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ビューティフル、ネーム。(今回はイラストつき)

イラストは

上からエリーフラワー

カレーヌ

ヴィヴィアンナです。


誤字報告ありがとうございます。

「あら、リード。来たのね。」

「貴女が三人目の転生者ですか。

グローリー家のご令嬢か。宜しくね。」

それからレプトンさんにも声をかけてる。二人とも真っ赤だぞ。


「また垂らしこんでおられますね。」

メアリアンさんがふふふと、笑う。

「無意識なのよ、あの子。」

そういう王妃様は満更でなさそうだ。

お、いきなりリード様がレプトン君の手を取った。

パーソナルスペース、詰め詰めだぞ。

レプトン君、顔が真っ赤だよ。


王妃様が、

「レプトンはね優秀だと聞くわ。家業の商会のため特に語学に力を入れて学んだと。

――ねえ、そのうちリードの補佐として外交をやってもらうのはどうかなと思っているのよ。」

リード様はこの国のNo.2だ。その直属ならなかなか良いのではないか。


公爵家が彼を手放すかどうかだが。

王妃様とリード様が望んで、ご本人も望めばもう決定ではないかな。

レプトン君、君の将来は決まったよ。

おめでとう。



そろそろお開きかな。



「ねえ、何か食べたいリクエストあったら言って。

ラーメンとかうどんとか。

食べたいでしょ。その時はシンゴくんとイリヤさんに言ってくれたら、伝わるよ。

カレーはね、今研究中なの。」


やはり色白だ。このお嬢様を白雪姫からモアナの顔色にしてあげたいものだ。

「ええ、是非!」


「まあ、レイカ。カレーが食べられるの?」 

「ええ!カレーなるカレーヌさまのお陰でカレーが。」

「ええ、私のおかげです。なんちゃって。ですわ。」


華麗なるカレー臭漂うトークが終わった所で、

「あのね、私は私を知ってる人に会えて嬉しいのよ。」

メリイさんの前に立つ。


「ええ、私も私のことを覚えてくれてる人がいて、

本当に嬉しい。幻ではなかったんだって。」


彼女の頬から涙が流れる。


そっと抱きしめた。


「辛かったわね、よしよし。もう貴女は一人じゃないのよ。私も王妃様もいるから。」


子供のように泣きじゃくるメリイさん。

背中を撫でる。色々辛かったんだろうなあ。


「お母さまみたい。」


「うん、それ、よく言われる。」

あなたで何人目だろうか、おばあちゃんでなかったのでヨシとする。


「そうだ、この国にも桜があるのよ。

咲いたら観にいかない?」


日本人なら桜である。


「確か西の端の火山のあたりでしたかね。」


シンゴくん、情報通だね。去年偶然見かけて狂喜したのよ。

アンちゃんが引いてたな。





さて、次の日。三月十七日。



アラン様のお子様がお生まれになった。


メアリアンさんが予言した通り男女の双子だよ。

王妃様はネモさんとリードご夫妻とご一緒にグランディ王国へ向かわれた。

ネモさんがいれば危険なことは何もないからね。


入り代わりにキューちゃんとエドワードさんが帰ってきたよ。

「エリーフラワーもお祝いを言いに行くのでござろう。何、キューちゃんならひとっ飛びでごわす。」

「キューちゃん、疲れてるのに悪いわねえ。」

「あい、ハチミツミルクあげる。チョコとイチゴも。」

各種甘味を差し出してご機嫌を取るミネルヴァちゃん。ええ子や。


キュー。


キューちゃんもご満悦だ。


エリーフラワー様がいち早くお祝いに行くことを各国に見せつけることが重要なのだ。

グランディ国出たけど、仲良しですよ、アピールだ。


「ほほほ。お祝いに洗濯機と脱水機の試作品を持っていくわ。」


ええっ!それはすごい!


