子供は世の宝である。
誤字報告ありがとうございます。
「エドガー、フロル、可愛いわねえ。おばあちゃまのところへいらっしゃい。」
王妃様は連日お孫さんと遊んでおいでになる。
そこに、
「コニチワ。」
ミネルヴァちゃんが混じるのも。
「あっらー、いらっしゃい。」
そういえば王妃様が名付け親でしたね。
エリーフラワー様ご一家はうちに住んでるので、
結果的にこちらのレストランにいらっしゃることが多いのだ。
「今日はスパゲッティよね。」
「お気に召してなによりです。」
三回目である。
王子様達やミネルヴァちゃんもお気に入りです。
お手てとお口がケチャップまみれだよ。
手づかみで食べようとしちゃったんだね。
二歳児と二歳児未満だからな。
「あらら♡ベトベトですよ。」
ヴィヴィアンナ様と私が拭いてやる。
なんかねえ、久しぶりにヴィヴィアンナ様に会えて嬉しいわ。うふふ。
「ヴィヴィアンナさん。アアシュラ様はいかが?」
王妃様がお尋ねになる。
「はい。お元気ですよ。明日お嬢様と訪ねてこられます。」
ここのところマナカ国のアアシュラ様がご滞在だ。
「最近、マナカ国には色々ご迷惑をかけたから
お詫びに娘さんとご招待したの。
貴女にこちらを案内して欲しい、とおっしゃって。」
「ええ、アアシュラ様には仲良くしていただいてますわ。」
「それにね、」と王妃様が続ける。
「アアシュラ様の、歌が上手なお嬢様にも年末のコンサートに参加して欲しいのよ。」
それは素晴らしい考えだ。
「曲は決まったんですか?」
「幾つかは。何曲かは公募してるのよ。」
「公募ですか?」
「ひとつはここの公国の国歌的な?ものかしら。」
にこり。
ヴィヴィアンナ様が微笑む。
「楽団も移住してきて練習も本格化ですよ。リード様もボイストレーニングをなさってます。」
ああ、ヴィヴィアンナ様。今日も麗しいわ。微笑む姿も美しい。
「私もダンスの練習をしてますわ。練習風景を見てアアシュラ様にも喜んでいただけました。」
いいなあ。
そこにエリーフラワー様が現れた。
「研究所の移転も進んでいますわ。研究員の寮も完成しましたの。寮まで陸蒸気で行き来するようにしました。」
それはエリーフラワー線と呼ばれるようになるのでは。
ところで時々失念するが、エリーフラワー様は公爵なのだ。
ご実家も公爵家だったが、
(王子様が婿入りしたり王女様が降嫁したりと、グランディ王国の中でも古く由緒正しい血筋だ。)
やらかしたおかげで潰れた。
それで王妃様に新しい家名を付けてもらったのだが。
ニューな家名はゴージャスと言う。
マダガスカル!ここ!とかやる芸人のようだよ。
「ほほほ。ゴージャスとチャーミング。どちらの家名が良いかしら。」
「では、ゴージャスで。」となったのだ。
チャーミングも攻めている家名だったよね。
「聞いたことありますが、なんでしたっけ。」
「リボンの騎○よ。王子様の家名なの。」
ああ!おばちゃん思い出したわ!
そうだった。そうだった。
手○先生ですね。懐かしい。
宝塚を見たときに手塚治○記念館に行ったのよ。
「150億円いただきましょう。」ってセリフつきの、
ブラック・ジャ○○のセリフ付きグッズを買ったわ。サイコーだったわ。
「エリーフラワーさんの次のお子様のお名前は何にしようかしら。」
ええー、勝手に名付け親になる気だぞこの人。
名付け親ってゴットマザーだったっけ。
「名付け親ってゴット姉ちゃんだよね?」
違います。それは和田ア○子。
「まあ、王妃様にまた名付け親になっていただけるなんて。果報者ですわ。」
エリーフラワー様の目はキラキラしている。
「そなたのお子様は世の宝。サファイアなんてどうかしら。男女どちらでもいけるでしょ。」
それって!!
「ほほほ。レイカ。美しい男装の麗人になるかもしれなくてよ。」
諸手を挙げて賛成いたします。




