第六章★信じる気持ち‐3ヵ月‐
『アミは最近、勉強を頑張ってるから昨日は疲れて寝ちゃったみたいだね。お疲れさま!今週でお互いテストが終わるね。終わってからアミの暇な日に会いたいな!返事待ってます!』
『じゃあ来週の日曜日は平気?』
『平気だよ!何時にする?』
『1時がいいなぁ。』
『いいよ!俺とアミの中間の駅を調べたら上野だったから上野駅で待ち合わせでいい?』
『うん。行ったことがないから迷っちゃうかも…。』
『俺も行ったことがないから迷いそう…けど、どうにかなるよ!アミの勉強の邪魔をしてごめんね。また明日メールする!あんまり無理しないでね。』
『ありがとう。おやすみ…。』
テストも終わり、あっという間に時は過ぎていった。
今日は日曜日…優貴に会う日。
朝早く起きて、化粧をしたり、髪の毛をセットしたりしていた。
このために女の子らしい可愛い洋服を買ったのだが…あまりにも似合わなかったので、いつも着ているボーイッシュな服装に変更した。
私は家を出る前に、お母さんに声をかけた。
「行ってきます!」
「ちょっと待ちなさい!誰と遊びに行くの?」
「クラスの友達。」
「アミ、7時までには帰ってきなさいよ!!」
(お母さん…嘘ついてごめんなさい。
出会い系サイトで知り合った人に会いに行くって言ったら、きっと家から一歩も私を出してくれないよね。
どうしても優貴に会いたいの…。本当にごめんね。)
良心がかなり痛んだが、優貴に会いたいという気持ちの方があきらかに勝っていた私は足早に駅に向かった。
12時の電車に乗り、『もうすぐで会えるね!!』とメールを送った。
しかし、30分経っても優貴からのメールは来ない。
(どうしたんだろう?)
少し不安になりながらも12時50分に上野に着いた。
待ち合わせの場所には優貴らしい人がいなかったので、まだ到着していないようだった。
何度も携帯電話をチェックしてみるがメールは来ていない。
(ずいぶん待った気がする。遅いなぁ。今何時だろう?)
時間を見てみると1時50分。
待ち合わせの時間から1時間も過ぎていた。
(私の顔を見て嫌になっちゃたのかなぁ?それとも、ずっと待ってる私を見て、どこかで笑ってるのかなぁ…マイナスに考えちゃダメだ!優貴は絶対にそんな人じゃない。)
私は、あと1時間だけ待つことにした。
優貴を信じて…。