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成長強化も楽しいもので 2

まるで脈絡はないが、語尾にニ○チェとつければ大概頭よさそうに聞こえるよね、という戯言からニーチ○語尾にてお送りしますニー○ェ。


「らめぇ、逆さから読んじゃらめぇ~くるみぽんちお! ○ーチェ」

「そんなことより即情交! ニー○ェ」

「太陽って北から昇りますよね? ニーチ○」

「肴は炙った烏賊でいい。 ニ○チェ」


うん、酷い。

満場一致でやめることに。


さて、ソロ活動にてコツコツ修練を積み重ねたいつものメンツ。

しかして強化はスキルだけにあらず・・・ということで。


「なぁ皆。 そろそろワチキらも防具に凝る時期なんじゃなかろうか?」

シオンが重い口調で呟いた。

休日昼下がりの、いつものメンツハウス。

昼食済ませた四人が雁首並べて丸テーブルで今後の方針確認中。


「んー、俺は別に要らないんだよなぁ。 避けるし、買い換えたとしても結局食らったら終わるしね、このゲーム」

回避と<瞬間移動>があるから食らった時のことは考え無くても良くね? と、レザード。

重量ペナルティなどを考えれば、確かに一理ある言葉であった。


「まぁ、レザードならそうでしょうねぇ。 ウチら一般人にとったら、やはり幾ばくかは食らう可能性もあるわけで」

一般人の三倍は避けられる人と比べられてもねぇ、とジオ。

交叉法重視の専守防衛スタイルだろうと、受けそこねれば痛い自身にとっては若干だろうと生き残るための薄皮が欲しいわけで。


「そだねぇ、自分らは運良く魔法とかで何とかなったクチだからそれほど気にならなかったけど、普通なら生命線だよねぇ」

生まれた時からの付き合いな布の服を眺めつつ、メリウ。

武器だけ良くなってもなぁ、というのもある・・・大抵、報酬では武器しか無かったからねぇ。

・・・どこかの誰かさん達が、防具ごと、敵をすり潰しちゃうからねぇ?

平坦に言ったメリウの視線から顔を横にそらすシオンとレザード。

火力過多だから仕方ないとはいえ、その、なんだ、もう少し手心を・・・。


「まぁいいじゃないか迷宮とかで小金持ちにもなったし装備的に強くなるのもうんそうしよう行こうすぐ行こう今行こう鎧とかがワチキらを待っているそんな気がする秋は夕暮れ夕日の差して」

ここまで一息で言い切って、シオンが立ち上がる。

やれやれ、と続く皆を先導し、向かうは町の掲示板。

いわゆる、PC間取引の場であった。




アクセス。

検索、防具。

検索条件、重量、魔法の物品。

総数2427件ヒット。

再度条件設定、追加して、鎧。

総数522件ヒット。

・・・・。

・・・。


「案外多いねぇ。 +1ものばっかだけど」

ひとまず額が寂しかったから、と、即座に魔法の鉢金を購入したメリウが皆に言う。


「そだねぇ。 あ、<流星>出てる・・・購入っと」

レザードが嬉々として爆発手裏剣ご購入。

あっれ? 防具買いに来たんじゃ・・・? と思ったが、考えてみたらコイツ必要なかったか、と皆がスルー。

地味にコツコツ<流星>を買い集めて、既に四枚ほど所持しているのは皆に秘密にしているレザードであった。


「うむー、ウチは防具よりMP増強の腕輪とかが買いですなぁ」

最悪、時間の長い防御魔法を常時展開、くらいの勢いで・・・と、ジオ。

確かにソッチの方が強力だし、なおかつお手軽である。

回復できるしね、MP。


「真っ当に鎧買ったワチキの立場は・・・」

本当に真っ当な魔法の胸当て+2を購入して装備したシオンがうめいてたりする。


「いやいや、ある意味買い物なんて自己満足の世界だし良いんじゃね?」

すっかりつけていたのを忘れたすね当てをそこら辺に投げ捨てて、代わりに革ツナギっぽい全身服(未鑑定)とかを買い込むチャレンジャーレザードが適当にほざく。

後に鑑定したら古代技術モノだったことが発覚するが、それはまぁ、そのうちの話。


「本気で適当に買い始めたぞコイツ・・・悔しい、だけど真似しちゃうビクンビクン」

言いながら適当に重量と値段だけ見て鎧を買い込むメリウ。

ちと鑑定いってきまーすっ! 

