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真性の困ったちゃん。

次の日、忍びの若い子が内線で、

「ゲン・ノジョーさんとオ・ツナさんが来てます。」

とりあえず居住スペースの応接間へ通す。


「あら、お珍しい。こんにちは。」


おゲンさん夫婦は憔悴している。


「ご無沙汰してます。レイカさん。」

「あのですね、アンディさんはいますよね?」


「なーにーーい?何事?」

ものすごーく嫌な顔をして、ソファから身をおこすアンちゃん。

いつのまにそこにいたんだろ。さっきまで自室でゴロゴロしてたのに。


「シンディの事なら関わりたくないんだけど。ネモさんやリード様に言ってよ。」

「そんな。」

「あの2人に直接は私らにはハードル高いですう。」

「リード様の元護衛だったじゃん。キミら。だーいじょーぶ。お優しい方だから。」

そう思う。門前払いはなさらないはずだよ。

「俺だってそんなに気安いわけじゃないよ。俺の担当はアラン様♡きゃっ。」

もう、煙に巻こうとしてるな。


えー、私をすがるように目で見ないでくれたまえ。

私も白鬼ハッキー苦手で嫌いなのよね。

その視線をうけながす――私。

右からアンちゃんへ受け流す。

ムーディ勝○になってるワ・タ・シ。

お魚になったワ・タ・シじゃなくてね。


「ああ。もう。とりあえずアイツを別んとこに住まわせるように頼むよ。ネモさんに。それでいいだろ。」

「一家で、お願いします。奥様とそのお母様も。」

「そうだな。その方がいいよな。パティさん妊婦だし、そのお母さんも回復してきてんだろ。」

アンちゃんがヒラヒラと報告書をふる。

例のツチノコのツッチーを貼りました、怪我の様子を見ますって奴だ。


「元侍女長ことヘレナの傷も大体良いようだ。

彼女は外傷、パティさん母は内臓系だったけど、どっちも治すとはすごいじゃん。へえ。」


報告書を熟読するアンちゃん。

「で、溜まった毒素は時々捕まった不審者に向けて吐いてると。流石、ツッチー無駄がなくていいねえ。へへえ。」


そこで立ち上がるアンちゃん。

「まず、ネモさんとこに言って報告するか。

ツッチーの効果。

ついでにうっとうしいシンディについても話を通す。」


一応聞いておくか。


「どんなトラブルなんですか?」

考えられることは、リーリエさんと、パティさんとの三角関係だな。


「パティさんが、リーリエさんとシンディさんとの浮気を疑いまして。彼女の子供も彼の子ではないかと。」

やはりな。まあ、ハニトラかけてイチャイチャしてたからなあ。

「妊婦は気持ちが不安定になるものだからね。

リーリエさんはどうなの?」


「ええ、それがですね。ものすごく怒ってまして。

誰が、あんな男お断りよとか。

毎日キャットファイト寸前です。

それにミミさんが彼女の世話をしてますけど、まだ上手くやれてなくて。それもストレスらしく。」

と、ゲン・ノジョーさんが言えば、

「実の母に大事にされてるパティさんが羨ましくて仕方ないみたいです。」

オ・ツナさんも続ける。


「同じ棟に住んでるわけじゃあるまいに。」

アンちゃんが吐き捨てる。

「隣接してますからね。」

「わかった、シンディ一家を離して奴はそこから職場に通う。住み込みはやめさせる。

パティさんのお母さんにはシェルターの手伝いをして欲しいけども、しばらくは妊婦の世話に専念。

そんなに傷だらけの女性は今、いないんだろ。」


まったくなあ、面倒くさいよな。

妊婦同志じゃなきゃ、いくら掴み合いの喧嘩をしても構わんのだが。

と、アンちゃんはため息をついた。


まったくだ。白鬼ハッキーよ。

自分で何とかせい。


「それで5人娘たちとビッキーは?」


アンちゃんの問いに、

「はい、実はそっちも問題なんです。5人のうち2人が、コロリとシンディさんに参っちゃいまして。」


「…はア?」

「本人は誓ってハニトラはかけてないと言うのですが。」


アンちゃんの顔色がドス黒くなった。

怖いよお。


「おう、コロリと娘さんたちが参っちゃったのか。

では、それじゃ元からたたなきゃな、シンディの奴をな。コロリとな。」


ふふ、ふふふふ。


アンちゃん、地を這うような声だよ。口を開かなくても、笑い声って出るんだね。



腹話術の人形みたいで、無表情で、怖いよう。


お魚になった、わ、た、し、


懐かしいCMですね。

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