ。」
「え、もう出来たの?はやーい。」
「ちょうどね、売りだそうとして量産していたのよ。あと、はいこれも、試食して。
今イチオシの人気商品よっ。」
それはハシビロコウの顔のビスケットだった。
「やだあ!可愛いっ!」
「レイカも好きなんでしょ。パンジーちゃん。」
「うん。」
「パンジーちゃんの絵がついた缶に12枚ずつ入れて売り出してるけど、50枚に一枚シークレットが入ってるの。
パンジーを咥えてるハシビロコウ。
今回は特別にお持ちしました。」
あらあ。ドカ○ンの岩○のように、口にパンジーを咥えてるわ。
「フフフ。このシークレットを食べると恋の願いが叶うと言われてるのよ。…なーんて、私が言い出したんだけどネ。」
うわあ。商人や。銭ゲバや。
「おかげで爆買いするおかたもぎょうさんいてはりましてなあ。わて、嬉しおす。」
カレーヌ様、キャラ変わってるよ。
「それでね、ここにお料理上手の新人がいるって聞いたのよ。うちは手が足りないの。」
「ラーラさんのことね?」
ショコラさんがラーラさんを呼びに行く。
今回もバッチリ付けボクロだ。髪はあれから染めている。
「貴女が料理上手のラーラさん?あら、やだ。ウフフ。レイカ好きそう。」
「もー、やめてよ。」
みんな私を何だと思って。ただヴィヴィアンナ様のファンなだけじゃないか。
「ね、ね。ラーラさん。私はカレーヌと言うの。
スイーツ工房をやってるのね。どう?ウチで働かない?お給金なら二割増しでだすわ。」
いきなり連れてこられて、ラーラさんは戸惑っている。
「え、えーと。」
そこへアンちゃんが来た。
「カレーヌ様。この子はね、ちょいとワケありなのヨ。」
「あら、そうなの。」
「うん、メアリアンさんタイプといえば良いかしら。顔を完璧に変えられればいいけど、まだ変装だしね。」
そこでカレーヌ様の顔がくもった。
「まあそうなの。貴女も苦労してるのね。」
あら、優しい。
「ラーラさん。カレーヌ様は悪い人ではない事は私が保証するわ。毒舌だけど。普通の人よ。
どうしてもと言うなら、裏方オンリーで、髪は痛んじゃうけど常に脱色してれば。」
がばっ。
「うっ。」
「レイカ!やはり貴女は私の理解者ねっ!」
きつく抱きしめられた。
「そうね、いっそのこと泣きボクロが嫌じゃなかったら、入れ墨にするといいわ。」
エリーフラワー様が助言する。
「あ、あの。有難いのですが。私はここが良いです。」
あら、ラーラさん。そうなの。
「ふん、セティの事を気にしてるなら、もう危険はないわヨ。あのビッキーと上手く行ってるらしいから。」
アンちゃんの爆弾発言。
なんと。
「こないだね、ビッキーが家出してグランディに行ったの。そこで男達に絡まれたのを助けてから急接近。」
いきなり情報量が多いぞ。
「え、何ですか。それ。ビッキーさんに何が?」
「ああ、アンタあの子と仲が良かったワね。
三婆さんいたでしょ。彼女達の厳しい指導に耐えられなかったみたいで。」
「なるほどね。投石事件以来締め付けが厳しかったわけか。」
エリーフラワー様も頷く。
「そうですか。ビッキーさんのことは気になってましたけど。今はここが居心地がいいんです。
それから、顔を変える為にホクロは入れようと思います。」
うーん、ゴットハンドの医者が見つからないからね。
彼はどこを旅しているのだろうか。
―医者はどこだ!
…ハシビロコウの檻の前で座りこんで見つめている彼(医者)をアンちゃんが発見した。
その後、彼の泊まってるホテルでオペの依頼をしてくれたらしい。
「ふん、私は高いですぜ。
しかしパンジーちゃんは可愛いですな。
クッキーのシークレットも全然出ませんがね。」
…もしかしたら、カレーヌ様のクッキーを大人買いしたのは。
「レイカの頼みならいいわよ。」
シークレットパンジーちゃんを詰めた特別クッキー缶を医者に差し入れした。
「おおお!コレだけあれば!あの娘との恋も叶うかも!くくくく!」
…割と乙女心をお持ちの様だった。
「オペ代は負けておきますぜ。」
それでラーラさんは別人になった。泣きぼくろもつけてもらっている。
全体的に某一族のエドガーからメリーベルになってしまった。
もうこれで彼女が、もとキャリーだとはわかるまい。
…それは良いのだが。少し残念ではある。
しくしく。
医者はどこだ!ブラックジャックネタですね。
今度横浜のデパートで、ブラックジャック展かあるとかないとか。(2025年の1月)




