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46話

彼の前方に飛んでいったボールが私たちの内野に。それでも諦めきれなかったのか、彼がこちらの陣地まで滑り込んできた。


空を舞うボールが向かった先は、沢西(さわにし)の胸元。


「……」


時が止まったかのように感じられる静寂。


「……俺たちの勝ちだ!」


それを最初に打ち破ったのは激闘を制した沢西だった。


「っ……」


言葉が出てこないのか、相手チームのリーダーは地面に突っ伏したまま顔を上げない。けれど、そのままの体制で口を開いた。


「ほっ……」


……?


「ほっ、本番は絶対に、勝つ……覚えとけ――いくぞ、お前ら」


そう言って彼が歩き出すと、相手チームの他の子たちも彼の後を追う。


「すいません。ボール、貰ってもいいですか……?」


「あ、うん」


沢西からボールを受け取った彼も「ありがとうございます」と一言発したあとにチームのもとへ駆けていった。


「アイツ普通に強かったなー……」


沢西が彼らの後ろ姿を眺めながら独り言のように呟いたので、反射的に問い返す。


「キャプテンの男の子?」


「うん」



「沢西、最後とかボール独占しすぎでしょー」


いつの間にか私たちのところまで戻ってきていた咲島が呆れていそうな表情で言った。


「あ……そいえば最後とか俺とアイツでずっとボール持ってたな……」


そう言って、なぜか沢西が私のほうに身体ごと向けた。私が疑問に思う間もなく、彼が口を開いた。


「すまん! つい熱くなっちまってボール渡すの忘れてた」


「あ、いや……全然大丈夫だよ」


あそこで私にボールが渡ってきたところで、たぶん慌てちゃうだけで何も出来なかったと思うし……。


「まあ? 沢西がいたことで勝てたって事実は認めてあげてもいいけど?」


「そうですわね」


咲島(さきじま)の言葉に姫川(ひめかわ)さんが同調した。


「ちなみに、水口(みずぐち)はドッチボールは苦手?」


いきなり咲島に話を振られたからか、悠斗(はる と)くんは少し驚いている様子。


「……わかんない」


「そっか――みんながよければだけど、さっきの試合の反省点も兼ねてもうちょっと練習してかない?」


「いいなやろうぜ――――!」


その問いに真っ先に答えたのはやはり沢西だった。




球技大会前日。ベッドに入り部屋の電気の明るさを落とそうとすると、スマホからSNSアプリ『Rine』の着信音が鳴った。


「だれ……」


重たい目を擦りながら布団を剥いで身体を無理やり起こす。机に置いてあるスマホを手に取り液晶画面をタップすると、Rineをしてきた人物の名前が表示される。


「……えっ!」




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