見たこともない声を求めて
きっと面白くはないんだと思う
見たこともない声を求めてぼくは今を生きている。
感じたことのない景色を感じるために探している。
親族に障害だと呼ばれた私には大きく深く傷が付いたが、振り返ってみればおそらく自分は生まれたときからそうなのだろうとも思う。
障害がどうとかそういうことじゃない。
思っていたことを明かされなかったことと、家族を言い訳に苦しんでいた自分が許せないだけだ。
罪かどうかで言うのなら、一見して罪には問えなくともあらゆる罪悪を漁ればこれに罪の名前を付けることもできるだろう。
家族という言い訳を失くした私は今、消えることのない不安の渦の中に置き去りにされている。家族に助けを求めれば助かると思っていた。彼らは手放しはしなかったけれど、結果として私は姿勢を保つこともままならずに真っ逆さまに突き落とされることになってしまった。
愛されることを望んだ。愛されるよう努力をしたこともあった。愛されるよう嘘を付いた。
そしてそれらは全て私に怒りとして跳ね返っていたようだ。
私を確かに愛してくれたあの子のことを信じられなくなってしまった。きっかけは不安の渦に脚を取られ始めてからだが、一番はあの子を愛し続ける自分を信じられなくなってしまったからだ。
突き放すように手放してしまった。今も後悔している。けれど、安心もしている。楽だとも感じている。そうしてもっと自分を嫌いになる。
見たこともない声を求めている。
感じたことのない景色を求めている。
自分以外への罪悪も不快で底の見えない逃れられない不安の渦からも、自らを取り巻く全てから目を背けるために
見たこともない声を求めている
また同じ過ちを繰り返すに決まっているのに
それでも書きたくなった