11話 部活プロジェクト!?完
「ちょっと!どういうこと!?」
「ど、どうしたんだ?」
放課後、屋上にて。
楽部一行(俺、栞、日向、東さん、沢くん)は『第一回楽部会議』として集まっていた。
そして、栞はめっちゃ怒ってる。
「この男!出会ってそうそう口説いてきたんだけど!」
「あぁ、日向のことか。ま、そういう奴だ。」
「こんなんと一緒に部活やるとか無理なんだけど!」
日向はボコボコにされて横たわっている。
「てか、この子も誰?」
「私も気になってた。」
栞と東さんは揃って指を指す。
「沢くんだ。」
「さわ……くん?」
「はい。2Fの沢田准です。」
「じゅ、じゅん?」
栞は何故か困惑している。
「男?」
「はい。男です。」
「お……とこ……パタ」
栞は何故か失神した。
「おいおい、冗談はやめてくれよ。莉久。」
いつの間にか起き上がった日向が口を広げた。
「何がだよ。」
「どう見ても女の子だろ。まさかお前!?」
何故か日向は引くような仕草をして、東さんにこしょこしょ話をしている。
そして、東さんも引いてるような目線でこっちを見てくる。
「莉久くん、あなた破廉恥ってやつね。」
「何がだよ!?」
「そういうプレイが好きだったなんてね。」
「何を教えたんだ日向!」
なんで俺はみんなに敵対意識を持たれないといけないんだ。
「女版おとこの娘ってやつだ。」
「そんな趣味ないわ!」
チラッと沢くんの方を見る。
上目遣いでこっちを見返してくる。
あ、なんかかわい……ダメだ。こいつは男だ。
「とにかく沢くんは男です。そして、俺も正常な人間です。」
「そうです。花くんは正常位が好きらしいです。」
「なんでそうなった!?」
慌ててみんなの方を見ると、またまた引いている。
「莉久くん、やっぱり破廉恥ね。」
「誤解だー!!」
こうして第一回楽部会議は新部員歓迎会ではなく、俺を弄りまくる会となった。
「……お……とこ……かわ……いい……」
この人は後々治療が必要だな。
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「どうした?花宮。」
俺はあの会議の後、天草先生の所に来ていた。
「部活を辞めます。で、部活を作ります。」
天草先生がカタカタいっていたタイピングをやめて、ぬくっとこっちを向いた。
そして俺の顔を見て、ニッコリした。
「いいんじゃないか?」
「え?」
意外な答えに俺は狼狽えてしまった。
断られる気満々だったんだが。
「ほんとに良いんですか?」
「何よ自分で言ったくせに。」
「あ、すいません。」
「はいこれ。」
先生はそそくさと紙を1枚取って俺に渡した。
「必要でしょ?申請書。」
「あ、ありがとうございます。」
「私が校長に話通しとくから、頑張れ。」
なんで先生がこんなに優しいのか分からなかったが、とにかく部活を作れる可能性が高くなった。
「ありがとうございます!」
ペコッと一礼して俺は職員室をあとにした。
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案外楽部は早く作れた。部室が決まり、荷物を移動し、顧問は天草先生が吹部と同時に楽部を持つことになった。楽部は始動可能状態になった。
「どうして、こうなった。」
あの会議から一週間経って、部室にはみんな集合していた。
「俺の趣味だ。」
日向が自慢げに口を開く。
部室には異様な空気が広がっている。
なぜかと言うと、この部室には色々なアニメキャラクターのポスターがびっしり敷きつめられているからだ。
「流石にこれはちょっと……ね。」
東さんもちょっと引いている。
「そうね。せめて2~3枚にしておきましょ?」
栞も東さんに賛同した。
「これ……パリッ美味しいですね。……パリッ」
沢くんはポリポリと煎餅をほうばっている。
「よし、大掃除だ!」
「「「「おー!」」」」
日向以外はやる気満々だ。
「ちょっ!まだ年末じゃないぞ?なぁ……って話聞かねー!」
俺達はペリペリとポスターを剥がしていく。
「せめて、優しく、ね?」
日向は泣きながら俺の腰にしがみついてくる。
それから数分経った。
「ほい。」
束になったポスターを日向に預ける。
日向はそれに抱きついた。
「これが真のオタクってやつね。」
栞は呆れたようにため息を吐く。
「なんか、破廉恥ね。」
東さんも呆れているようだ。
てか気に入ってるな、そのワード。
「それにしてもスッキリしたね。パリッ」
沢くんはいつまでも煎餅を食べている。
どこから出てるんだよその煎餅。
「みんなも少しだけなら自分の荷物とか趣味のものとか置いてもいいぞ。」
現に今、ポスター1枚だけ壁にくっついている。
「うーん、そう言われてもなぁ。」
みんな悩んでいるようだ。
まぁ、俺も趣味ないしな。
「とりあえず、今日の部活は解散ってことで。」
パシャ!
「うわっ!まぶしい!」
解散を促した時、俺に向けてカメラのシャッターを切られた。
カメラを持っているのは東さんだった。
「これから『楽部』の写真を時間をかけて撮っていこうと思うんだけどだめ、かな。」
東さんは上目遣いで俺を見つめてくる。
「う、いいんじゃないか。」
「おっけー!」
パシャパシャと東さんはどんどんみんなの写真を楽しそうに撮っていく。
満面の笑みだ。
彼女の笑顔は、見てるとこっちまで嬉しくなってくるような不思議な力がある。
「なぁ、提案があるんだ。」
俺はみんなに向かって口を開く。
「なんだ?」
いつの間にか元に戻った日向が答える。
「明日は土曜だろ?だからみんなでどこかに出かけないか?」
せっかくの休日に部屋でずっとスマホをいじるのは充実しない。
「おー!いいなそれ!」
「うん!うちも行きたい!」
「私も私も!」
意外に好評だった。でも……
「沢くんはどうだ?」
1人、落ち込んだように顔を下ろしたやつがいた。
「……うん。いきたい。」
少し弱い声でそういった。
「よし、どこにするか。」
みんなで行く場所を決める、こんな楽しいことはない。
「だったらあそこ行くか。」
なんかもったいぶる言い方で日向が目を瞑っている。
「どこだ?」
「それは……」
「それは……?」
「海だ!!」
「「「「海!?」」」」
読んでいただき、ありがとうございます!
次話投稿、楽しみにしていてください!




