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コジャレた店に着き、
店内に入ったタケルは、
立川先輩を見つける。
二人で、ディナーをともにした。
フルコースで、一通り料理が出て、
立川先輩は、ワインを飲んでいた。
タケルは、バイクで帰るから、
酒は飲まなかった。
己のグレープフルーツジュースをおかわりすると、
タケルは、立川先輩に述べた。
「今日は、鞍川さん、来なかったんですね?」
立川は、
そんな、タケルに言った。
「今日は元々、彼は来る予定は、なかった…。おまえ、俺と会うとき、鞍川が来る、来ない、本当に聞かないもんな……あっちは、おまえのコアなファン……いや、味方であり、敵でも、あるのかな…?」
タケルは、シラフだった。
それでいて怪訝に聞いた。
「先輩、何ですか?その言い回し……」
そして、続ける。
「鞍川さん、以前は全く話さない人だったのが、最近では、僕ら三人で会うとき、よく話すし、笑うし、僕も気心の知れた人が先輩ひとりだったのが鞍川さんも増えて、内心、ホント嬉しいんですよ♪」
そんな、タケルに、
立川先輩は、
「…あっちは、どうかな…?」
と、また意味深な言いぐさなので、
タケルは、
ちゃんと言ってくださいよ、
鞍川さんが何なんですか!?と思わず、語意を強めた。