表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/54

スタートダッシュも楽しいもので 4

さぁーて、今回のお話はー?


「レザードです、目の前のサイコロを振りまくります」


クエスト消化にかまけて溜まりに溜まった拾得物を整理分配したその残り。

いろいろプラスマイナスがあるドキドキ! サイコロターイム。

一人当たり四回のビッグチャンス。

出るのはアイテムか、能力増加か、実はこんな生まれだったという後付け設定か!

・・・まぁ、能力マイナスとかもあるんだがな・・・ふへへへ・・・


「まぁ、振らずにオークションにかけるという手も「「「振った」」」そうだろうと思いましたよ畜生共」

ジオの建設的意見は、既に行動によって却下されていた・・・。


さぁ、今回の結果はどんなんだぁ?

ログ形式でご報告。


<シオン:筋力+1 器用さ+1 体力+2  魔法の才能・風+1>

<レザード:器用さ+2 体力+1 意思+1 表現力-1>

<ジオ:体力-1 体力+1  意思+1 知性+1>

<メリウ:器用さ+1 意思+2 知性+1 筋力-1>


「ま、当たりかなー」

唯一マイナスのなかったシオンが上機嫌。


「マイナスが何に使うか分からん表現力でよかった・・・!」

ギリギリセーフ、と、胸をなで下ろすレザード。

今回のサイコロ成長にて、ついに大台突破の器用さ31を記録。

参考までに人間限界は18。

器用さ関連のスキルの上限が、実に18という化物っぷりに。

訓練が追いつかない?

知るかそんな贅沢な悩み、と、その他能力凡人組からの殺意が飛ぶ飛ぶ。


「ウチはなんだかんだでプラス進行だったので結果オーライですな」

むしろ癒し系としての底上げ進化、成る。

後は神様関連ポイントを貯めて、ガンガン上位魔法を覚えていけば・・・!


「筋力・・・下がったんだが・・・」

本気で魔法使い系にカスタマイズが進んできた気がする、とメリウ。

居残り訓練にてついに爆炎壁も実用レベル(失敗せずに出る、レベル。 威力は推して知るべし)になったことも含めて、もはや刀を抜く機会も少なくなってきた気が・・・する・・・。

防御は未だに謎な刀槌(仮)、命名<右曲りのダンディ>で不自然に充足。

・・・ほんとに何なんだろうこの曲がった棒。


運が悪ければ、能力半分とかも有りうるデンジャーなブツであったが、現状奇跡的に大外れは、無し。

ノッてる時はいろいろツイてるものである。

そして、無駄に多めの難度高めなクエストを順調に片付けた結果として。

結構な金額の、まとまった金が手に入っていた。

拾い物で装備を整える生活に慣れて殆ど使われなくなっていた、金、まにー、ごーるどっ。

ついにその力を解き放つ時がっ きたのダァ。


「でも、ぶっちゃけ欲しい物余り無いんですがね」

ジオはギルド、ひいては信仰する神様への上納として有り金の殆どをつぎ込み、代わりに魔法を得ている。


「なんだかんだで、俺らドロップ運良いみたいだしね」

レザードも特には買うものがないらしく、ジオのようにギルドではないが神への寄進を行ってポイントを得て、さらに能力値上昇を得ることにした模様。

どこまで器用さにトンガれるのかチャレンジしてるのかもしれない。


「ワチキも、装備的には問題ないなぁ」

シオンも結局いろいろ悩んだ結果、神様関連のポイントで能力上乗せを行い、より完成された剣士系に進化。


「・・・うし、決めた。 今回は魔法貰えるところまで行けないけど、神様に入信して後ほどポイント稼いでガッツリ魔法とかもらう!」

蘇生貧乏でならしたメリウもここのところのスタートダッシュでは死んでる暇がなく、溜まりに溜まったその金力を駆使して<区分:中立神>の最高神である自由の神への入信を果たす。

ポイント消費を考えて、未来を買った結果である。

入信すると、その神様からの授かりもの(魔法、武器、能力上昇、他特殊能力授与、など)を購入する際のポイントが段違いに少なくなるのだ。


「でも、主君もちが自由神に入信って、ぶっちゃけどうよ?」

突っ込むレザードに。

確かに、そうだが・・・


「んー、ぶっちゃけ施設使えりゃいいしねー。 自分は日陰者の侍の皮を被ったバテレンさんという方向でどうよ?」

どう考えても弾圧される流れしか見えない・・・。

しかし我が神は言いました。

汝、思うがままを成すが良い、と。

ああ偉大なるかな自由神様。


「世界がちゃうがな、その神様」

レザードのツッコミがメリウの側頭部に炸裂。

しかしながらファ○リス様って、ぶっちゃけ一番イイ神様ですよね?


「しかし、これで癒し系完了までの道筋は見えましたな」

どう見ても悪役な顔でニヤリとほくそ笑むジオ。

ちなみに彼は善神中位の愛の神様の僕である。

癒しの神様でもあるその取得可能魔法の中に、ほぼ究極の回復魔法の内一つが存在するのだ。

そして、今回の魔法取得にて、ついにその魔法が、もたらされているのだ。

実用化は遠い。

実にレベル6魔法であるそれは、実質訓練ポイントでのみ熟練レベルアップ可能、という難儀な難度のシロモノである。


「ういさ、まだまだ遠い未来の話だけど、自分もそのツモリで自由神に入信したわけで・・・・」

ニヤリ、と笑返すはメリウ。

回復魔法の究極その2、その魔法を得られる神様というのが、他ならぬ自由神であるのだ。

究極魔法二つを得て<回復の永久機関>を目指す。

βの中盤で神様データ等が公式データベースに公開された辺りからの、癒し系二人の目標であった。


「「まだ登り始めたばかりさ、この長い長い癒し坂をよぅ・・・」」

やめろ、おい、やめろ。

変なところで打ち切るな。


「で、小芝居終わったみたいだし、今日も行こかー」

おうさリーダー!


