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瞳を閉じれば、あなたが。

誤字報告ありがとうございます!訂正致しました。

小春日和のうららかな日。小春日和は春ではなく秋なのだ。

コスモス咲いていて、母の優しさが染みるのだ。

先月ルビーの岩石を掘り当てたから、母の機嫌はとても良い。

昨日からまた来てくれた。

「いい、レイカ。この世の心配の半分はお金があると解決するのよ。

あー、ほんと。蟹缶のお金踏み倒されたときは、孫の進学費用どうしようって思ってたけど。

良かったわ!」


…あなたの優しさ混じりの真実が染みてくる。このごろ涙脆くなったのですか。母よ。ハイ。ごもっともです。


アンちゃんが顔を覆っている。

「ううっ。すみません、気がつかなくて。」

いたたまれないらしい。


「お母さん、私だってお金の大切さは身に染みてるよ!

セバスチャンにお給料を理不尽に下げられちゃって、毎月五万で苦労したのよっ!

それで甥姪のお年玉出したりとか帰省費用とか、

――じっと手をみたわ!」


「あ、すみません。うちの愚弟が。」

ネモさんがキューちゃんの陰で小さくなっている。


「ほほほ。じっと手をみたの。石川啄木ね。」

「ええ、王妃様。じっと手をみる、美しい。

と、パロったのは所ジョ○ジでしたね。」

「そうなの?それに啄木を豚木と書くうっかりさんも良くいたわね。」

アッ、ハイ。うちの娘たちもそうでした。


今日は王妃様が久しぶりにおいでだ。

うどんが食べたい、というのとルビーのことを聞きたいらしい。ネモさんも来ている。

最初は、平伏していたがすぐに平気になる、うちの母。

「ほほほ。流石、レイカのお母さんね。」

多少の無礼さは流してくださるみたい。

「ええ、私もお世話になって心強く思っておりますのよ。」

「キューちゃんも懐いておりますしな!」

エリーフラワー夫妻の援護射撃がきいている。


「王妃さま。こちらをどうかお納めください。」

ルビーの原石のひとつを王妃様に献上する母。


「まあ!見事なピジョン・ブラッドね!こんなに大きい!早速今度産まれるアランの娘の為に、ティアラとネックレスを仕立てましょう!モルドール鉱山の名前も広めるわ!」


「はい、有り難き幸せでございます。」


ブラジルのメナス鉱山みたいなものかな。



「さて、エリーフラワーさん、体調はどう?男の子なんですってね?」

「ええ、王妃様。」

「ん?アラン様とのお子様とのご縁をお考えですか?」

「うーん、そうね、レイカ。でもね、最近あまり小さいうちに政略で決めるのもね、と思ってるの。」

意外だ。

リード様のエドガー様と、エリーフラワー様のミネルヴァちゃんとなんて、速攻決まったというのに。


「ああー美味しいわ。このうどん。昆布のダシが効いていて。キツネ、じゃなくて油揚げも美味しい。」

なんとなくキューちゃんに忖度する王妃さま。

あれか。インコを飼っている友人が、

「うん、鳥の唐揚げ美味しい…じゃなくて!チキンよ、チキン!」

と部屋のすみのピーコちゃん(実名、5歳 セキセイインコ)に気を遣って言い換えてるようなものか。


こーーん。

キューちゃんも油揚げをお稲荷さんにしてもらって御満悦だ。

おお、まるでどこかの神社みたいだぞ。

「ところでレイカ。貴女具合は?」

「ありがとうございます。多少気持ち悪いことはありますけど、食べれない事はないですよ。

あ、ナマモノは見るだけでダメなんで、昆布だしのウドンはいいですねー。」

母に作ってもらってよかったよ。


閑話休題。

「さて、話を戻すとね。将来アランの子供の王子が卒業パーティで、

キサマなんか婚約破棄だあっ!!ってやったら困るじゃないの。

よくあるお話よねえ。なろうで読んだわよねえ?」

「アッ、ハイ。」


「――今回それをやらかしそうな輩がいるわけよ。」

「ええっ!!」

「うちの馬鹿な弟、セバスチャンもアラン様のお茶会でぶちまけましたね。その節はご迷惑をおかけしました。」

ネモさんもしょんぼりとする。

あ、そういえばそうだった。やだわ。ハッシュタグに婚約破棄とつけなきゃいけないわけ?

もう、MAXにタグついてるわよん。


「まあ、杞憂に終われば良いんだけどね。

卒業式はね、アランが祝辞を述べるのよ。

アンディ、その日は王都でアランの護衛をやってくれない??」

「はっ。そんな不届き者がいるとは。許せませんね。」

「アランはね、アンディはとうとう卒業出来なかったから、嫌がるかな?と言ってたけど平気よね?」


アンちゃんは苦笑した。

「そんなことはございません。」


「リードやヴィヴィアンナは王族で忖度されて卒業した事になっているし、エリーフラワーさんは立派なレポートを出して卒業試験の代わりになってる。

教授の座を打診されたんですって?」

「おほほほ。お恥ずかしいですわ。」


おや。そうすると私は中退か。

ま、いいか。

「はっ!ごめんなさいレイカ。あなたさえ、良ければ卒業証書を用意しましょうか?」


「いいですよ。そんな。どうせ女生徒は縁談決まったらすぐにやめてたでしょ。」

「そうね。ーん、日程は3月9日かあ。」

「そういえばそんな歌ありましたね。」

「卒業ソングも色々よね。」

「ええ、送る言葉とか。あとは春なのに、なんかも好きでしたね。」


「うん、卒業写真とかね。思い出すと甘酢っぱい気持ちになるのよね。」


そして王妃様はユー○ンの名曲を歌いあげられた。

いいねえ。貴方は私の青○、そーのーもーのー♬


「うん?なるほど!思い出の写真や寄せ書きをアルバムにして渡すのですかあ。いいですねえ。これから作って希望者に購入を持ちかけましょう。ふふふ。

お金の匂いがプンプンしますわ!」


おっ、エリーフラワー様が、いきなりカ○オくんになったぞ。

「ほほほほ。いいわねえ。個人情報の管理はしっかりとね!連絡先は乗せてはダメよ。

勧誘やサギに使われてしまうから。」

「ええ、了解ですわ。」


「ほほほ。レイカ。コレから卒業写真を見ては、胸アツになる乙女が量産されるのねえ。

青春の歴史がまた1ページ、みたいで素敵よね。

ほほほほ。」

「それ、どこの銀英○ですか。でもいいですね。」


「――うーん。レイカちゃんの場合はカス野郎や図書館野郎が載ってしまうけど、欲しいワケ?」


「――あ、やっぱいらないっす。」

だんだんスピンオフと時系列が近くなってまいりました。

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