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花嫁衣装は誰が着る。

「まあ!素敵なシルク!!」

喜ぶメアリアンさん。やはりいいものはわかるんだね。

「本当に。こんな高価なもの。すみません。」

恐縮しているのはミドリナ様だ。

あの後速攻、二人を連れてきたのだ。流石アンちゃん、仕事が早い。

「どうかしら?準備次第お式をあげたら。もう新居にも住んでるんだし、エラ様にも祝福して欲しいでしょ。あなたたちがあちらの教会であげる方がいいワね?」

「エリーフラワー様にも来ていただけたら。」

「今月中なら。キューちゃんが連れてってくれるらしいからいいんだけど、来月は臨月でしょ、やばいから。」

と、エリーフラワー様が微笑む。


そこでアンちゃんが、忍びたちに指令を出す。


「教会を押さえろ。それからドレスだがミドリナ様、デザインをお願いします。」

「持参しましたの。ランドさんと入籍してから、ずっと作ってあげたいと思っていて。」

トランプのようにデザイン画を広げるミドリナ様。

そういえば手芸は趣味だとおっしゃってたわね。

メアリアンさんはマーメイドタイプを選んだ。


うん、彼女なら似合うと思う。


「決めたらうちの縫製部で速攻仕上げるわ。

さあ、採寸、採寸。ランドさんのは衣装のサンプルにあるのでいけるかも。吊るしだけどね?」

どこの世界も新郎の服はそんなもんである。


「そうだわ。レイカちゃんもさっきのシルクで新調なさいよ。マタニティにしたてて、後でリメイクすればいいわ。」

「ハイハイ、レイカさんも採寸。親族ですからね。

綺麗にしなくちゃ。デザインはこれね?」

エリーフラワー様はベビー服を立ち上げたと聞いたが、

「マタニティもやってるの。私が今着てるのもそうよ。」

と言うわけで夜を徹して衣装が作られた。

教会はこないだ私たちがあげたところが押さえられた。

今日は4日だ。大丈夫かな。


「おほほほほ。聞いたわよ。赤穂浪士内入の日に結婚式ですって?」

王妃様が次の日いらっしゃった。

リクエストはお好み焼きだ。


なんと!青のりが手にはいったのよっ!

三婆さんたちに、アンちゃんからダメ元で聞いてもらったら知ってた!

伊達に諸国を旅してるわけじゃなかったのね!


「そうですよ、14日です。その後の会食はウチのレストランで若い子たちが作ってくれます。」


二回目の会食だけど、まあいいでしょ。

今度はステーキを出すんだぞ。ウフフ。


「なるほどねえ。教会での式にこっそりとエラさんとミドリナさんが出席するわけねえ。」

「一応、遠い親戚になってるから。見つかっても良いんですけども。お忍びで」

「そこで私がアカペラで歌うわけね。

おほほほ。24日のコンサートの良い練習になるわ!」

ええええ!

固まる周りの忍びたち!


「もおお。私の言ったこと聞いてました?こっそりとお忍びで、がコンセプトなのに。目立ってしまうじゃないですかあ。」


「おほほほ。ダメかしら。飛び入り参加して楽しみたかったのに。」

「また、キース、キース♡のコールがしたかったのですか?」

「それも良いけど、スピーチもいいかな?って。

三つの坂の話も良いけど、3つの袋の話。」

「アッハイ。人生で大事な3つの袋。胃袋、給料袋、おふくろの話ですよね。定番です。」

「おほほほ。流石レイカね。今回は遠慮しておくわね。」


ふーーーっ。


息をつく忍びのみなさんたち。


後でアンちゃんに手を合わせられた。

「ありがとう、レイカちゃん!もし王妃様が飛び入り参加なさったら警備の手配が大変だったのよー!」

「まことに!」

ヤー・シチさん達も頭を下げてきた。

「おまえ、スゴイよなあ!」

ランド兄だ。

「ランド兄さん、うちの家族は来れるの?」

「うん。みんな。」

「後は、カレーヌ様か。妊婦だからお食事会からだって。」



本当に10日間の準備期間で式をあげた。

特にドレスが素敵だった。エリーフラワー工房の、縫製部のみなさんありがとう。

マーメイドラインのドレスはメアリアンさんの身体に程よくフィットして、素晴らしい光沢を見せた。

本当にスタイルいいなあ。

デルモみたいだぞ。



教会の控え室にて。

「以前、私はエラ姉さんのドレスを取り上げたことがあったの。ミドリナ義母さんが手塩にかけて編んだドレス。ーーひどいことをしたわ。」

ああ、そんなこともあったわね。

「大丈夫よ、あのドレスと、ベールはね、回収してエラ様の結婚式に使ったから。」 


「! あ、そうだったの?」


「そう。貴女のお兄様がクーデターを起こしたとき簡易結婚式をあげたの。その時に。

あなたともそういう経緯は似てるわね。

はい、これをつけて。」


「これは!」


「青くて、古くて、借りたもの。一個で済ませるブルーウォーターよ。エラ様にもお貸ししたわ。」

「あ、ありがとう!レイカさん!」


「あら、綺麗じゃないの!」

「本当におめでとうございます。」

キュー。


エリーフラワー様とヴィヴィアンナ様!

とキューちゃん。

「キューちゃんが連れて来てくれたんですね!」

「ええ、式が終わったらすぐ帰るわ。お忍びですからね。」

二人ともベールを被ってらっしゃる。


結婚式はつつがなく終わった。

王妃様の飛び入りがなくてホッとしたよ。


レストランのお食事会にて。

「おめでとうー!!うっわ、何、素敵なドレス!

見事なシルクだわ!こんな上質の見たこと無いわよ!

――ランドさん大丈夫?キッツイ、ローン組んでない?」


「カレーヌ様。少々訳ありなのよ。」


「何よ、レイカ、訳ありって。――へえ。それはお買い得だったわね。その娘さんには気の毒だけど。」

「そうですよ。せっかく娘の為にと、手を尽くして買い求めた親御さんの気持ちを考えると。」

「うん、まあ、でも浮気男と結婚しなくて良かったんじゃないの?」

それもそうだな。カレーヌ様の言う通り。


「それにしても妊婦が揃ったわね。」

うん。私とカレーヌ様。エリーフラワー様。ローリナ様。ここにはいないけどエラ様。


「あと10何年たつと揃って学園に入学でしょ。

めくるめく愛憎の世界が繰り広げられるのかしら?うふふふ。」


なんて事いうんだ。


あら、そういえば。リーリエさんとパティさんも妊婦だったわね。

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