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閑話 聖なる夜も楽しいもので

イヴくらいにあげようと思ってたら忘れてたのです後の祭り。

ああ、来年分の前倒しということにすれば! ぐっあいでぃーあ。

時間軸不明の、とあるクリスマス前夜。

ジーザスさんとは別段かかわりもないこの日に浮かれて讃美歌歌っちゃう連中に世界樹の呪いあれユグドラシルー。(超適当な受け売り)

ユダヤ系の人は祝わずに中華とか食いに行くって聞いたけど本当かねぇ。


まぁでも、長いものには巻かれろ派な自分といたしましては、めりーくりすまーす(いゔ)。

あ、自分の名前はメリウです、はじめまして。(白々しい)


本日の<塔>は、クリスマスムード一色でお送りします。

ちなみに、彼氏彼女旦那奥様持ちの連中はINしてません~、ふぅー!


ゲーム内天候が晴れだったため、気分だけでも白くしようぜという非・リア充達の悲しいまでの心意気により。

現在<塔>は、魔法を駆使した力技で降らせた雪が積もって・・・とても綺麗です。

ここら一帯では大規模な雪合戦なども催され、かなりの賑わいを見せております。

蠢いてるのは彼氏彼女旦那奥方無しの寂しい連中ばかりだがなっ!


たとえば、自分だ。

糞っ、殺せっ。


「いいないいなー、みんなしてファミコンの快作、セクロスを熱烈プレイしてるんだろうなぁご精が出ることですねドピュピュピューっとくらぁー」

いつものメンツは本日自分だけのINとなっております。

<リア充死すべし雪合戦! あっれ、リア充ってこんな所に居なくね?>で不毛な虐殺行動をするのにも飽き。

空中庭園の片隅にカマクラ作って引き籠りつつ。

自分は七輪で餅を焼き、醤油を塗りたくる。

ハッピー正月前倒し。

餅喰え餅。

あと、お節料理が不人気すぎて心が痛いけどぶっちゃけ話で不味いから廃れてるだけだよね!

美味ければ寿司屋みたいにファストフードからボッタクリ価格高級店にも成れようモノを。


え? イヴ?

野郎の肋骨から出来た女なんて超欲しい自分にもください神様。

極大事にしますゆえー。


うにょーんと焼けた餅を伸ばして喰らいながら、凄い勢いでスクロールし続けるチャットログを暇つぶしに流し見たり。

一面の「こんな世界腐ればいいんだむしろ腐らせる」という痴ロリンのチャット連射に・・・っておいぃ!?

なにF5アタックみたいなことしてるの、ブラックリストに入れられるぞ運営とかPLとかの。


あ。

ブラックリスト・・・略してBL・・・。

痴ロリンを、ボーイズラヴ欄に、入れる・・・だと?


アブねぇ、うっかりリストに入れたら仲間みたいに扱われかねぬ・・・。

なんて恐るべき戦略をっ、痴ロリン、怖い子っ。


「ごめんなさい 猫がキーボードの上でボタン固定してました」

犯人は、お猫様だった模様で。

あっれ、深読みしすぎた? と、自分反省。


「ちなみに私の右手が受けです」

「ネコって右手のことかよ!」「タチとネコとかっ・・・」とのツッコミ多数。

・・・おまいら、こんな聖夜に何やってるの?

