三婆。
「そんな。なんてことだ、いや、信じないぞ。
え?母が父に虐待されていた?
そんな事があるわけがない?」
白鬼ことシンディは崩れ落ちた。
頭をかかえてうずくまる。顔色は真っ青だ。
「ふーん、俺はとばっちりで嫌がらせされてたワケ。」
アンちゃんは半眼にしてシンディを見下ろす。
「ネモ様。リード様。
私グリーンがシンディのところへ住み込みますじゃ。」
「私ブルーが小娘どもの世話と指導を致します。キリッ。」
擬音?なんかキリッと聞こえたような?
エロイカ○○愛をこめてのA君みたいだぞ。
「私パープルがミミとリーリエのところへ行きますわ。私だけが経産婦ですからね。」
なるほどね、お産の世話か。
「そうだな。せっかく来てもらったのだから、そなた達に一度任せるか。
シンディ。首の皮一枚つながったな。
ーーこれにこりて女性にちょっかい出すなよ。父と同じクズだと言われたくなければな。」
「は、はいいい。リード様。」
白鬼は首に手をあてて撫でさすった。
まさか、つながってるのを確認してるのか。
マジか。
「善は急げだな。シンディ君。一応住めるようにはなってるようだよ。まだ工事は続いてるけど。」
ネモさんのところへ鳥が飛んできた。
報告してたのか。
「では引っ越しだな。」
グリーン婆さんがシンディの首ねっこを掴んで引きずった。
「痛い痛い痛い。」
「相変わらず剛力であらせられる。グリーン殿は。」
スケさんが関心する。
「では、私たちは保養所に行きますか。」
「リーリエなる女は隣接のシェルターにいるのね。」
「ではスケカク、案内してやれ。」
「はっ、リード様。コレにてどろん致します。」
どろん。
煙が立ったら忍びというかお庭番というか、みなさんいなくなっていた。
「何か疲れましたわ。」
とエリーフラワー様。
「いけませんわ。ゆっくりなさって。」
ヴィヴィアンナ様が手を貸して広めのソファーに座らせる。
「もうすぐ八月ですのね。」
「ええ。ここのブルーウォーター公国は涼しくて避暑にピッタリですわ。」
「才女殿、疲れさせてしまったな。アイスクリームでも用意させようか。」
キュー。
「おお、キューちゃんも欲しいかい。」
リード様が破顔する。
「リード様。パティさんとリーリエさんの産月はいつですの。」
「来年だな。四月の末か?五月の頭からくらいか?2人とも。」
まだまだだな。
コレで一件落着となればいいけど。
「そういえば。レイカさん。こないだおっしゃった扇風機。試作品を作って見たわよ。ほほほ。
ついでにドライヤーもできたわよ。ふふふ。」
「相変わらずすごいですね!」
「今度はね、保冷庫や冷蔵庫に挑戦したいわ。」
「今、冷やすのは切り出した氷ですからね。」
ここはチカラもちの動物やら、UMAがいるから比較的簡単に氷室から切り出せる。
「ウチの研究所が移転したら本格的にやりましょう
。今はホットラインでやりとりしてるけど、まどろっこしくて。」
それでも色々開発してるエリーフラワー様。流石です。
「あとは日焼け止めが欲しいですね。」
「なにそれ、詳しく!」
「以前はね、逆に日焼けオイルが流行ったんですよ。」
「なるほどねえ。」
「日焼け止めって、以前開発されたホワイトニングとは違うんですか?」
ヴィヴィアンナ様も関心がおありのようだ。
お二人と化粧品についておしゃべりして、アイスを食べて、ああ、幸せ。
家に帰ったらランド兄さんとメアリアンさんがいた。
「あっらー♫新婚さん、いらっしゃい♡」
アンちゃんノリノリだぞ。
「この物件にしようと思って。」
ランド兄さんが紙を出す。
「あら、ネモさんとこの5番目のね、良いんじゃないの。ランちゃん、頭金大丈夫??
いくらか貸してあげても良いのよーん。」
「大丈夫だよ、アンディさん。こう見えても財形貯蓄とかしっかりやってたんだ。
恥ずかしながら最近まで彼女もいなかったでしょ。
デート費用とかも使わなかったし。。
って、何を泣いてるの?」
アンちゃんがハンカチで目を押さえてるわ。
「いいいいえ。義理の兄はこんなにしっかりしてるのに、あの馬鹿ときたら。
ああ、自分ちが情けないわー。ランちゃんみたいにまともな人を見るとホッとするのよ、アタシ。
しくしく。」
「どうしたの?レイカ?何があったの?」
狼狽えるランド兄。
「最近、白鬼に迷惑をかけられてね。。」
「えええー。俺もあの人嫌いだい。」
「そうよね、アタシも嫌いだい。」
「って、ちょっと、アンディさん、抱きつかないでっ!ヘルプー!!たすけて!苦しい!」
ぴかーーっ。
そこて、ランド兄さんに張り付いている、ツチノコのツッチーが光った。飼い主のピンチだ!って事ですね。
アンちゃんは手をはなした。
「うう、目がー、目がーーっ。」
あっ、ハイ。お約束っすね。
三婆は舞台も小説も見たり読んだりはしてません。
興味はありますね。昨日本屋に行ったけども、在庫切れでした。