今日も今日とて、平常運転のいつものメンツであった。




カマイタチブームも過ぎ去り、現在はそれぞれの得意分野に尖ろうキャンペーン実施中。

シオンはついに自分流派の奥義作成に着手。

奥義登録が成れば、消費少なめに必殺技を撃てる、とお考えいただくと分かりやすいかと思われます。


「ふぉぉぉ、高まれ我が剣達よー!」

胡散臭くチュウニマインド全開に叫ぶシオン。

奥義その1、双剣乱舞(仮)。

有り体に言うと、左右各10回の20回攻撃である。

通常これを二回も放てば、それだけでスタミナが尽きるという短期決戦甚だしいものであるが・・・。


<奥義判定:成功>


奥義という流派技、としての成功を重ねることにより、奥義としての熟練を得て、そのレベルが上がった瞬間、奥義は完成することとなる。

完成すれば固定された技がごく少ないスタミナで発動するため、非常にありえない攻撃を連発できるようになる、という素敵滅法なシステムである。

・・・完成までに、リアル1年かかる、と言われているロマンシステムであるが。

遠い! 遠いよ! と泣き叫ぶシオンの足元には、憐れ実験台となった四足歩行の獣だった残骸が飛び散っていた。

シオンの尖る方向、剣術・・・というよりは、ロマンの赴く方向へ。



ロマンに走るシオンを後目に、レザードは地味に堅実な方向へと尖ろうとしていた。

上限が高くなった器用さ関連スキル、それの限界までの修練である。

自分を極める、という人生における身近な難関にも似たそれは、ぶっちゃけやること変わらず戦闘での決定成功狙いと、訓練ポイント貯まったらよく使うものから熟練レベルあげていくよー、という面白味のないものである。


「面白く無いとか言うな」


自分中心に高速回転し槍を枯れ枝のように振り回しつつ抗議するレザード。

力任せでなく器用さにおける軽業とタイミングよく目押しされるステップの保持からなる<技術による力技>。

難度の高い操作をこなし続ける中の人の技能も問われる、キャラクター性能を引き出すプレイスタイルである。

正直、レザードの中の人以外のメンツが同じキャラを渡されたとしても、同様に操ることは不可能であろう。

獅子がなぜ強いのか?

元から強いからである・・・というフザケンナ、的なキャラクターとして誕生したレザードであるが、その実、それを使いこなせる人間のもとに生まれただけだった・・・と考えれば、其れもまたロマンのあるお話であるが。

レザードの尖る方向、器用さ、あるいは、自分の研磨。

中の人も含めての、成長祈願。



「ウチもレザードと同じようなものですがな」

ジオもやること変わらず、癒しを振りまく。

反復行動からの成長を祈念し、癒やせ、癒やせ。

スタミナ回復系の魔法を神から得たジオは、率先してそれを用いる。

現状のメンツの戦力ならば、一番の消耗エネルギーがそれであるためであるし、なにより成長著しく強くなってきた連中が怪我しなくなってきたからである、チッ。

うわぁ、本音隠さねぇなぁ、と周囲に引かれつつ、ジオは自分の本分を全うし続ける。

癒しマニアとしてビルドしたからには、それを極めずして何が神官かっ。

もはや、狂信にも似た何か、であった。


そして、それに付随する技能が、一つ。

ヒーラーを潰さねば、というアルゴリズムに導かれ殺到する敵たち。

味方は遠く、ジオの巨体が血に染まるとみえたその瞬間。


<柔法:合気カウンター 決定成功>


地面という鈍器に叩きつけられて果てる敵を既に視界外に、ジオは癒しを継続する。

癒しを邪魔させない、そのための護身術。

既に神官というより武術僧侶・・・モンクの戦闘形態である。

ジオの尖る形、その片鱗が垣間見えた。



侍というより武器も使える魔法使い。

現状のメリウの立ち位置である。

いわゆるファンタジー系世界において魔法剣士として位置づけられる職業。

このゲームでもご多分にもれないが、ぶっちゃけそれほど意味のあるものでもない。

どんな職業だろうと、技能と能力値があれば魔法は使える。

武器も使える。

ただ、スタート位置が違うだけ。

その意味で、メリウは運良く侍になった。

使用施設の優秀さで、成長の優位性は得た。

能力値の殆どを人間限界近くまで得ていた事から、八方に手を広げた。

そして現在、最大の火力をもつのが魔法故に「まずは魔法の方向に尖ろう」と思う。

最終的な目標は、尖ることではない。

メリウの最終目標、それは。


「丸く、なる」


展開した爆炎壁を渦巻状に形成、敵集団をナルトの赤ラインの如くに巻き込む。

壁と隙間を数多く重ねることにより、一回の魔法で多段攻撃を実現する。

そして、爆炎壁の中でもがきながら前進してくるであろう敵集団に対し、メリウは同じ魔法系統である火に属する貫通魔法、熱線をぶち込んだ。

爆炎壁の威力を巻き込み二回り程太くなった熱線が、渦の迷路となったそれを縦に貫いた。

・・・だれだ上からみたら便所の落書きね、といったのは。

ひとまずそいつ腹筋な。


爆炎壁はまだ消えず。

しかしその中でもがいていた敵集団は、既に無し。

まずは、魔法戦闘の一芸に秀でる。

その後は剣術、その後は・・・。

メリウの尖る方向、全方位。

故に目指すは、丸。




そして本日も滞りなく。

いい時間となりました。

それでは皆様、


「「「「おつかれーぃ」」」」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