むしろレッツ性夜って感じで出かけなさいな・・・。

とか呟きつつ自分の事は棚上げにするメリウさん超酔っぱらい。

寒い環境だと酒の美味いこと美味いことアルコール切れたら凍死する。


「うっす、邪魔するぜぃー」

唐突に。

カマクラ入口にかけていた暖簾をくぐって、侍組のリーダーが入ってきやがった帰れ。


「来て早々酷い言われようだ、お、モチ貰いー」

手塩にかけて焼き上げていた御餅様が、闖入者の腹に収まった。

余りにあっけなく行われる外道行為にメリウ憤慨。

しかしここで暴れたら、せっかく作った秘密基地カマクラが台無しにっ、悔しいっでもなんとか我慢しちゃうビクンビクン。


明日以降粘着してコヤツPKしまくる所存。


コタツの天板に寝そべった状態から顔だけ上げて闖入者(以下チン子)を伺う。

「メリっちってば寂しいはずなのに天邪鬼なんだからぁーコタツ良いなぁいつの間に作ったんだよオレも入れてー」

帰るどころか踏み込んできよったわこのチン子。

まぁ、暇を持て余していたのでどうでもいいのだが。


「で、おまいさんは彼女さんと出かけなかったのかねー」

「あー、あっちの仕事でポシャったー。 久々だったのになぁ辛いね遠距離」

「それはご愁傷様フラれてしまへ」

「コヤツめ、ハハハ」

「ははは。 ゲームやってる暇あるなら飛んで行けばいいのにこの甲斐性無し」


「「がるるるるるー」」


そんなこんなで、何の因果かリア充なりそこねと駄弁ることになったわけです。


「あー、カマクラに掘りごたつに七輪で焼いた餅とか・・・どんな贅沢してんだよメリっちー」

現実でもこんなんできたら楽しかろうになぁ、等と言い募る闖入者。

あ、言ってなかったっけ?


「現在自分の中の人も、似たような環境からノートパソコンにてお送りしております」

結構ドカ雪降ったからねぇ、つい屋根の上にカマクラ作って秘密基地ごっことかしてるのさ! 戯れになっ。

餅は持ち込んだトースターで焼いてるけどさ。


「なにそれウラヤマ。 むしろオレん所は雪滅多に降らないから憧れるんだがなぁ」

良いじゃん、代わりに貴様のところは温かくって海近くて魚が美味かろう?

あー、自分より美味い魚を食える奴は死に絶えればいいのになー。


「国民殆ど死なねぇか、それ」

内陸人の苦悩など、貴様らにはわからぬわ・・・。

あー、地平線とか水平線にあこがれるー。


「いや、メリっちのところ、川魚とか渓流魚とかいるじゃん?」

「川魚は水っぽいんだよっ、アユの塩焼きなんて年に一匹食えれば別段気にもならないんだよっ」

「貴様、オレがアユ大好きっ子と知っての暴言かっ」

「あ、そなの? 冷凍で良ければ送ろうか? キロ単位であるんで困ってるんだ」

「糞虫とお呼びください閣下」

そんな、どっかで聞いたやり取りがあり。


「で、チン子さんや。 他の侍組メンツはどうしたね?」

チン子って何さ、と、不思議顔のチン子。

連呼してチン子をデフォルトにしてやるから泣いて喜べチン子。


「チン子チン子連呼するなこの珍妙。 ちなみに侍組もオレオンリーだチンチン」

侍組リーダーさんたら、珍チン連呼して超卑猥~。

そして誰が珍妙だ、唯でさえ個性がなくて悩んでるのに。


「・・・? 珍妙な奴から珍妙な言葉が漏れだしたのだが、幻聴だろうか?」

本気で心配そうに首をかしげるリーダー、いや、チン子に「いやいい加減チン子はやめよう」仕方ねぇなわかったよ。


「あのさ、自分、個性無くて悩んでるのだが」

「それはない」

即時否定された。

んん?

