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題三話Aコース


「ここはやっぱり男らしく正面から行くしかないでしょ」


岡崎君は力強く言い出した。


「よし。それでは正面から叩き潰すぞ。その前に副長。会計は済ませておいてくれ」


副長金田君は不思議そうな顔をしていたが素直に会計を済ませた。すまぬな必ず後で払うから


な。


「俺に続けえ」


俺たちは立ち上がり不良たちの所へと向かった。不良たちは皆、髪を茶色に染め、ピアスをし、


ブレザーではあったがダボダボに着ていた。


 彼らは俺たちに向けて敵意の視線を向けてきた。腐った魚のような視線だ。正直俺は怖かっ


た。


「なんだあ。お前らあ」


タラコ唇の男が言った。


俺は恐怖を抑えつけ言った。


「お前らの悪行は聞かせてもらった。我々は「新鮮組」である。京の治安乱すものは許さん。成


敗してくれる」


俺は予め確保しておいた胡椒を不良たちにぶちまけた。そして、不良たちが怯んだ所に一番近く


にいた出っ歯の不良に殴りかかった。



ボフゥ



確かな手応えを俺は感じた。


「よし、逃げるぞ。撤退だ」


「え?」


副長以下は驚きの声をあげた。


「待てや。お前ら」


不良たちの叫びが聞こえたような気がしたが俺たちは無視して走った。俺たちは風になった。


走って走って走りまくった。


「よ。よし。ここまでくればいいだろ」


俺たちは公園で休むことにした。


「しかし、なぜ逃げたんでしょうか」


副長が聞いてきた。


「いや。あのまま戦闘を続けたらお店の迷惑になるではないか。かつての池田屋では暴れまくっ


てお店を傷を付けたではないか。私はそれを回避するためにあえて、適当な所で引き上げて来た


のだよ」


俺はそう言うとなんだか副長の顔が青ざめているように見えた。


「どうした。金田君。いや副長よ。青い顔などしちゃって流れ胡椒にでも当たったか」


副長は俺に向けて指を向けてきた。俺には何もついてないぞ。まったくどうした。


「う。後ろ……」


「ん。後ろだと」


振り返って見るとさっきの不良たちがいた。


「あれま」


なんと先ほどの不良たちがいたのであった。


「じゃあここでなら俺たちと思いっきり相手してもらえるんだな」





「……」


それから後の記憶はなかった。


これが池田屋事件の終焉であった。


ジ・エンド


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