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亡国の姫の傭兵譚  作者: 如月 燐夜
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噂の傭兵団


場面は変わり宿屋を飛び出したテルノへと移る。


適当な酒場に入るとテルノは景気の良さそうな傭兵の隣に座ると声を掛けた。


「よぉ、兄ちゃん。景気が良さそうだな?」


「んぁ?おぉ、まあな。大口の長期取引が決まってな!西帝国との戦に一部隊を任されて参加するんだよ!」


「へぇ、そいつぁ豪気だな。俺も肖りてえもんだ!」


「お?飲むかい?兄さんイけそうな口だな。じゃんじゃん飲んでくれ!ヘヘッ、今日は俺の奢りだ!」


「よっ、御大尽!遠慮無く頂くぜ!ーーそりゃそうと兄弟、こんな噂知ってるかい?」


「ん?どんな噂だ?」


「西帝国がメンダー王国と戦をしててな、そこで颯爽と現れたとある傭兵団が敵将を一騎打ちで倒して報償金を持って去っていったらしい。一振り剣を振れば風が起き、二振り振れば盾を裂き、三振り振れば相手の首と胴は泣き別れってね。最近西諸国を中心に噂になっている傭兵団、〈スターリア傭兵団〉っつうんだが…」


「ほぉ…そいつぁ良いこと聞いたぜ。是非とも共に戦ってみてえもんだ。しかし帝国側に付かれたらたまらねえが…」


「フッフッフ、兄弟。そりゃ有り得ねえってもんよ。何とスターリア傭兵団の団長は帝国三国を恨みに恨んでるっつう話しだ天地が引っくり返ってもそんな話しはねえぜ?」


カッと酒を煽り豪快な笑みを浮かべるテルノ。男はそのテルノの話し方や顔を見て確度の高い話だと確信する。そしてテルノはそのスターリア傭兵団の人間なのだ、とも思った。


「ほぉ?兄さん随分と詳しいじゃねえか。もしかして…そのスターリア傭兵団の所属かい?」


「さてねぇ…?それは近い内に答え合わせと行こうじゃねえか。俺の名はテルノだ。ごちそうさん、楽しい酒だったぜ。〈虎の牙〉のガーゼニックよぉ!」


ジョッキを互いに当てるとカコンという音を打ち鳴らしてテルノは席を立った。


名前を当てられたガーゼニックはぽかんとした表情で店から去るテルノを見送るばかりだった。


その後テルノは都市内の酒場を数件回り、団の宣伝と情報収集をして回ったが、団の宣伝はそれなりに効果はあったが情報収集の方はあまり有益な情報は無かった。


後日ガーゼニックが酒場を転々としスターリア傭兵団の話を嗅ぎ回ったとかないとか。

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