第二十三話
ネタ回です。
後書きもネタです。
文化祭。それは学生の狂乱する祭典と言える。普段日陰にいる学生がそこから脱し日向、ないしは太陽にまで突入するような祭典だ。たいてい日向にいる学生はその調子のまま狂う。だが、一般的な文化祭ならばおそらくクラス単位で考えれば準備する方が楽しいだろう。そもそも、文化祭で校内を解放し露店をやる方がマイノリティだ。逆にマジョリティーは鑑賞会と化す。それぞれが準備してきた出し物を。
その場合日陰、日向問わず楽しむことが出来るであろう。日向者がだんじょで見苦しいような胸焼けするような物を大衆は見る必要がないからだ。だが、校内を解放し露店をやる場合はその限りではない。
男と女は一緒に校内を巡る。お化け屋敷や喫茶店、劇鑑賞をしに行く。まだ、これは理解できるだろう。だが、超少数派には一夫多妻制を実現したものもいる。女は男のために精一杯出し物に精を出す。そして男はそんな女の姿を見に当日は練り歩く。男は精を出したりはしないのだ。ただただ見ているだけ。
そんな姿を見る日向者は「アイツまたやってんなぁ」と思うだけだろう。だが日陰者はこう思う。「リア充爆発しろ!」と。rzbh だ。これにも意味がある。orz という言葉を知っているか?それは人が膝と手を床につき頭を垂れ下げている。だがこの rzbh は o がない。マジでorz の頭部を爆破した結果があの造語とも言うべき物なのだ。bh?知らない子ですねぇ。
とにかく言いたかったことは日陰者は太陽にまで行き狂乱したところで激しい嫉妬心に苛まれると言うことだ。そしてこのクラスには超少数派が存在する。その名は王野覇嶺夢だ。あだ名は KING OF HAREM の頭文字をそれぞれ取って KOH だ。このクラスの日向者、陽キャはまたやってんなぁアイツと冷ややかな目をする。だが、そもそもソイツらには盛る相手がいる、だから冷ややかな目をしつつもあまり興味がない。
しかし、隠キャにはそんな相手など存在するはずもない。つまり、呪いの言葉を日々並べまくっている。様々な陰口を日々1秒たりとも欠かさず考えている。
例えば、フランスで与えられる称号にちなんで種馬リエだったり、「槍で世界をやり直すんだ!(槍だけに!)」で有名なお方にちなんで神の子であったりする。ちなみにここで言う槍とはあの槍のことだ。決してそのままの意味で捉えてはならない。
等のKOHと言えばこんな陰口を言われていることには気がつかない。好きな女のことは体の隅々まで知っており、一言一句聞き逃すことなどないのにも関わらずだ。いかにも都合の良い耳である。これが主人公なのだろうか?いわゆるなろう系と言う奴なのだろう。
そんなKOHの女達もなろう特有の女だ。チョロインだらけなのだ。そして他の女に対しても疎んでいない。人の血が通っているのか心配になる程個性がない。強いて言うならとてつもなく可愛く髪の色がバラバラと言う点だ。
そして、それでもその状況を望む隠キャは多い。だが、ジャックはその枠には当てはまらない。ジャックはそんな低俗なことを考えていないわけではない。一時期そんなような妄想をすることもしばしばあった。だが、今では現実を見ているのでそんなことはないと思っている。自分には外見がパッとせず、精神面でもナイーブだと自覚しているから彼女が出来ると言ったことはゼロだと思っている。限りなくゼロに近いではない。可能性がまったくないのだ。
なのでそんなジャックからしたら蔦根の話など授業時間が減る程度にしか考えていない。そしてそれを憂いている。極論を言えば狩人に学は必要がない。だが、それと勉強をしないことは違うとジャックは考えている。勉強とは考え方を学ぶことだ。即座に役に立たないことが多いが長期的に見れば、役に立つ。それをこの年齢で分かっているからこそ勉強に励んでいるのだ。
「は?どうでもいい。分かったら静かにしていてくれ」
「え!?ちょっと待ってよ!文化祭だよ?一年に一回しかない貴重なイベントだよ!?」
「人生は一度。チャンスは一度。この一瞬も一度しか体験できないんだぞ?日常と変わらないよ」
「格好つけているなコイツ」と思った読者も多いことだろう。現に作者なんかは「このマセガキが!」と思っている。だが、これがジャックの本心だ。信じられないかもしれないが実際にそうなのだ。老人でも培われないような価値観をジャックは持っている。そして、それを蔦根はおじいちゃんかな?と思いつつもそうやって平然と言ってのけるジャックがカッコよく目に写っていた。
「え?おじいちゃんみたいなこと言うね」
だが、照れ隠しもここまで来るともはや脱帽ものだ。普通のツンデレとは違い一部でしかないものの思ったことを言っているのだからまた面白い。等のジャックはと言えば自分の言ったことがくさ過ぎて顔が真っ赤になる程恥ずかしくなっていた。そして、それを誤魔化すように蔦根から目線を外し気を紛らわすために数学の問題へと取り組むために思考を切り替えていた。