・・・普通の+1布の服だったよ・・・、と、悲しげに装備変更。

相場の倍くらいの値段払ってこれか・・・ギャンブルはこれだからっ。


「よし、買い占めっと。 これでウチのMPは100を超えたっ」

MP増強の腕輪で左右の二の腕を埋めて、ジオが愉快そうに吠えた。

うへぇ、アレって結構高値だったはずじゃ・・・金持ちめがっ。

ちなみに一般的なPCのMPは30弱。


「えっと、堅実に防具周り揃えてるウチがなんか間違ってる気がしてきたぞぅ?」

結構な物品で身を固めたシオンが悲しげに首を傾げる。

いや、君が正しい・・・何も間違ってない・・・。


「あ、メリウ。 欲しがってた<永久化>スクロール売ってますぜ」

もはや買うものを防具以外にしているジオが巻物検索でそれを発見。


「を、まじっすか・・・むむむ、神様ポイント的にトントン・・・やや下・・・ええい迷ったら購入だっ」

チャリーン、と、野望の一つである魔法を入手するメリウ。

流れるように貯金が底をつく。

これを鍛えて、あとはあの魔法が手に入れば・・・とブツブツ言いながら、メリウは掲示板からドロップアウト。

金の切れ目が縁の切れ目よーと、訓練場に向かったところを見ると今手に入れた魔法の修行をするつもりのようだ。

あ、買い物終わったら呼んでねー、と思い出したように振り返って言っている。

ハイハイ了解、名前からして嫌な予感しかしないけど頑張って育てるがよいー。


「さて、ではウチも買うもの買ったし同好会活動でもしてますねー」

買い物すんだら集合かけてくださいな、と、ジオも町の玄関口方面へ去る。


「ういよー、ワチキはもうちょい見ていくわさ~、地味にオサレ服とか色々あるなぁ」

いわゆるアバターと呼ばれる外見装備にシオン夢中。


「うっし、軽量ガントレット競り勝ったっ。 これでペナルティつかずにガチ殴りダメージ倍増及び格闘受け流しがガッツリ硬くなったぜぃ」

趣味に走った結果良い買い物してるレザード。


金のあるときは、まぁ欲望を満たしたくなるもので・・・。




無人の野を行くが如く。

ジオが歩を進めるたびに、襲いかかってくる敵が弾け飛んで地面のシミになる。

無駄MPを浪費して放つ必殺<聖防壁>ウォーク。

聖なる攻性防御壁に群がり死んでいく敵NPCはさながら崖下にダイブするレミングの群れ。


「俺も混ぜろぃ、ィヤッハァ!」

脳から変な汁タレ流しているであろうハイテンションで、レザードが四枚の<流星>を放つ。

あっれ、数多くね? とツッコミが入るが、ニヤリ、の一言でぶった斬る。


「にゃろぅ、派手なもん備蓄してやがったな」

試しにワザと攻撃を受けて新防具の具合を確かめているシオンが、ちょいと羨ましそうに敵集団を爆撃する<流星>群を眺めつつ呟き。


「フハハハ、そんな攻撃効きはしないわ・・・我を倒しても第二第三の・・・」

シオンの横で同様にワザと攻撃を受け、+1布の服をあっさり貫かれて死にかけてるメリウなんて人もいた。

何をそんなに自信満々に胸張った?

馬鹿なの? 死ぬの?


只今買い物性能試験のため、小鬼さんたくさんクエストを攻略中。

若干名を除いて、買い物は大正解だった模様。

あ、地面転がったメリウに追い撃ち入った・・・鉢金で弾いた・・・だと・・・?

余談だが、この時メリウの頭防御力、胴体の三倍。

あっれ、頭が一番固い・・・の・・・?


「いやぁ、いい買い物だった」

20の欠片が手元で4つの<流星>になる。

レザードは満足したようにそれを懐にしまいこんだ。


「ウチも実に充実した結果でした」

小鬼さんの半数を轢き殺したジオが、嫌にいい笑顔で額を拭う仕草をし。


「ワチキも結果的にいい買い物だったんだけど・・・」

やっぱり地味だな・・・と、チト物足りなさそう。


「金貯めて、おとなしく軽い+2鎧買おう・・・」

愉快に死にかけたメリウが血の涙を流しつつ呻き。


「ひとまず、使った分は稼ぎたいなぁ・・・金稼ぎに行こうか?」

「「「おうさ!」」」

続・金が・・・ほしいっ・・・!

北の迷宮探索に走るいつものメンツであった。




地下四層を攻略中・・・。

マップは至って簡単であるが、小部屋に分かれすぎ、かつ敵が多いこと多いこと。

普通のパーティならば回復不足で連戦は厳しかろう。


「まぁ、ウチらはエターナルサイクラーが二人いますから問題ありませんがね?」

光の雨と光の手が降り注ぐ。

一戦一戦終わるたびに全快するいつものメンツに、小分け物量戦は只のボーナスステージであった。

うめぇ、うめぇ、と、餓死寸前で食事にありついた海賊のごとくに金品を貪る餓鬼達の姿がそこにあった。


「・・・あっという間にさっき使った分が回収できそうな件について」

素で引いた声を出すシオン。


「俺も結構財布が膨らんだー」

<流星>以外は安物ギャンブルしたレザードがにこやかに懐を叩き。


「ウチらはまだまだですなぁ」

それでも半分ほども回収できたんですがね、とジオ。


「ぉぅぃぇー、自分はようやく三割回復ってかんじだねぇ」

野望のために溜め込んでいたメリウは、まだ先が長そう。


こうして、数戦後の階層ボスも危なげなくミンチにし、四層クリアにてこの日は解散となった。


「「「「お疲れさまでした うめぇ・・・うめぇ・・・」」」」




まぁ、五層から地獄なんですがね。


「「「「え?」」」」


では、今回はこれにて。

お疲れさまでした。


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