まるで自分に個性があるような言われようだなぁ、おかしいなぁ。


「個性しかない奴がそんなこと言っても、なんというか、死ねばいいんじゃね?」

何故か結論が死刑だった。

そしてそんなことを言われつつ自分が育てていた餅が、また奴の胃の中に消えた。

コイツこそ殺すべきだと思う。

ひとまず<竜砲>零距離で撃っても許されると思う撃った。


まあっ、お空に向かって綺麗なドラゴンブレス。(来年の干支にちなんだと言えば聞こえがいいかな? 単に処刑なんだけど)

ついででなにか汚物が飛んでったけど、最近目が疲れてるから気のせい気のせい。

半分消飛んじゃったカマクラを即時直して、コタツも新品に交換だビバ、レシピ製。

さぁて今度こそ自分の為だけの御餅様を育て上げる光餅計画を・・・と、交換した網の上に餅をころがし始めた頃に響いてくる、足音。


「おいぃ、マジで死にかけたんだがっ」

チン子だった。

なんで生きてる。

ああいや、悲しい事故だったが無事で何より。

チッ。


「コイツマジで殺す気だったか・・・たかが食い物とったくらいで」

「表ぇ出ろ、殺してバラして世界中に撒いて復活できんようにしてやる」

相手が剣聖だろうが何だろうが。

許してはいけない邪悪がそこにいる。


「あ、いや、ゴメンナサイ。 オレが悪かったので暇つぶしに付き合ってくだしあ」

「最初からそう言えチン子」

「サーセン」


そんなこんなで、イヴはチン子と駄弁って終了した。

野郎同士のバカ話に花が咲いて、気が付けばいい時間だったのが悔しいでもビクンビクン。


「男女混成リレーとかって言葉の響きやらしいよなっ。 ランコーっぽくね?」

「お前の頭の中がリンカーンされればいのに。 このチン子めが」


・・・そんな感じ、野郎のバカ話って。




で、翌日。

夜話の影響ですっかり昼寝が長くなったクリスマス当日の午後。(せっかくの休日が半分以上持っていかれた、だと・・・?)

急ぎでやることもなかったので再びゲームに入って見ると。

あっれ、昨日作って放置してたカマクラに先客が・・・?


「不法侵入者め!、ゆっくり両手を服の裾にかけて、一気に持ち上げろ!」

「え? こうですかうわぁいきなり上着を脱がされた!?」

先客は、バカだった。

有体に言うなら、痴ロリンだった。


「で、コタツに入って上半身下着姿で何やってるの?」

誘ってるの? そうなの? よーしパパ頑張っちゃうぞー。


「NO! もう服着た! 頑張るな!」

素早く上着を着直した痴ロリンが慌てて自分を制した。

所詮はゲームなのでエロいことはできねーようわーん。

あと、ぶっちゃけ痴ロリンじゃ勃たな「頑張れよ!」どっちだよ?


「あっれ、おまいさんは彼氏とかと昨夜はお楽しみでしたねとかじゃなかったの?」

コタツに入って、前日と同じように餅を焼きだしつつ尋ねた自分に、低く笑って答える痴ロリン。


「ククク、もう冬コミのコピー誌用原稿に着手しなければ間に合わぬ私にそんな暇はございませぬ」

あと、彼氏なんて都市伝説ですぉ、と、ダメな方向に完成されつつある困った子が目の前にいた。

あと記憶が確かなら、貴様昨夜F5アタックじみたことしてなかったっけ?


