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まさしくそれは。

「終わったよ。一応だけどね。」

それから1時間程してアンちゃんが現れた。

疲れた顔をしている。

「王や、アランは無事なのかえ。」

「ええ、王妃様。…少し王宮が壊れましたので修理が必要です。

まあ、あの2人の公爵の領地を召し上げれば賄えるでしょう。」

やはりあの2人は粛清されたのか。


そこへ、ネモさんが現れた。

キューちゃんもだ。美しい毛並みに戻っている。


「白鬼くん。キミのマイナスの感情?憑いていた物、すごかったね。

それはお礼を言うよ。」


「複雑な気持ちですが。はい。」


「母上。」


「アラン。」


アラン様まで現れた。

「少々、お城が壊れております。修理が済むまでブルーウォーター公国でお過ごしいただけますか?

ネモ殿、悪いがお願いできるか?」

「もちろんですとも。」

「エラ妃は、あの子は大丈夫ですか?」

「ミドリナ様。申し訳ないですが、お付き添いをお願い出来ますか?少々爆発音で動揺しております。」

「もちろんですわ!王妃様、御前失礼します。」

ミドリナさんをじっと見つめるメアリアン様。

久しぶりの再会なのに義母のミドリナさんとお話も出来なかった。

お寂しいのかしら。

「レイカさん、悪いけどアンディを少し借りるね。また事後処理がある。」

「ええ、わかっていますわ。」

アンちゃんも大変だな。

うーん、とアンちゃんは顔をしかめて。

「ネモさん。ミノタウロスとキューちゃんがいれば護衛大丈夫かな。」


白鬼シンディよ、私と来い。お前には残党狩りをやって貰おう。」

「ははっ、アラン様。」


「アンディ君。護衛は大丈夫だよ。この陸蒸気の周りを野犬に走らせる。

…襲ってきたものは彼らに任せていいね?」


「よしなに。

おい、行くぞ白鬼。ランちゃん、後は頼むね。」


「さて、我々も行きましょう。」


陸蒸気に乗り込んだ。

「あの王妃様。傷薬はお使いになったのですか?」

「そうそう!」王妃様は手を叩いた。

「すごかったわ、すーーっと染み込んでいったの。

途中からオー・ギンに変わってもらったけどね。」

と言うことは、始めは王様が塗ったのか。

「王妃様。また原料ができたらエリーフラワー様に作ってもらいましょう。」

ネモさんがにこやかに言う。

「でもね、ふふ、今直接ツッチーを肌に貼り付けてるのよ。

2倍効く感じがするわ。」

「私も貼ってますけど、随分薄くなりましたわ。」

王妃様がメアリアンさんを見た。

「貴女も貼っていたんだったわね。アンディが無理に勧めたんじゃないの?」

「いえ。自分から言い出しました。こんな感じですわ。」

腕をみせる。

「あら!殆ど無いじゃないの!」

「今度は首にはろうと思います。」

「あ、そうね。そしたらウェディングドレス、色んなデザインを選んで着れるわよ!

だって、レイカのお兄さんと婚約したんでしょう?

ねえ、お二人さん?」 

「は、はい。」「そうです。」

「あらあ!是非詳しく!!」

「え、えーと。」


ははは。相変わらず恋バナお好きですねえ。


圧に負けてメアリアンさんが詳細を語る。

横で我が兄ランドは顔を覆っている。

「も、もう、ご勘弁を。」

「まあ、ほほほ!アンディの抱擁で!!

受けるわ〜。」

ネモさんもニコニコして聞いている。



「王妃様。ツチノコの話に戻りますが。

元侍女長もパティさんの母上も試してますよ。

説得したのはリード様です。」

まあ。ふふふ。

王妃様が笑って、あの子優しいからねとつぶやいた。

「そういえば今回キューちゃんも大活躍だったわね。メアリアンさんも。」


キュー。

いいえ、そんな。


謙遜する一匹とひとり。


「ネモ。結局キューちゃんの炎に彼等は焼かれたの?」

王妃様が聞きにくいことを聞いた。


「ええ、大体はそうです。止める間も無く四方八方に、光が飛び散りました。

あの、二人の公爵は偽物のアメリアナなど知らないとシラを切ったんですよ。

アラン様が激怒なされて、まあその怒りに引っ張られる感じで。

どういう仕組みか、王家に悪意を持っているものを狙って薙ぎ払ったのです。」


怒りに引っ張られる、、イデ○ン?


「そう。あの2つの公爵家は目の上のたんこぶだったのよ。」

「遡れば王家の血が入っているとか?」

「そうね。だからいずれ復権したかったんでしょ。

その為には娘に王子を産ませるのが早いと思ったんでしょ。」


「なんだろう。大河ドラマのようですねえ。」

「そうなのよ、レイカ。平安時代かよっ!てね。」

陸蒸気が進むと、両側に焦げた跡が見えてきた。


「すごい。ここまで焼いたの。キューちゃん。

まさしく神の化身ね。」

王妃様はシン・ゴ○ラの石原さ○みのようなセリフをはいた。

ココン、コーーン。

嬉しそうな遠吠えだ。


「あの、キューちゃんがやはりお望みなら、賽の河原を再現しましょうか、と言ってます。」


ネモさんがおずおずと切り出した。



「却下!」

慌てて王妃様は手で、バツ印を作るのだった。

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