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僕が恋した白い肌。  作者: RYO
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9話 部活プロジェクト!?4

「私は今日からあなたの部屋に同棲させてもらうのぉ!」


 何言ってんだこいつ。なんかモジモジしてるし。


「それは無理があるだろ。」


「な、なんでよ!?」


「こっちがなんでだ!?」


 なんで同棲するのが当たり前みたいな風にいってくるんだ?


「え?なに!?思春期!?」


 栞は何だか楽しそうに目を輝かせている。


「栞は口を挟まないでくれ。」


 まだ東さんはえー、なんでー。という風に駄々をこねている。


「てか、なんで同棲しなきゃいけないんだよ!」


「えっと……なんて言うか……」


 東さんは俺の方をチラッ、チラッと見てくる。

 あっ(察し)

 これまでのこいつの言動や行動パターンを考えれば分かる。

 忘れたんだなこいつ。自分の家を。


「家の場所忘れた!」


「え!?どういうこと?」


 まぁ栞が驚くのもしょうがない。

 てかこいつ家忘れるとか前々から思ってたけど記憶障害かなんか知らんけど、重症じゃね?

 でもその不可思議な秘密を俺は知りたい。そう思ってしまった。


「家の場所を忘れるって、小学生でも忘れないぞ?」


「え?え?!」


 まだ栞は状況が理解出来てないらしい。でもなんかワクワクしている。


「うーん、家が大きかったのは覚えてるんだけどね……」


 東さんは金色の髪に手を当てながら、唸っている。


「いつ忘れたんだ?」


 その答えによってはこいつの秘密を知る手掛かりになりそうだ。


「えーと、それが、今日。」


「は!?」


 なんだよこの不思議な会話。こいつの頭ん中どうなってんだ!?

 今日忘れるってことは……


「じ、じゃあ昨日は家に帰ったのか?」


「うん。帰ったよ。……多分。」


 何だか答えが曖昧だ。これじゃ秘密を知るどころか、秘密が増えてしまうじゃないか。


「ね、ねぇ。私から一ついい?」


 栞は俺と東さんの間を手を挙げながら割り込んできた。


「?なんだ?」


「家の人とかは?住所とかも学校に残ってるんじゃない?」


 確かにそうだ。


「うーん、でも担任に話しても書類は残ってないしって言うし。うちの親は2人とも出張中だし……」


 何故親が出張中ってことは分かっているんだよ。てか、書類すらのこっていないってどういうことだよ。


「そっか……」


 栞はなん秒か顎に手を当てて考える仕草をした。

 そしてなにか閃いたように口を開いた。


「あずまっちが家を忘れちゃったのはわかったわ。」


 あずまっち……悪くない。


「でもなんで莉久の部屋に住むことになってるのよ。」


 ごもっともです。

 そして立て続けに東さんに向かって指を立てながら栞は言う。


「もしあずまっちが莉久に襲われても知らないわよ?」


「いや襲わねーし!?」


「本当に言いきれるの?」


「おそわ……ねーし?」


 襲いたくないって言ったら嘘になる。


「はぁ、これだから思春期発情期ドM変態高校生は……」


「なんか色々おかしくないですかね!?」


 ひどい仕打ちを受けたような。

 でも本当に俺の部屋に泊まるのはおかしい。


「んで、もしよかったらうちの部屋貸すけど?色んなお菓子あるよ。」


 女神ですかあなたは。


「本当に!?」


 東さんは結構嬉しそうに尻尾をブンブン振っている。

 これで俺も助かった。こちとら蒼弥先輩もいるから俺のメンタルが持たない。


「莉久くん!いい?」


 東さんはしかめっ面で俺を睨んでくる。


「な、なにがだ?」


「襲ってこないでよね!?」


「どうやったら襲えるんだよ!?」


 女子寮に俺がのこのこと襲いにいくってか?


「いや、莉久くんはMだから襲われに来る方か。」


「そこ問題!?」


 そんな言い合いをしていると栞が呆れたように口を開いた。


「ほーら!2人とも仲良くしてないで、早く中に入るよ!」


「「おー!」」


 俺達は3人揃って寮の中に入っていった。



 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「記憶喪失……なのか?」


 俺は寮室でずっと例の件について考えていた。

 蒼弥先輩はまだ部活が終わっていなくてこの部屋には俺一人しか居ない。

 ところで、だ。

 この東さん記憶喪失事件は俺の頭で整理したところ、3人の鍵を握る人物がいる。


 まず1人目。

 東 桔梗。この人はこの事件の最重要人物である。たびたび人が変わったように口調が変動するし、俺と言い合いになったことや、クラスの人との会話、仕舞いには自分の家の場所まで忘れてしまっているのだ。普通に考えておかしい。

 ただ、本人には自覚があまりないようなので普通に接しているが、東さんに隠された秘密を知るには後々問い詰めないといけない。


 そして2人目。

 田嶋 蒼弥先輩。この人は俺のルームメイトで約半年間俺と共同生活をしてきているのだが、最近様子が変だ。

 そもそも俺が先輩とルームメイトな時点でおかしいのだ。ずっと思っていたことだが、1学離れた人とルームメイトになっているなんて、学校の規則に反している。

 東さんと言い合いになった時もいきなり現れたし、急にビンタされておかしなことも言い出した。それに先輩は東さんの秘密を知っているような口ぶりをしていた。


 最後に3人目。

 天草 里莉さとり先生。この人は俺のクラスの担任かつ、吹奏楽部の顧問をしていて、俺と1番縁が深い先生だ。

 でもこの先生は蒼弥先輩と俺との共同生活を勧めた人であり、何故か今日の東さんも『天草先生に聞いてないの?』と天草先生の名前をだしており、なにか裏で関与している可能性が高い。


 と、俺なりにまとめてみたのだがどうだろう。

 栞や日向は全然いつも通りというか何も秘密が無さそうではある。


「まぁまだ時間はあるし、ゆっくり解決していけばいいか。ふわーあ。」


 眠くなってきた。

 でもふと俺は不思議な感覚に襲われた。


 ……あれ?ここ、どこだっけ?


 なんか、いまさっき見ていた景色となにか違うような。

 ん?あれって……俺の体か?


 と思いきや、いつの間にか俺の視点は元に戻っていた。


「なんだったんだ?今の。」


 怖い。俺はそう思った。最近俺に襲ってくる色んな不可解な出来事や、今の現象。

 何としてでも秘密を暴きたい。そう思った。

 いずれにせよ、まずはあと一人の部員を集めなければいけない。コミュ力皆無の俺も頑張ろう。


「夕食までまだあるし、寝るか。」


 そう言ってベッドに着いた。俺も疲れていたからか、不思議とするなり寝れた。




読んでいただき、ありがとうございます!

次話投稿、楽しみにしていてください!

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