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Sample3 白紙の染み


 母は箸を置いた。





 「もういいわ」と言った。





 ……息子は黙って、味噌汁をすする。

 温かった。





 テレビの音が台所に滲んでいた。





 換気扇が回っていた。




 履歴書が、テーブルの上にあった。

 経歴は書かれておらず、白紙のままで。





 母は夜中に起きて、台所の蛇口をひねった。

 水音だけが響いた。




 続き間の、ソファーに寝そべり、息子は煙草を吸っていた。




 それを見て、母は何も言わなかった。


 


 「……ごめんね」とだけ言った。


 





 息子は返事をしなかった。







 煙草の火が小さく揺れた。

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