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06 心に残った爪痕
あれから数日が経った。
でも、それがどこからなのか思い出せなくなっていた。
何か、忘れてしまったようだ。
でも、何を忘れてしまったのか分からない。
きっと、僕の周りで誰かが消えたんだ。
だから、用もないのに毎日公園に足が向いてしまう。
何かが足りない。
体の中にぽっかりと空洞ができたみたいだ。
一体誰が消えたんだろう。
その人は、自分にとってどんな存在だったんだろう。
僕はその人と何を話し、何をしてその公園ですごしていたのだろう。
知る事は永遠にできない。
想像するしか、ない。