蔦根がそうやって逃げるジャックを取り逃したことなど一度もない。だから次の言葉を放った。
「ま、そんなことはどうでもいいや。それで波山君さ、当日もし回れたら一緒に回ろうよ」
こんなことを誘うならそれはもう好きって言っているようなものだろう。それを蔦根も理解しているのか顔がほんのり赤くなっていた。だが、思考を妨げられ若干不機嫌になりながら顔を見せはしないものの誠実にこう答えた。
「いいぞ」
ジャックはそう言った。これは蔦根の好意に気付いているとかそんな理由ではない。ジャックは鈍感だ。そんなことに気付くわけがあるまい。ジャックは勘違いをしたのだ。蔦根が一緒に周る相手がいないので自分を誘ったと言うことを。そして、蔦根のことを哀れな者を見るような目で先のことを言ったのだ。
そんなことはつゆ知らず蔦根は大喜びで自分の席へと戻っていた。内心でしかその喜びを表していないためジャックに伝わると言ったことはよほど先になると思われた。
◇◇◇
「じゃあ先生の話を始めるぞ。教科書とか閉じろよ。閉じたな?じゃあ始めるぞ。あと一ヶ月と少ししたらお前達が楽しみにしているであろう文化祭が始まる。当然、このクラスでも何かやらなければならない。それを今日は決めようと思う。級長、後は頼んだ」
概要だけを説明した担任は後ろへと行きクラスのロッカーの上に腰を預けた。他の先生に見つかれば苦言を呈される姿ではあるが本人はそんなことを気にしたような様子もなくそのままクラス全体を眺めた。
「じゃあ僕と清野浩子さんが司会をするよ。じゃあ僕たちが出し物をする上での禁止事項を説明するね」
このクラスの級長はKOHこと王野覇嶺夢とその愛人の一人である清野浩子だ。まぁち近い。距離が近い。近いではない。ゼロ距離だ。普通、複数愛人がいる奴はそんなに近くにいると怯えるものだろう。KOHも元は隠キャだ。そう言うアニメを見たことくらいあるだろう。九又して子供を孕ませた挙句、病院を紹介するクソ野郎をヒロインの一人が刺し殺す最終回が放送中止になったあの伝説のアニメを。確か題名は学校関連だった気がする。内容はそれにまったく相応しくないのだが。
「出し物には制限があるんだ。一つ廊下を使ってはならない。二つ出し物は生徒会が支給する予算内で収めること。三つ精一杯楽しむこと。僕達の生徒会長からの禁止事項だそうだ。これを守った上で他の人に楽しんでもらえるようなことをしたいと思う」
僕達のと言う言葉は一見正しい。だが、実態を言えば9割KOHの物だ。既にズブズブの関係だ。それはもう。だから予算に関してはまったく心配はない。そして、廊下を使わないことは当たり前だし、精一杯楽しめる内容に関してはまったく問題ない。これは出来レースと同じだからだ。
このクラスにはカップル3組、彼女もしくは彼氏持ちが3名、KOH軍団はなんとKOH自身を含め7名にも及ぶ。伊藤と名乗る不誠実で間の物しか正直ではない男もビックリだ。ちなみにKOH軍団は14名にも及ぶ。どうやって捌き切っているのだろうか?
リア充は基本、自分のクラスの出し物よりも他のクラスを彼氏ないしは彼女と周る方が楽しいに決まっている。つまり、KOHが選んだ物に票が行く。そしてこの時点でKOHは過半数を獲得している。
これに風穴を開けるような者は存在しないだろう。案の定、KOHが提案したコスプレ喫茶で決まった。
そして次の時間も使って具体的な内容について煮詰めていくこととなった。
下心丸出しだぞ!KOH!
〜転生したらKOHだった件〜
俺はKOH!前世の名前を思い出せない。だが、ある日誰かに急に殺された気がしたんだ。確か腹部に攻撃をされた。まぁいっか。今世では自重しないぞ!しっかり人生を楽しむんだ!
◇◇◇
ふぅ〜今日も疲れた。出し過ぎたなぁ。って清野からメールだ。
『私子供産んじゃったの……それでこの子を育てようと思うの』
うわ!マジか!どうしよう!仕方ない!
『俺の友達が病院の先生なんだ。その子から病院を紹介してもらうから治療して』
フッフッフ、これなら大丈夫だぞ!
◇◇◇
「どうしたんだよ清野。急に。ッて!ウッ!痛いぃぃ!あづいあづいあづい!お腹がぁぁぁ!」
なんだよこれ……血?それにナイフ!?俺、腹を刺されたのか!?
〜突然、来る走馬灯〜
そういや俺、前世で伊藤誠だったんだった。次は自重しよ……。
清野と 目と目が合う♪
◇◇◇
今世の名前はまだ分からない。でも前世では俺不幸な死を遂げたそんな気がしたんだ。だから俺!止まるんじゃねぇぞ!希望の花!咲かせよう!そのために盛ろう!
以下ループ( ^ω^ )




