神との出会い
「「おつかれー」」
「お疲れ様です!」
仕事が終わり気づけば時間は終電ギリギリのようだ。
(電車の音、たくさんの人、おれは東京に住んでいるんだ!)
青年は目を輝かせ、少しだけ暗くなり始めている新宿駅の西口で大きく息を吸った。
ほのかに香る春の匂いや都市ならではの排気ガスの匂い、二年前に自分がいた場所とは大違いだと再認識し顔がほころんだ。
突然青年の携帯が鳴った。
『未来にお前は必要だ』
青年は顔をしかめ迷惑メールに報告しようかと思ったが、指をスライドさせるとこのメールにはまだ続きがあることが分かった。
その下にはよくわからない文字の羅列が続いていた。
青年は不気味なメールに好奇心にかられよくわからない文字を見ていた。
やがて文字の羅列は無くなり青年は携帯を閉じた。
ふと前を見た瞬間一瞬でわかった。
(ここはどこだ?)
見たことのない路地裏、前も後ろも見る限り長い細道。
青年の背筋にさぁと冷や汗が流れ走ってまっすぐ直進した。
しかし、十分近く走り続けても景色は変わらないまま。
青年は近くにあったダンボールを下に敷き腰を下ろし携帯を見た。
もちろん圏外だった。
「もう良くないか?」
「えぇ~まだみたいよぉ~」
「全く、趣味が悪いんだから、、、」
体育座りで項垂れていた青年の頭上で声が聞こえた。
青年は顔を上げると3人の女性が立っていた。
そして1人の女性が前に出て言った。
「私の名前はヴェルダンディ。運命を司る神と言われてるわ。そしてあなたにお願いがあるの。」
「未来を助けて。」
青年はぽかんとした顔をして、ヴェルダンディと名乗った女性を見た。