春夏冬で、あきないと読む。
前回を読んでない人へ。
3行でいうと、
○レイカは双子の女の子を妊娠中。
○アンディは緩やかに忍びの現役から引退する。
○アンディは喜びのショックのあまり倒れる。
で、ございます。
「ああ、一瞬目の前がくらっとした。いきなり色んな情報で。」
倒れたアンちゃんを、エドワード様が駆け寄って抱き上げる。
「大丈夫でござるか!」
「ああ、エドワード。オマエの腕の中はあったかい〜んだから。」
ン年前のクマ○シみたいな事をいうアンちゃん。
エドワード様とのぶつかり稽古の様な抱擁は、結果的は瘴気を払ってたんだな。
流石に国技っぽいだけのことはある。
「このままでは別の相手と疑惑が出そうだな。」
アラン様が苦笑する。
「お身体は大丈夫ですか?何人も養わなきゃいけないんですから。ひとりの身体じゃないんですからね。」
メアリアンさん。
ひとりの身体でないのは私では??
「ふふふ。大丈夫よ、レイカさん。これからは私も力になりますわ。お産が終わったらみんなで仲良く育てましょうね。
私は貴女を姉とも祖母とも思って、慕っているのだから。」
「ありがとうございます、エリーフラワー様。」
しかし何故母を飛ばして祖母なのよ。
「ところで、アラン様!」
「な、なんだね、才女殿。」
アラン様もリード様もエリーフラワー様には腰がひけるのは何故か。
「アラン様のところにも女の子がお産まれになる事ですし、フクロウ印の女の子用ベビー服のブランドを立ち上げるつもりですの!」
「ほ、ほう。それは良いね?」
「でしょう?こちらだけでは手が足りませんからね!紡績工場をグランディ王国内に作ろうと思いますのよ!!」
アラン様の目が輝いた。
「ああ!それはありがたい!ウチの国民の雇用促進にもなる!」
「おほほ。それで私からね、提案ですのよ。ミドリナ様にグランディ側の代表になっていただこうかと。デザインとかは私も考えますし、資金も出しますわ。
だけど彼女にも将来的デザインとかして頂ければね。
あの方の手芸の腕とセンスは一目置いてますのよ。」
アラン様が、がしり!とエリーフラワー様の手を取った。
「ありがとう!才女殿!」
「おほほ。恐れ多いですわ。エラ様ともミドリナ様とも知らない仲ではございませんし。
それに次期国王様に感謝されるのは悪くありませんわね。ほほ。」
アラン様は顔を赤くして満面の笑みを浮かべた。
「才女殿!貴方は私が次期国王になると認めてくださるのだな!百人力だよ!」
「ほほ。王妃様の口癖を借りれば、当たり前○のクラッカーですわ。」
「エリーフラワーは凄いなあ、な、キューちゃん。」
キュー。
エドワード様はニコニコしている。
アンちゃんと私は顔を見合わせて微苦笑した。
こうしてエリーフラワー様はあっという間に、王室御用達のお墨付きを手に入れたのだった。
「ほほほ。王女様に着ていただけたら最高の宣伝になりましてよ。」
凄いな、やはり。エリーフラワー様。
「フクロウの着ぐるみタイプのおくるみなんかいいわよね。」
ええ、前世のウチの子も持ってた。ハイハイする頃までのベビー服で、着たらゴジラっぽくなるやつ。
可愛かったわー。
それから動物園のグッズの方は、マーグの彼女が引き継いで正式に代表者になったそうだ。
商売繁盛、多いに結構である。
笹持ってこーい。