大根はあたらないし、身体にいい。
続編です。よろしく哀愁です。
今は12月。
9月にお生まれになった、双子の王子さまもそろそろ首が座るころだ。
「たくさんのだいこん、こんな。あなた、どする?どする?」
また謎の中○人みたいな、しゃべりの王妃様に呼び出された。
こんな時はちょっとバテてらっしゃる時だ。
「お疲れ様でいらっしゃるんですね。」
こっくり。
「最近はお元気そうだったのだが。オロオロ。」
相変わらず美貌のリード王子様だ。
そして相変わらずのマザコンである。
二児の父なのだ。もう少し、どしっとせえ。
「最近、レイカ嬢も忙しいからと、呼びだすのをご遠慮なさっておいでだったの。
悪いが何か作ってくださいな。」
麗しのヴィヴィアンナ様っ、
はい、喜んでえええ!
随分、私と態度が違うなと、いうリード様のぼやきはムシだ。ムシ。
「大根が豊作と聞いてましたからね。」
アンちゃんから。
とりあえず、大根サラダ。茹でささみをさいたものも入ってますよ。あとは人参ときゅうりとね。
胡麻醤油味でさっぱりだ。
大根と肉団子。
肉じゃがのじゃがいもを大根にして、牛肉薄切りの代わりに肉団子だよ。
あとは鮭の揚げおろし煮。
アジでも、サバでもいいけど、今回は食べやすさで。
「ヤム、ヤム。」
今回は米○人になられた。
「ああっ、美味しい、和食はいいわね。
特に大根。疲れた胃にいいわー!!
ええっと、ジャ、ジャンバルジャンが入ってるんだっけ?」
「ジアスターゼですよ、それだとああ無情になってしまいます。」
「レ・ミゼラブル!帝劇ね!
なんか、悪人があーあーって落ちていくとこあったよね。」
前世日本人トークを楽しんでいると、
「ははうえ。お元気になられてよかったですう。」
リード様が勝手に感極まってらした。
「リード。貴方も父になったのですから、もう少しシャキッとなさいな。ヴィヴィアンナさんに笑われますよ。」
「ふふふ。大丈夫ですよ、義母上。うちの
エドガーとフロルも立派なマザコンになりますよ。」
なんとも、コメントしにくいなあ。
「最近王妃様の食欲があまりにもなくて、」
「我々も心配だったのです。」
マーズとマーグか。セバスチャンはいないのか。
「アレは婿入りさきに修行に出させたのよ。」
王妃様。セバスチャンはアレですか。
「確かに。最近の王宮のお料理はバターソースコッテリで。食傷気味でしたわ。
王妃様がちょっとだけ手をおつけになって、
もう、結構。というのは当然ですわ。」
そこへ突然。
「御相伴に預かりますわ♡」と
現れたのはエリーフラワー様だ。
彼女の自宅兼研究所は城内にあるのだから、フットワークは軽い。
「定点観測していたら、レイカさんが見えたので、馳せ参じたのですわ。」
どこを?
「今、隣国の長女姫様が滞在なさってるの。
そこのお料理なのよ。
ほほほ。どうせアンディから聞いてるでしょうけど。ほほほ。」
王妃様、思わせぶりに笑うのはやめてえ。
まーだそんな仲ではないです。
「あら、そなの。」
えーと、口に出てたかしら。
「レイカあのね、ひとり暮らしが長くなると、独り言が増えるのよ。
これは私の前世の経験。」
今私は新しい仕事、お忍び会員制レストランの為の
準備で忙しいのだ。
(物件はアンちゃんが張り切って探してきた。
「手付けは払っといたわ♡」
とのことだ。)
それでちょっとコチラとはご無沙汰。
実家とも、ご無沙汰。
「でも、まだ寮はでておりませんから。」
「うーん、寮の1人部屋でもうすぐ2年よね?
春になれば。
その前にひとり暮らしが終わればいいわね、
ホホホ。」
「もう。やめて下さいな。」
「そうだわ。ウチにいらっしゃい。」
「エリーフラワー様。」
「そうすれば寂しくないわよ、私も心強い。
母やおばあちゃんがいるみたいで。」
「…ハハハ。」
「もちろん、宿泊費はただよ。
万が一、夜中にチビが泣いたり具合が悪くなって、世話をお願いすることがあれば、手当てをお出しするわ!!」
「是非行きます!」
「バカ兄のおかげでお金に苦労されたから。」
「うっうっ、申し訳ない。」
マーズとマーグに謝罪される。
だ、だーいじょーぶだーー。
「ほほほ。しむけんね。」
また、声にででましたか!
もう一つ書いてるのが少しシリアスなんで、気分転換に書いて見ました。
ゆっくり更新します。
ゆるい気持ちで読んで下さいね。