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いろいろ見られた死にたくなる始まり

俺は20歳の来年就活を控える学生だ。

そんな中俺は男として一つの転換期を迎えようとしていた。

高校時代から大学生である今日まで女性とうまく仲良くなることができなかった俺は、童貞をこじらせすぎて苦渋の選択の末性的サービスを受けていた。

薄暗い灯りの中で男女が重なり合い、


「ア!やばいもうイクかも!」


そう声が漏れた。


恐らく、俺の体からロケットが発射するまでそう長くはもたないだろう。


と感じながら天を見上げて瞬きした刹那の瞬間に眩しいほどの光が差し込んだ。


「えっ⁉」


眼を見開くとそこには先ほどまでの暗闇の個室ではなく、見たことがないような場所に転移していた。


まるでお城のなかというか、もはやお城の玉座の間のようなところであろう中心に俺は膝立ち状態になっていた。

周りには多くの中世のヨーロッパ系の人々が俺のことを取り囲んでおり唖然としていた。

 

「えっ⁉、ちょっと……は⁉」


再び俺は声を漏らしながら頭が真っ白になっていた。

目の前で体を重ねていた黒髪の美人なお姉さんはそこにはいない。つまり、状況を整理すると性交渉をしている最中に俺だけよくわからないところに転移したという意味不明な状況だ。しかも、俺の如意棒は伸びたままである。無論、完全にイク手前であった。


「とっ、とりあえず服を着たまえ」


そう言って、目の前の高貴な王様らしき人が服を持ってくるように兵士に指示を出した。


 そうは言ったものの、俺は大勢の人の前で全裸をさらしただけでなく、巨大化した自分の息子をみられてしまったのだ。恥ずかしい…。恥ずかしすぎて死にたい。今すぐ誰か俺を殺してくれないかと思っていると、


「こちら、お持ちいたしましたのでどうぞ」


と、兵士が一着の軍服を俺に渡してきた。


「あっ!ありがとうございます」


 頭が真っ白になりながらも手渡された服を着つつ、これ以上ないほど赤面しつつも少し落ち着いてきた。周りの兵士たちはずっとざわざわしている。


「静まれィ!!!……あーーー…、えっと…、そのなんかすまんかったのう」


変に同情されつつ王様は気まずそうに話した。一応それにこたえて俺も口を開く。


「とりあえず、どういうことか説明していただけませんか?」


「君は、この国の勇者として召喚されたのだ」


そう言って、王様は今回の経緯について語った。俺の前にいるのは、ナーダルデ・デオポルト3世、現国王らしい。

 ここは、魔法が使えるファンタジー世界であること。俺がいるこの国はレイジーという小国であること。この世界には、ほかにも国がありその中でも大陸の四割を占める魔族の大国と天使族の大国が現在は均衡状態であること。残りの二割は、主に人族が占めており、中にはエルフ族や巨人族などが存在するとのことである。魔族と天使族による世界大戦が起こる際に、人族などはどちらにつくか選択を迫られ、戦争に参戦しなければならない。ここレイジーでは現在国を守れるほどの国力がないため、勇者に防衛の一旦を担ってもらうべく召喚されたとのことである。


説明を受けて、とりあえずなるべく敵対されないように質問した。


「ハァ……。なんともいい迷惑ですね。ちなみに元世界に戻る方法はないのでしょうか?」

「ないことはない。ただ帰還方法は魔族か天使族の上層部しか知りえないことである。故に人族の勇者が帰還するにはどちらかに加勢し、戦果を挙げなければ教えてはくれないだろう」


正直、俺自身はこの国がどうなろうとこの世界がどうなろうと興味はないが、断ればおそらく殺されるかもしれないよな。何せ王様の顔つきが怖すぎるって。こ、怖えよ……。


「わかりました。とりあえずは勇者としての任をお受けいたします」

「うむ……よろしく頼むぞ。そういえば色々あったためそなたの名を聞き忘れてしまったな。名を何という?」

「はい、天海あまがい 雅人まさとといいます」

「それでは、雅人殿詳しい話はこちらでしよう」


そう言って、応接室のような狭い部屋に移動するよう促された。

王様とその側近とともに挟まれ話が始まる。


「さて、それでは雅人君には世界大戦が起こった際には、先頭で戦ってもらわなければならい。故に強くなる必要がある」

「具体的には、何をすれば良いのでしょうか?」

「まずは、この町の冒険者ギルドに行き、冒険者ランクを上げるのだ。国民はこの不安定な情勢に憤りを感じている。そこで勇者としての威光を示してほしい。つまりはこの国のために働き税金を納めていただく」


えっ、マジかよ‼……。だる……。っていうか何、異世界来てまで税金納めんの?普通勇者ってそういうのって優遇されんじゃないの?

そう思いつつも口に出して首を切られるのも怖いため、とりあえずは支援金などを貰って退散しよう。そもそも初対面の人に全裸見られたのにこれ以上はここにいたくないわ。


「わかりました。それで援助みたいなものはあるのでしょうか?」

「いやそんなものはないが?話は以上だが」

「……。」

「……。」


支援が受けられないということに唖然としている俺をみながら王様は微笑んでいた。ただ目は笑っていない。


仕方なく、俺はその場を後にした。


城の廊下を歩いていると、鮮やかな桃色のドレスを身にまとった美少女が歩み寄ってきた。


「これは、えっとー…、全裸の勇者様。初めまして、私はレイジー国第一王女のユーイ・デオポルトと申します。以後お見知りおきを」


そういえば召喚されたときに王様の隣にいた人だと思い出した。

こんな可愛い子に自分の息子が見られたかと思うと死にたくなるな。というか、全裸の勇者様ってなんだよ!全裸〇督かよ……。


「初めまして、天海雅人です」


一応自己紹介をしておく。

それにしても、このお姫様は可愛いな。というより俺が転移前に体を重ねていた風〇嬢に少し似ている。とは言ってもこのお姫様の方が子供っぽいけど。


「雅人様は、これから城外に出るのでしたら、街外れの方にギルド商会や武器屋などがそろっております。そちらを利用してはいかがでしょうか」


「あ、ご親切にありがとうございます。まずはギルド商会に向かってみたいと思います」


そう言って、王女様を後にして俺は街外れのギルド商会へ向かった。


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