今。君の前に。まっすぐな未来が。
さて、エリーフラワー様のところの、ローリアさんだが。
最初は何も胃が受けつけなかったから、野菜スープのスープだけ、果汁だけ、
そのうちクタクタに煮た野菜やパンがゆ、果物と。
食べられる物を増やしていった。
お気づきかな?そう、離乳食とほぼ同じものだよ。
エリーフラワー様のところには乳児がいるからね。
そちらの世話もしてるし。
「ありがとうございます。」
向こうのご両親にもご本人にも感謝されたよ。
そのうち煮込みうどんやシチューが食べられる様になったし、
並行してご家族の甲斐甲斐しい看護もあり、なによりエリーフラワー様のお薬がきいた。
車椅子からゆっくりした歩行ができる様に。
病院には入院しなかった。近くに王立病院があるのだが、万が一にでも、レッド家の人に会いたくないらしい。
それが関係ない、アルバートさんでも。
マーグやマーズでも。
同じ被害者のアリサさんでも。
研究所兼自宅の一角に家族でいたのだが、今日ご領地に帰ることとなった。
まだ一ヶ月なんだけどね。
「ゆっくり休み休み帰りますから。」
「このご恩は忘れませんわ。エリーフラワー様。
レイカ様。」
何と定期的に特産のハムやソーセージを送って下さるという。やったね!
「レストランができたら教えて下さいね。」
コ・イー・ワイ牧場を立て直したのは御実家の方にも立派な牧場があったからだ。
とても楽しみだ。
さて。式の準備は進んでいる。
ヴィヴィアンナ様からは真っ白なウェディングドレス、エリーフラワー様からは
お色直しのピンクのドレスをいただいた。
王妃様からはサファイアのペンダントを。
青いぞ、光るぞ、高そうだぞ。
「まさか。王家の秘宝的なものではありませんよね?」
視線をそらされた。オイ。
「サムシングブルーっていうじゃなあい?」
ギター侍見たいな語尾の上げ方だ。
「それ、盗人には不幸を運ぶ、呪いがかかってますから!残念!」
それ、マジっすか?フェイクですか?
アンちゃんが覗きこんで驚愕の声をあげた!
「これっ、ブルーウォーターと呼ばれる宝石では!」
ええっ!そんな?
3人組に追っかけられちゃうの?
ブルー・ウォーターをおよこし!って。
「ほほほ。愛はジュエルより、すべてをかがやかすのかもね!」
「謹んでご辞退したいです。。」
自宅兼レストラン兼忍びたちの事務所は,間も無く完成する。
森の小さな教会で結婚式をあげてから披露宴はそこでやる。
その日の為にオー・ギンさんが若い忍びに、私のレシピを教えてる。
ミルフィーユカツとか、エビチリとかエビマヨとか、ワラジシリーズとかね。
彼等がお祝いの料理を作ってくれるらしい。
「そういえば、アリサも順調に回復してきたわ。
アルバートが引き取るんですって。」
「結局、お仕事はどうされるのでしょう。」
「とりあえず、休暇をとって領地を見に行くみたいよ。」