神のミス
ワシは神じゃ、といっても、数ある世界の中の一人じゃが一応神じゃ。ワシはミスが多い。異世界という物はなかなか設定が難しいのじゃ。
今回もミスで4人も異世界に送ってしまった...だが実験として送るという事にしたお陰で他の神から叱られることもない。
神なのに叱られるとはどういう事?と思われるじゃろうが、神の中で一番若いのはワシなのじゃ。喋り方と見た目を変え威厳がある風に見せてるだけなのじゃ...
コンコン「僕だけど、入って良い?」
この声は、地球の神じゃな...神の中で一番の知略の持ち主であり僕っ子と呼ばれる奴じゃ。
「良いぞ、地球の神よ」
「うん!じゃあ、入るよ。おっじゃましまーす」
「相変わらず元気じゃな」
「そう?ありがとう!所でさ、異世界に送った人の情報を見たんだけどさー凄い人送ってるね!僕、ビックリしちゃったよ!」
「凄い?何の事じゃ?」
「え?知らないで送っちゃったの?ゴーレムに転生させた子いるじゃん、あの子とんでもない天才だよ!二十歳で世界一の大手企業の部長で一度見ただけで丸暗記出きるほどの記憶力!そしてあの人類が作った核兵器よりもヤバいAIに匹敵する知能!そんな子を送ったんだよ!」
「...知らなかったわい、妙に落ち着く速度が異常だったが」
「はあ、相変わらずおっちょこちょいだねーまあ、良いや!かなり良いデータが取れそうだよ!ありがとうね!そろそろ僕、帰ってデータを整理しとくよ!バイバイ!」
ドタバタと勢いよく出ていく彼女を見てワシは凄く後悔した。ワシの異世界がどうなるか、天才によって悪くなるか良くなるか、彼はゴーレムにしか興味が無い様じゃから、一先ずは安心じゃな。
本当にもうミスはしたくないわい。