「痴ロリン、腐ってなければいい子なのにねぇ。 どっかにいい人居てくれりゃ有り難いんだがのぅ」

「メリっさん、なんかウチの親みたいなことを言い出しておるわ。 ゲームの中くらい子供の心で接して欲しいものですよ?」

「そんだけ心配してるんだと思って下され。 あと一応このゲーム18禁だからな?」

「18禁っ・・・!」

「変にトキメくな?」

もうダメだこの子。


「で、何故に自分のカマクラに入り浸ってるですかこの小娘?」

焼けた餅をうにょーんと伸ばしながら喰らいつつ、物欲しそうにこっちの様子をチラ見する痴ロリンに聞いてみると。


「あ、リーダーに聞きましたー。 なぜか餅焼いてくれるって言って」

リア充に対する「ヤキモチ」なんだろう? そうなんだろう? そうなんだろぉぉぅー? とか言ってましたけどどうしましょうアレ「今度処理しに行くわ」了解しましたー。

あのチン子めが。

今度いろいろ酷い事をする。


「でも、ゲームで餅喰って何がどうなるわけでもないのに、暇なの痴ロリン?」

彼女用に焼いて育てた御餅様を皿に移し、頭の上に乗っけてやる。

何故にソコに置きますかー、と、ジタバタする痴ロリンに和みつつ。


「えーっと、なんというか、現実逃避と言いますか」

原稿終わらねぇー、アシスタントほっしー、って感じでして、と愚痴りだした。


「あー、電子データで送れるなら、べた塗りとかトーン貼り程度はコミスタ辺りで手伝えなくもないけど」

「是非に」

「マヂか・・・」

まさか即答で手伝えと言ってくるとは思ってなかったので、やっちまった感が激しいが後の祭りである。


「よもや冗談とは言うまいね?」

目が、据わっていた。

痴ロリンの背後に透けて中の人が見えるかのような。

そんな据わり具合であった。


「はぁ・・・んじゃ、ひとまず適当なの一枚指定込みで送って。 ちゃっちゃと加工しちゃうから」

それ見てOKだったら本データよこせー、と言ってる端から送りつけられてくる画像。

おお、予想外に上手い。

かなり描き慣れてるなぁ、生原稿だったら失敗怖くて弄りたくないレベルだ。

内容は・・・まぁ、山なし落ちなし意味なし。

指定は難度低いしチョイナチョイナっと加工して。

返信。


「どんなもんー?」

「はらしょー、とってもすばらしいわー」

投げやりそうな賞賛とともに、送られてくる大量の画像。

おいぃ、コピー本だって言ったろ貴様ー。

なに48Pも描いてんだ死にてぇのか!

自分ブチ切れ。


「そこをなんとか、そこを何とかお頼み申す、お頼み申す」

なんなら脱ぎます、と、痴ロリンが服の裾を掴んだのでひとまず、えい当身。

単純加工だからやっちゃるやっちゃる。

だからもうチョイ、実利に即した指定をよこせなんだこの「ズバババーーーンという感じで」とか「うっひょって勢いで」ってのは?


「う、ゴメンナサイ脱ぎますか?」

「指定をよこせと言ってるんだ」

いかん、会話が成り立たなくなってきてる、なんだコイツただ脱ぎたいだけなのか?


「じゃ、ひとまずはココなんですが・・・」

「ああ、この花瓶が掃除機のホース飲み込もうとしてる場面な・・・」

内容を理解しようとしてはいけない、これはただの線画、これはただの黒白模様。

らめぇ中の水こぼれちゃうぅぅ・・・。

溢すものか、僕が全部飲んであげる・・・。

しゅごいのほぉぉぉ、吸われてる、吸われてるのほぉぉぉ・・・。


「・・・。 生きるべきか死ぬべきか・・・むしろ殺すべきなんじゃなかろうか」

「何故に死生観っぽいことを口走ってるですかメリっさん」

お前は何故だと思うね、痴ロリンや・・・。

ははっ、目の前にいたら口では言えないようなことしてやるレベルだなぁこれ。

自分のサニティ値がみるみる鑢がけされていきよるわ。


「何をされるか怖くて聞けない・・・」

「そんな事より早く指示を真っ当に出してくれ自分の精神が焼け落ちる前に早く」

「ああハイゴメンナサイそこはこう、ぐぐぐーって感じで」

「感じじゃなくて具体的にと言うとるんじゃぁぁぁ」


後に発覚するのは、痴ロリン徹夜明けという事実。

単に頭おかしくなってただけだったんだ・・・。

ラリッた頭の奴に整合性求めた、自分ってホントにバカッ・・・というお話だったのだわうん。




そんなこんなの、聖なる夜近辺のお話。

後日、チン子に八つ当たりしに行ったけど自分は謝らない。

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