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怪化物  作者: 平生
第一章
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第十三話

 メタルは決してリッパーから1秒たりとも視線を外してはいなかった。だが彼は結果としてリッパーの攻撃を避けることは叶わなかった。


「ヒッヒッヒィ。アァ自由ってのハァ素晴らしいもんだナァ。こうして強者との戦いも自由にできるんだからナァ。マ、コイツは雑魚だったけどナァ!だが、ここにはクソピエロがいやがルゥ。そいつで鈍った勘でも取り戻すとしようカァ」


 以前、ジャックの肉体を通して復活を果たした時のリッパーでは強力な怪物との激戦をすることは不可能だっただろう。だが、一月間、怪物を倒すことで強化されたジャックの肉体と前回よりもジャックの肉体に適応することができた今のリッパーでは彼の望む強者との戦いの土俵に立つには十分だろう。


「チクショウ……が。俺はまだ……終わってねぇぞ!」


「ハァァァァ。テメェまだ生きていやがったのカァ。テメェみたいな雑魚に手間取っている暇ねぇんだゾォ」


「ハッ!残念だったな!」


「やめとけヨォ。テメェも満身創痍ってやつだろうがヨォ。諦めて俺様に殺されとケェ。ハッハッハァ」


 リッパーの言う通り、メタルの体力の消耗は激しかった。元々、メタルはそこまで怪物因子が強いわけではない。短時間に2回も超速回復を行えばまともに立つことすらままならないだろう。


 だが、メタルの精神は身体とは違い、未だ燃えたぎっていた。メタルは自分の死地をここだと定めた。希望的観測でリッパーに勝てるとは思っちゃいない。それほどにリッパーの先制攻撃は凄まじかったのだ。しかし、ここで食い止めなければブレードもリッパーに殺されるであろう。それだけは避けなければならない。死んでも殺さなければならない。


「俺はなぁ!お前に勝てなきゃいけねぇんだよぉぉぉ!」


「カッカッカ!面白い!覚醒するのか!ここで!」


 メタルは今まで自分の身体しか鋼鉄化ができなかった。だが、彼の強い思いがその枷を取っ払った。今のメタルは周囲の鋼鉄化、操作が可能となった。


「死ねぇぇぇ!」


 周囲を急速に鋼鉄化。からの無数の槍状にしてリッパーへと放った。それには隙間が存在せず、凄まじい速度でリッパーへと迫る。


 ピエロでは完全に防ぐことは不可能だ。そして阿修羅ならば奥の手を切らざるおえない、メタルの思いによって引き起こされた覚醒はそこまでのものとなった。


「残念だったな。テメェと俺様じゃあ相性が悪すぎた」


「クソが!」


 怪物因子には相性がある。それは火と水、幽霊と格闘のように勝率が全くないような相性と言うものはほとんど存在しない。だが、この2人の場合は違った。


 メタルの攻撃は物質に働きかける、いわば固形物を操る能力だ。だが、リッパーの能力は機体を自由自在に操る能力。彼はその能力を使い、自らの肉体を気体化させて攻撃を透けさせたのだ。


「そもそモォ、お前は覚醒したばかりダァ。能力も捻りがねぇんだヨォ。そんな奴に俺様が負けるわけないだロォ」


「うるせぇんだよ!俺はぁ、俺は負けられねぇんだ!お前だけは差し支えても必ず、殺す!」


 メタルの思いが強まるように、さらに槍の攻勢は強まっていく。この影響で周囲の建造物は跡形もなく砕け散り、多数の人間が死んだ。もし、この中に阿修羅がいたのだとしたらこんなことにはならなかっただろう。だがIFの話をしても無駄だ。


 それに阿修羅がこの場にいてもそこまで事態は好転しなかったであろう。自分が助かることを第一に考え、その次に大勢を助けるためのリスクを考える阿修羅にとってはここで奥の手を使うことなどあり得ない。それに、怨霊の大半はメタルの範囲攻撃を耐えられないほど弱いため阿修羅とメタルは水と油とでも言うべき能力だった。


 そんな攻撃もリッパーにとどきはしなかった。霧と同化した彼の肉体に傷を付けるとなると、物質による攻撃からは脱却する必要がある。だが、自分の力の全貌も分からないメタルにとっては無理な話だった。


「ハァハァ……クソが……」

「だがなぁ。お前が霧を操るんだったら今の俺に攻撃を与えることなどできやしねぇんだよ」


 そして、そんな攻撃を放ち続ければ短時間で体力の底が見えることなど分かりきったことだった。あと、少しの時間でも同じ攻撃を繰り出せばメタルを覆っている鋼鉄は崩れ、隙を晒すことになり、リッパーに殺されてしまうだろう。かと言って、このまま現状維持を図るにしても常時鋼鉄を纏っているため、いずれ底が尽きる。まさしく八方塞がりであった。


 この状況では鋼鉄の槍を放つことをやめ、ジャックとリッパーの契約条件である1分間を凌ぎ切ればいいわけだが、精神世界で起きた契約の内容をメタルは知らない。

 

 だが、それはリッパーにも言えることであろう。本来の人間の姿を捨て、霧と同化することは普通に考えれば途方もないエネルギーを使うことになる。いくらリッパーが強かろうと体力には当然、限りがある。そのことを考えてメタルがとった行動はリッパーの体力が尽きるのを待つと言う安易な選択をしてしまった。


「お前だって体を霧ににしているんだから結構体力が減って来ているはずだ。それにお前の能力は霧を操るだけ。お前に勝ち目はないんだよ!」


「確かにそうだナァ。コイツの体がいまだに弱いせいで俺様の体力の減りが思ったより早イィ。それに、霧だとテメェの鋼鉄の鎧を破れないのもまた事実ダァ」


「降参しろ。今降参したら命までは奪わn!」


 メタルが言葉を詰まらせた時、彼の口からは血反吐が飛び出した。その後、足がふらついた後纏っていた鋼鉄が解けドサって言う音を立てて倒れた。


「どうやって攻撃をしたんだ……何をした……」


「俺様は確かに言ったゼェ。テメェの鎧は破れねぇってナァ。ならば破らなければいい話じゃねぇカァ」


「鎧を破らない……だと……」


「アァそうダァ」


 リッパーの能力は総力戦になれば足を引っ張るのは自身の肉体、ジャックの身体能力であろう。だが、ジャックと違い怪物因子は己自身の物だ。当然、ジャックより圧倒的に熟達している。そんな彼だからこそ鎧にぶつからないようギリギリまで気体化させ、当たる瞬間のみ固体化させるなどと言った芸当ができたのだ。


「わけわかんねぇ……」


「テメェは俺様に負けタァ。それだけのことだゼェ」


「チクショウ、チクショウ、チクショウがぁぁぁぁぁ!!!」


「ハッ!潔く死にやがレェ」


 そう言って体から常に発生している黒霧をどこからともなく持ち上げ、鎌状にすると振りかぶった。その姿はまるで執行者のような、死神のようにも見えた。


「最後に言い残したことはあるカァ?」


「頼む……ブレードだけは見逃してやってくれ……」


「ホォ……ま、考えといてやるヨォ。そいつが弱けりゃそれまでダァ」


「チッ……クソ野郎……が……」


 そう言ってメタルの心臓が止まり大事なものまでこの世から去っていった。


1分間?って思った人いるかな?

ウルトラマンと一緒だと思ってもらえばいいです。


友人に抜かれたよ。悔しいな。何がとは言わないよ。

(↓チラッorz)

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