流逢
「るおう」
これも、ずっと描きたかったやつです。
他生の縁ですりあう袖から ほつれて解ける赤い糸
引いて辿れるゆかりもあるか
断ち切れてくれるなと 伝う指には結んだ約束もなし
さだめは哀しや 哀しけりゃ
振り出た賽の目まで怨んでやろう
逢うて 別れて めぐりて 逢うて
ここのつの命を生きる猫ならば
つぎに賭けてもみたくはなるが
逢うて 別れて めぐりて 逢うて
つぎ逢う刻は最期だと かたく絡めた小指が痛い
他山の石もて磨いた肌から すべりておちる玉の汗
ふいてぬぐえる涙もあるか
まだ涸れてくれるなと つのる想いも重ねた歳月はなし
契りは楽しや 楽しけりゃ
めくった札の絵さえ 桜か牡丹
逢うて 別れて めぐりて 逢うて
束の間の命を生きるひとなれば
つぎに賭けてはやれぬと急いた
逢うて 別れて めぐりて 逢うて
つぎ別るるが最期だと 結いし絆は愛でも憎い