前奏(プロローグ) 久我徹《くがてつ》の独奏《ソロ》
この小説は学園物と銘打ってはいるものの、クラスメイトはあまり登場しないのでそれっぽく見えないかも知れません。主な登場人物はぎりぎり3人ぐらいです。
恋愛要素は最後の最後にちょっぴり、という感じなのであまり期待できないかも。
こんな作者ですが、それでもいい!!とおっしゃってくださる心の広いお方はぜひ楽しんでいってください。
―――最悪だ。
放課後の静かな教室。窓の外には爽やかな青空。
・・・ではなく、今にも雨が降りだしそうな曇天。
俺は、目の前に立っている佐藤先生の手に握られている1枚の紙を見る。
「んー?なんか言って見ろぉ、久我ー?」
先生はニヤニヤと下品な笑みを浮かべ、その紙―――テストの答案―――を揺らす。真っ赤なバツ印が目に染みた。
「・・・課題のプリント追加、ですよね」
「よーく分かってるじゃあないか、あぁ?」
ドンッと音をたてて俺の机に置かれたのは、厚さ10mmはあろうかという分厚いプリントの束。
めまいがしてきた。
あぁ、陸上部のかけ声、気合入ってんなぁ・・・と運動場に意識を飛ばして、つかの間の現実逃避。
全く、本当に―――最悪だ。
港川学園・中等部3年、久我徹。気分はまさしく、曇り空。
プロローグだけ見ると、主人公のアホさしか伝わってきません。
次からはまともだと思います、たぶん。
ともかく次でヒロインが登場する予定なので、楽しみに待っていてください☆