甘い生活。
皆様、今年最後の更新です。来年も宜しくお願いします。
王妃様がお孫さま達を見にやってきた。
「後はね、カレーヌのクッキーも買いにきたの。
たまに食べたくなる中毒性があるわ。」
「新製品が出たらしいですよ。チョコチップ入り。あとジャム載せたヤツ。」
王妃様の顔が輝いた!
「ねえ!以前、ロッ○のジャフ○?ってクッキーなかった?私それ大好きだったの!」
「ああ、ありましたね!私も好きでした!」
説明しよう!ジャ○ィとは。
丸いクッキーの上、中央にオレンジジャムが乗っていて、それに更にチョコレートがかかっている。
なので横から見ると3ミリ程中央が盛り上がっている。
ジャムは少しゼリーっぽかったかな。
それに類似品が他のメーカーから出てた気もする。
王妃様が手を叩く。
「カレーヌさんを呼んで頂戴。」
「はっ。」
スケさんが走りさる。
まもなくカレーヌ様が到着した。
「お召しにより参上致しました。」
「おほほほ。呼びつけてごめんなさいね?
いつも貴女のクッキーは美味しくいただいている事よ。」
「はい。勿体なき事でございます。」
やはりキチンとしてるなあ。カレーヌ様は。
エリーフラワー様なんか傍若無人だぞ。
まあ、あのパワーにまわりが押されるというか。
「実はね?懐かしいクッキーを作っていただきたいのよ?絵を描いてみたの。」
そこで王妃様がジャムのせチョコかけクッキーの絵を見せた。懐かしい○ャフィ。
ちゃんと断面図もあるよ。
「あ、なるほど。オレンジジャムですか。
これならバターたっぷりクッキーより、もうちょっとあっさりと薄手のクッキーが良いですかもね?」
「そうねえ。バターたっぷりだと恐ろしいカロリーになりそうね。雪山に持っていくと遭難しても安心よね!」
「いや、いや。まず雪山にいかないで下さいよ。」
「そうね、セントバーナード犬のお世話に、なっちゃうわね。」
「あの樽を下げてる姿は可愛いですよね。」
あ、私達の会話についていけずにカレーヌ様が困っている。
「こほん。オレンジだけではなくて、イチゴジャムも良いですよね?
ブルーベリーやキウイもどうですか?」
「そうね、レイカさん。色々試作して見ますわ。王妃様。いつものプレーンのクッキーはここに。」
「そういえばチョコチップ入りの新作があるのですって?」
「はい、王妃様。ミルクチョコとホワイトチョコとございますわ。
どちらもリッチな味わいですの。試食品はこちらに。」
王妃様の目は輝いている。
「まあっ。美味しそう。そして美味しいわ!
私はホワイトチョコの方が好きかしら。」
本当に美味しい。そして太りそう。
「甘いものは別腹っていうわよね。」
「本当、そうですよ。」
そこへ、メアリアンさんがやって来た。
「あらお久しぶりね。」
「王妃様。ご無沙汰しておりますわ。カレーヌ様も。」
「本当。メアリアンさん、貴女にもクッキーを持ってきたのよ。この後寄ろうと思っていたの。
はい、コレ。」
「まあ、ありがとうございます。」
彼女何か用があったのかな。
「メアリアンさん、何かご用があるの?」
「ええ、実は。ハシナ国の間者がおりましたよね。アランさまを狙った。」
「ええ。」
「そのもの達はまだ生かしてらっしゃる。」
「そうね、あの場で消したスダン以外はまだ牢にいるわ。」
「それはようございました。…ひとりは実は男装した女性だったでしょう?」
王妃様はため息をついた。
「貴女には隠し事はできないわね。てっきり少年と思っていたら少女だったの。」
「やはり。その子はなかなか厄介な生まれなのです。私が言うのも何ですが。」
「つまり?」
「ハシナ国の姫なのです。といっても、第五夫人の娘。
しかも、第五夫人は砂漠の国の姫だったのですわ!」
流石に王妃様は驚愕した。
「なんと!両国の王族の血を引いていると言うのかえ!」
「砂漠の国は、十五歳以下の子供と妊婦しか残っておりませんでした。
王子達の妃は孕っておりませんでしたし、十五歳以下の王女もおりませんでしたから。
王族の血を引くものはその子だけなんですの。」
王妃様は腕組みをした。
「しかしのう。もう砂漠の国は無いではないか。
マナカ国に吸収合併されて。」
「ええ。ですからハシナ国の意図がわかりませんわ。
厄介な生まれの姫を始末したかったのか。
それとも、王族の血を引いた姫を処分した、とグランディを陥れたかったか?
そのまま、彼女達を国に無事帰国させたら、アラン様か王の手がついていたと主張するつもりなのか?」
「何じゃと!?」
王妃様は立ち上がった。
「急ぎ帰宅する。そなたも来てくれるか?」
「ええ、行きますわ。先日から彼女を案じた母親とその兄が来ていて、うるさいのですの。」
そうか。もうその厄介さんの母と兄はもうこの世にいないのか。
「じゃアまたね、レイカ。
そうそう!カレーヌさん、クッキーお願いね!」
「はい。かしこまりました。」
「ええ、お気をつけて。」
それから、連日カレーヌ様からジャフ○の試作品のチェックを頼まれて、連日甘いものにまみれるのだった。
○○テのジャフィ。食べたいですね。
タイトルは弓月光さんですか。もっと昔にそのタイトルの映画があったみたいですね。
弓月さんは、りぼんで描いてらした時のナオミあらかると。が好きでした。




