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第五章★約束‐2ヵ月‐

優貴と連絡をとらなくなってから1ヵ月が過ぎた。

(優貴は元気にしてるかな?もう私の事なんて忘れちゃってるよね。)

私はいつも9時になると彼の事を思い出していた。

今日も彼との思い出に浸っていたら、あの聞き慣れた愉快な着メロが流れた。

(もしかして…優貴!?)

見てみると優貴からの着信だった。

(優貴からだ!メールは受信拒否にしてたけど電話を着信拒否にするの忘れてた…。これで最後にしよう。優貴の声を早く聞きたい。)

自分がどんなに矛盾していて自分勝手な事をしていると分かっていても、私はとにかく彼と話したかった。

(自分のワガママでメル友を辞めたことを攻められるのかな…怒られてもいい!早く優貴の声を聞きたい!)

私は即座に電話にでた。

「もしもし。心配したんだよ。いきなりメールが送れなくなるし。本当はすぐに電話したかったんだけど、めちゃくちゃ我慢してたんだ。

アミが落ち着いてから話さなきゃって思って…お互い冷静になって話したかったから。だから今電話してみたんだ。」

いつもの優しいキレイな声が聞こえてきた。

私の予想に反して、優貴は怒るどころか、私の事を心配してくれたのだ。

「優貴は私の事を気持ち悪いって思わないの?」

「何で?」

「だって、顔を見た事がない人に告白されたんだよ。」

「普通に嬉しかったよ。アミの気持ちが聞けてよかったと思ってるし。またメールとかで話したりしたいな!けど今度また、こういう事をしたらアミの事を嫌いになるからね。」

「うん。ありがとう。」

私達はまたメールを再開することにした。

「アミ…俺はアミが思ってるほど、いい男じゃないよ。」

「いきなりどうしたの?」

「俺なんかを好きになってくれて嬉しかったけど、顔を見たことがないから好きになってくれたんだろうなって思ったから…告白されるのは初めてだったし、アミにそういうふうに思われてるなんて考えもしなかったからビックリしちゃったんだ…。」

「顔とか外見は気にしないよ!優貴の優しいところが好きになったんだよ。もっと自分に自身を持って!」

「アミ…。」

「何?」

「今のアミが言ってくれた事信じてもいいんだよね?本当だよね?」

「うん!」

「アミと俺は少し遠いけど同じ東京都内だから頑張れば会える…。」

「えっ!?」

「アミに会いたい!前から会いたいと思ってた。無理にとは言わないよ。よく分からない他人と会うようなものだから、アミも恐いと思うし。」

「…。」

「いきなりだから驚いちゃったよね…。ごめん。」

「私も優貴に会いたい!けど…。」

「けど?」

「かわいくないし…ブサイクだから会って嫌われたくないんだ…。」

「アミ、約束して?会った時に…ひどい言い方をすれば…もし相手が生理的に受けつけられない顔だとしても、絶対に逃げたりしない。その日はお互い楽しく過ごそう。約束できるね?」

「うん!約束する!」

「場所とか日にちはメールで決めよう!後でメールするね。」

「うん!」

電話を切った後に私は重大な約束を優貴としてしまった事に気づいた。

(会って嫌われたら優貴の事、あきらめられるかもしれない。矛盾してるかもしれないけど、優貴に嫌われるのがものすごく恐いよ。)

いろいろ考えて疲れてしまった私は優貴からのメールが来る前に眠ってしまった。

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