表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/288

キミは笑った方がかわいいよ。

エリーフラワー様の塗り薬のおかげで私の手は全快だ。

(監禁犠牲者のローリア様の手も足も見違えるように回復している。)


それで、今日はこないだ作りそこねた、回鍋肉をリクエストされた。

あと、エビチリ。

「ではエビマヨネーズも造りましょうか。」


エビチリのエビは卵白と片栗粉の衣で揚げる。


残った卵黄はチリソースに入れる。とろみもつくし、まろやかになるのだ。


エビマヨネーズは、マヨネーズソースにコンデンスミルクを入れるのだか。

なかったから砂糖と牛乳少々とお酒で代用だ。


今日はリード様夫妻と王妃様。そしてエリーフラワー様、エドワード様だ。

アンちゃんはエラ姫様の護衛だ。姫は帰国の途についてらっしゃる。


「美味しーい!エビだわ、エビ。海老好きなのよ」

良かったです。


「ファミレスを思い出すわー!中華街ではなくってね。」

悪かったな。


「こないだエラ様とお話したのですが。」

と、ヴィヴィアンナ様。

「以前からアラン様とお知り合いだったとか?お互い憎からず思っていらっしゃったと。」


「あ、あー、うーん、そうかしら?

確かにもともとの婚約者はエラさんだったのよ、

ただ、アランよりひとつ年上だったし、

あのアメリアナさんがうるさくってね。」


「自分が婚約者になりたいと?」


「そうそう。そんな器でもないくせに。

それからエラさんは持ち込まれる縁談を断って引きこもったわ。

初めは向こうの王様も怒ったんだけどね、段々とアメリアナさんがやらかすから黙認したの。」

「思った通りになったわけですね。」


そこでエリーフラワーさまが口を開いた。

「今こそ、王妃様の特技を活かすべきですわ!

また、漫画でお二人の物語を描くのです!秘められた恋。意地悪妹に引き裂かれたけど、お互いに忘れたことはなかった!

素晴らしいお話になりましてよ!」

「また、ベストセラーでがっぽ!がっぽ!ね!

うふふふふのふ!」


ゼニのマークを指で作りご満悦な王妃様。

「そうです。王妃様は乙女心のエキスパートですわ。

こないだのエラ様とのご挨拶とセリフ。

すごく恥ずかしかったですけど、効果抜群でした。」

「でしょ!でしょ!あの白いバラに、映える青い服。いきなりの騎士の誓い。

我ながら、バッチ、グーだったわ!」


ええっ。アレは王妃様の演出だったのか!

それにバッチ、グー。

安定の昭和の古くささ。流石です。


昭和の少女漫画に思いを巡らせていたら、

思い出した。

「もしかして。庭で野菜を作っているアルバートさんって、王妃様が改名したとか?」

「あ、そうよ?会ったのね。

ヒゲモジャで、髪も長めで多分染めてるわね。

わざと老けた感じにしてる。

きっと若いのに。だからアルバートと。

僕は風のごとく。なんて言うからね。あの漫画を思い出すでしょ。」

「拙者も良く話します。感じのいい御仁です。」



…良く考えたら怪しい人では。


「本名はなんだったかしら。」


そこにスケカクが。

「お庭番といっしょにいつもいますからな。

髪はマメに染めてるのは報告を受けてます。

黒いけど、きっと茶色でしょう。

3年ほど一緒におりますが、怪しいところは特に。

先代の庭師のじいさんの紹介だったから身元は、軽く調べただけでしたが。」

「ちょっと締め付けますか?」


えっ?


ほんの五分後、アルバートさんは王妃様の御前に連れてこられた。

「あの、な、なにか?野菜にしゃくとり虫でもついてましたでしょうか?」

「いいえ?あなたちょっとヒゲをそって、散髪して色を落としてらっしゃい。」

「ええっ!服装自由、染髪OKの職場ですってハロワに!」

「はい!御免!」スケさんの手刀。

「ばたんきゅー。」

ああ、、これなのね。不審な令嬢たちを駆除してきたワザ。


アルバートさんは連れて行かれた。

しばらくして、戻ってきたが、切られて色を落とされた髪は茶色だった。

髪で隠れていたが薄荷色の色の瞳が現れた。

髭をおとしたらやはり若い。20代前半だね。


ああ、これは。


「あなた、エレンね?セバスチャンの兄のエレンでしょう。似てるもの。」


「…はい。もうエレン・レッドの名は捨てました。」


「アリサが解放されて入院してるのを知ってる?」


「ええっ!母は助かったのですか?

よ、良かった、、。」


すぐにマーズとマーグが呼びつけられた。


「お前たちは、トーマとトーマスかあ?大きくなって。」

そういえばそう言う名前だったなあ。

「僕らも、その名前は捨てたよ!エレン兄さん、でなくて、アルバート兄さん?」

 

三兄弟は抱き合い、泣きながら、笑いあった。

感度の再会である。


もう、6年前になりますが、とアルバートさんは語り始めた。

「豚にのってオザキになってガラスを割ったやつね。」

「あの日のアレは陽動作戦だったのです。

父の目と、屋敷の護衛やらを引き付けて、母を逃すはずでした。

実際、逃げだした豚を捕まえるのもたいへんだったのですよ。」

へー。

「ところが。セバスチャンが父にチクったのです。」

「えっ。セバス兄が?」

「あいつは腹黒だ。俺に協力しますから、と近づいてきて。裏切った。母は父のものなのだから逃げるなんて認めない、と抜かした。」


アイツはマグロの餌になって良い。


「うーん、同じ船に乗って見張ってる忍びに言っておくわ。」


オー・ギンさん、いたんですか?


また口から出てましたか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