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第七話 大戦争

「【閃光】!」

アレクの光線がエルゼの幻影諸共空間を破壊する。

元の森。

「はぁ・・・疲れた」

誰からともなく四人は倒れ込んだ。


「首領様、エルゼが行方不明となっております」

跪いて俯いている赤いマントの男。角は1つ。

「報告ご苦労。まぁ私のスキル【管理者】を使えば一瞬で分かる・・・」

フードを深くかぶった小さな人。フードのせいで目元が隠れている。

「それでは私は此処で失礼いたします」

消える赤いマントの男。

「・・・【管理者】」

首領と言われた人が呟く。


亡霊の森。

エルゼは気絶していた。

突然カッと目覚める。

エルゼの脳内に響く声。

「エルゼ、そこにいるんだろ?帰ってこい」

「帰る・・・ものか」

再びエルゼは気絶する。


聖都市バコロ。教会附属病院。

病室で目覚めた紅王。

「ん?」

病室の扉が開き、松葉杖を着いた祐樹と医者が入ってくる。

「目覚めたようですね」

「私はどれくらい眠っていた?」

「そうですね・・・2日でしょうか?」

「そんなに・・・」

祐樹を見やる紅王。

「折れたのね」

「立派に折れてたらしいわ」

「・・・めろんとアレクは?」

医者が答える。

「あの方たちならすぐ復活して今はこの街に宿をとり、ゆっくりしています」

「そうですか・・・」

九壊山との連続戦闘により消耗した体力とスキルパワーは計り知れない。

エルゼは行方が分かっておらず、崩壊した緑樹の地下牢については冒険者からバコロへ質問が殺到しているらしい。

「そういやぁ、あの二人のOFってあんまり知らなくない?」

「確かに・・・」

「よし、こうなったら新スキル開発!【何が起きてもずっと監視】!」

医者は思った。

戦争に使われるスキルよりこちらの方が恐ろしい気がすると。

「戦争、ですか・・・」

「?」

「おや、知らないのですか?この世界の人々に「戦争」と言えばほとんど全ての人が思い浮かべるのが『大戦争』なのです」

うなずく祐樹と紅王。

「『大戦争』。4000年前の最早歴史の教科書にしか載っていない戦争で、発端は小さな事でした。その時の人類の勢力範囲は地球上の半分にも満たず、残りはエルフ、ドワーフの長命種族とアバーハイトの勢力範囲でした。人間の勢力範囲は1つの帝国によって統一されていました。

その名を『アンダンテ帝国』と言います。

ある日エルフの使者(名前は不明)がアンダンテ帝国に出向きました。

エルフの使者の目的はアンダンテ帝国と同盟を結ぶことでした。

エルフの勢力範囲はアバーハイトにより脅かされていたため、人間とも良好な関係を築いておいた方が良いと言うのがエルフの長の見解だったそうです」

まったく頭に入らないという表情をする二人。

医者は構わず話を続ける。

「アンダンテ帝国はエルフの使者の要望を拒否しました。何しろエルフと人間は200年もの間冷戦状態だったのですから。エルフの使者は残念報告を長にしました。長はぶちぎれたそうです」

「沸点ひく・・・」

冷戦状態の相手国が交渉を拒否しただけで戦争始めるか普通?

でも、まぁそういうことなんだろうなぁ。

「エルフとアンダンテ帝国の全面戦争が始まると、アバーハイトがこの流れに乗りエルフと人間、二つの勢力を攻撃しました。

エルフ側には強力な破壊スキル・・・そう、噂のエルゼの様な能力を持っているエルフがいたためか、エルフはアバーハイトを絶滅寸前まで追い込み、人間とは強制的に不平等条約を結ばせたそうです。

今ではエルフも衰退し、絶滅寸前ですけどね・・・」


祐樹は熟睡し、紅王は

「いろいろあったんですねぇ・・・」

とぼーっと言っている。

大きくため息をつく医者。

「それより!めろんさんの目的であった研究家さんが亡くなってしまったら、どうするんですか!」

医者が叫ぶ。

「大丈夫。それなら、僕たちの知り合いが死者蘇生の能力を持っているらしい」

祐樹が言う。

「そうそう。そのエルフにも、もうすぐ行くって連絡してあるから大丈夫だよ」

「そのエルフの名前、知りたい?」

「知りたいです・・・」

ボソッと言う医者。

「その名前はね・・・ベルリ」

次回予告 第八話 久闊を叙する一行。

あのエルフが再び登場!そしてエルゼにまつわる驚くべき事実が明らかに!

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