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プロローグ

壮大なファンタジーやSFの世界観を表現するのは、あまり自信が無いのですが、よく思慮して創りました。

ぜひ読んでみてください!

毎日12時投稿です。

西暦2050年、全世界は未曾有の危機に晒された。


超巨大小惑星、ディアボロスが分離を繰り返しながら、世界に散らばり落ちていった。


都市部に落ちたものは、街に巨大なクレーターを生み、衝撃波で建物や家屋をなぎ倒していった。

海に落ちたものは、津波を引き起こし、あらゆるものを飲み込み、洗い流していった。


政府は未曾有の災害を予測し、できるだけの人間を避難させたが、避難できなかったり、間に合わなかった人間は、被災し、命を落とした。


全世界で数億人、日本国内だけでも数十万の尊い命がたった一日で失われた。




その落星災で奪われた農作物や交通機関、工業といったあらゆるものの損失は、数十年で取り返すことはできないと予想された。


その上、被災者達の精神的苦痛は、数十年を耐えられる程、強くはなかった。


しかし、予想に反し、被害が少ない諸外国の援助や人々の努力のおかげで、主要な機関やライフライン、交通機関は急激な復興を見せ、3年程度で復活を遂げた。


しかし、人々が暮らす住居や家屋といったものの復興は、財政的にも、時間的にも、人員的にも、無理であった。




そこで、全世界の政府、一部の企業、研究機関が英知を結集し、ある技術を生み出した。


記憶操作と感覚操作だ。


記憶操作は、その名の通り、ある一部分の記憶を操作し、改竄(かいざん)や削除ができるシステムだ。


感覚操作とは、五感の機能を強化、発展、改竄することで、無い物をあるように見せ、ある物をより強く感じさせることができる技術だ。


この二つの技術を使い、政府は国民全員に嘘をつくこととなった。


具体的には、全国民一斉健康診断と称し、国民全員を集め、健康診断をするフリをして、落星災の記憶を改竄し、脳内に拡張現実極小端末、THW [The() Higher(ハイアー) World(ワールド)]を取り付けた。


非人道的と言ってしまえば、終いであるが、人々を助けるために行った行為である上、誰も記憶改竄をされたことを知っているものはおらず、順調に進んでいった。




THWを取り付けられ、目覚めた人間は、何も感じずに目が覚めた。


そこには、普段目にしていた建物や人が映っていたのだから。


しかし、その目に見える風景は機械が創り出した嘘であるのだが…。




………2055年。

THWの存在を、政府は公表した。


もちろん、少しの嘘を交えて。


実際には、生きることを楽にするマルチデバイスと説明された。


人の微弱な電気によって、半永久的に動き続け、非常に安心安全な代物だ。

その上、THWに存在するAIが、その人の好みや感情を読み取り、おすすめを教えてくれたり、他のTHWと接続することで、SNSや電話のようなことも可能だ、ということが説明された。


人々は、その最先端技術に驚き、瞬く間にTHWの有能性が理解された。


日本だけでなく、世界全土で広がったこの嘘は、何事もないように世界中の人々が利用することとなった。


2055年は、THWの元年だと、皆が歓喜した。




ここまで述べたTHWの技術は、世界の極々僅かな人しか知らない秘密である。


このことを知っているのは、携わった研究者と首相や大統領といった人のみだ。


しかし、その秘密に迫る可能性にあるものが一人存在した。


この事実は、世界の誰も、その当人すら、まだ、知る由もないのだが……。

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