ここはまだ洗濯板の世界であった。脱水機はローラーに挟む奴だったよ。

これでどれだけのお母さんが助かるか。

先日確かに前世の洗濯機の話をした、したけど出来るとは。

脱水機の試作品はまだ手動でクルクル回転させるものだったけど、これでも助かります。

そのうち電動にするわね、とのこと。


アラン様のお祝いに来る各国のお偉いさんも釘付けであろう。


「しばらくはアンちゃん帰ってこれないですね。」

アラン様ラブだ。嬉々として警備についてるだろう。


「一度彼女とキューちゃんを会わせないとねえ。」

そういいながら、エリーフラワー様はキューちゃんと王都へ行った。


王子様達のお名前は何になるのかしら。

それにアラン様へのお祝いはどうするんだろう。

まあ、アンちゃんが考えるからいいや。

また絹織物かもしれないけど、アラン様と仲良しだから大丈夫だろう。


とりあえずヒマだからカレールーの試作品に励んだ。アラ、これいけるんじゃない?

ハイドくんも、いいっすね、いけますね、って太鼓判だ。居残り組みの忍びにも好評だし、サマンサちゃんも喜んで食べてる。

「あと五杯はいけます。コレ。」


部屋に戻ってレシピを書き起こす。


コツコツ。窓をたたくものが。

開けてみると極彩色の鳥が窓を突いていた。

「ルリルリちゃん?どうしたの?」

「アンディ、イナイ、ヒマ。ナッツクレ。」

とりあえず買い置きのクルミをあげる。

「オイシ、オイシ。」

「そうだ、ルリルリちゃん、ランド兄さんのいるところわかる?そこにメリイさんもいるはず。

伝言届けてくれる?」

「ランド、マーズトイル。トドケル。オッケー。」


カレーが出来たよ、二十日の日に食べに来てね。と伝言した。

「リョ。」

微妙な若者言葉を口にして飛んでいく。


「賢いものですな。」

窓の下からオー・ギンさんの声がした。



次の日。三月十八日。

お名前はパール様と、ダイア様だと発表された。

もちろん名付け親は王妃様だ。最近は宝石シリーズなんだな。

良いじゃないか。


アンちゃんが久しぶりに帰ってきた。

「お帰り、ご苦労様!」

「あー、疲れた。お名前の披露も終わったし、各国からのお祝いの接見も終わったしね。一応お役ごめんかな。あとはヤマシロくんや、ロンドくんにやって貰おう。」


うーん、と伸びをするアンちゃん。


「キューちゃんがいい仕事をしてね。

エリーフラワー様の隣に立ってくれてたの。

各国の代表がそれを見て、驚くやら、ビビるやら。

コレでグランディ王国には守護神あり、と知れ渡るでしょ。

攻めこむアホウはいなくなるわネ。けけけ。」


各国に九尾の狐の伝承があるのだと言う。

キューちゃん、あっちこっち行ってたんだな。


「そういえばエリーフラワー様の洗濯機と脱水機は?喜ばれた?」


「あれも大評判よお!アラン様はお喜びになるし、皆様欲しがってね。

問い合わせが大変だったみたいよ。」


で、気になることを質問してみた。


「アンちゃん。アラン様へのお祝いはどうしたの?」


あら、固まった。まさか忘れてた訳じゃあるまいな。


「……それがねえ。レイカちゃんに相談なのよ。

アラン様に何か欲しいものございますか?

とお尋ねしたらね、お前の子供を名付けさせてくれ、その権利をくれ、とおっしゃるの。」


えーと、えーと?


「レイカちゃん、自分で付けたいでしょ?でもねえ、名誉なことだしね。」


まあ、断れないわね。


ということは?アラン様はご自分でお子様に名前をつけたかったとか?

キラキラ宝石ネームが気にいらなかったとか。


「え、もちろんいいよ。」

アンちゃんの顔が明るくなった。

「ホント?ありがとう!」


ビルフラン様に名前を付けて貰ったロザリーの親もこんな気持ちだったのだろうか。

と、ペリーヌ物語に思いをはせた。



まあ、悪くはないな。


挿絵(By みてみん)


ゴダイコですね。タイトルネタ。

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― 新着の感想 ―
三人のイラスト、ほぼイメージ通りです。 カレーヌ様のちょっと甘えた感じ、ヴィヴィアンナ様の男装の麗人の雰囲気。 名づけはねえ、なかなかに難しいですよね。 義父が「俺に頼まないのか?!」って圧を出して…
名前、大事ですよね アラン様はどんな名前を付けてくれるんでしょう しかし、レイカちゃんのお腹の中で光に包まれて…とメアリアンさんが言ってたのも気になります 令嬢ちゃんに何か関わりが有りそうな予感がする…
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