死んだ訳
「おーい聞こえるかのう?」
どこからか声が聞こえる。誰の声だろうか?俺は声の聞こえる方を見る。そこには長い白髪白髭の老人が立っていた。
「あの、すみません。どなたでしょうか?」
「おーやっと気が付きおったわい。わしの名か?うーん、下界では色々な名で呼ばれておるから何と言えば良いのか...うむ!面倒だ。わしの名など、どうでも良い」
「...え?え!?と言うか俺生きてる!?」
「何を言っとる?死んでおるぞ。周りを見たらどうじゃ?」
老人の言う通り周りを見渡す。白い。そう白いのだ。
「って、ええええ!?ドユコト?」
「ふむ、簡単に言えば天国かのう。おぬしは、あの男に殺され此処にきたのじゃ」
老人の言葉が頭に入らない。死んだと言うが意識があり、こうして喋っている。それにこの老人下界とか意味不明な事言ってるし、どういう事だ?
「ふむ。混乱しておるのう、落ち着け説明するわい」
「ん?ああ、取り乱してすまない。説明してくれるか?」
「もちろんじゃ、落ち着くスピード異常じゃったがスルーするわい。まず、おぬしは殺された。あの男にな、そして天国言わば此処にきたのじゃ他の死者達がいないのは個別室の用な場所じゃからの。これで良いかの?」
「ああ、理解した。落ち着くスピードが早いのは気にするな。名前をまだ聞いてないのだが教えてくれないか?」
「名か...多すぎて分からんわい。簡単に言えば神じゃな」
「神...神!?大変失礼しました。この無礼をお許し下さい」
「ホッホッホ良いわい。言わなかったわしが悪い。それにおぬしに謝るべきなのはわしじゃ」
「どういう事でしょう?」
「おぬしが死んだ原因はわしだからじゃ」
「はい?今なんと仰いましたか?」
「おぬしが死んだ原因はわしじゃ、あのゴーレムは異世界の物でな、間違えてこの世界に落としてしまったんじゃ。そこで人に拾われ高くつくと思われオークションへ。そこでおぬしと同じく高めでつくと予想したヤクザと言う奴と抗争しおぬしが勝った。そこでヤクザに住所特定され殺されたという訳じゃ。ゴーレムは回収できたが、おぬしは助けられなかった。本当にすまない」
「成る程。そういう訳か...仕方ありませんよ。事故ですから」
「本当にすまない。此処でおぬしと話したのは理由がある。普通は死者と神が会話する事は禁止されている。じゃが、わしのミスで死んでしまった命をそのままにする訳にはいかん。お詫びとして異世界転生をさせてやろう。下界では流行りなんじゃろ?」
「お詫びだなんてそんな...でも、異世界転生ですか。何に転生しても良いんですか?」
「勿論、記憶持ちでな。」
俺が転生するのはこの話が出た途端から決まっている。そう!
「ゴーレムに転生させて下さい!」
主人公は大手企業の部長ですのである程度の落ち着く早さと言葉使いができます。ですが一瞬だけアホになる事があります。うん。残念ですね