現実の自分と夢の世界の自分
前作とは違う視点、表現、型から「現実」と「夢」をテーマにこの作品をつくりました。
楽しんでいただけたら幸いです。
僕は小学、中学生と年を登っていくうちにズルを覚えた。
いつの間にか僕は、宿題や課題、障壁から逃げるように、夢の世界にもう一人の自分を作り出していた。
夢で勉強するようになり、現実ではボーッと、怠けるようになっていた。
二重人格ではなかった。
現実の自分と夢の自分、二人で「僕」だと思っていた。
「僕」は夢の自分を制御できなくなっていた。
僕と夢の自分は反比例するように、性格が分かれていった。
夢の住人にとって、現実の世界は魅力的だった。それはそれは、やりたいことがたくさんあった。
食事や読書。旅行。恋。
しかし、現実を生きる僕は前向きでなかった。
夢の住人は、「僕」に生きてる価値を見出すことができなかった。
そして、
・・・変わろう。そう思った。
そこにあったのは、汚れた欲望などではなかった。
純粋な心から現れた素直な希望だった。
夢の住人に居場所を奪われ、僕はやっと気付いた。
現実がどれだけ広いのかを。心地良いのかを。そして、明るいのかを。
涙を流した。心から。悔いた、自分を。どうしようもない自分を。
ずっと僕だけが後ろ向きであった。希望を抱けなかった。
誰にも赦してはもらえなかった。
彼は、救われなかった。
僕は現実の世界を覗く。
もう、あの場にいた記憶はない。憧れの目で覗く。
しかし、希望の目ではない。
夢の世界から出たい、ただそれだけ。
光の渇いた、欲望の目をしていた。
こんにちは、こんばんは。だらだらです。
前作に引き続き「現実」と「夢」をテーマに書き上げました。
二作目もまた、ベッドの上でゴロゴロしながら構想を考えておりました。笑
一作目「現実とリアル、夢と想像」を見ていない方は是非読んでいただけると嬉しいです。